小園健太・深沢鳳介

20日、横浜スタジアムで今シーズン最後のゲームに先発した横浜DeNAベイスターズ小園健太。「手術が決まった時も最初にLINEをもらいました。自分の中で特別な存在です」という同期入団の友・深沢鳳介の想いを背負って、マウンドへ上がった。

 
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■友の想い背負う小園健太の決意

小園は今回の先発を務めたことについて、「鳳介から『今年はお前、頼むわ』みたいな言葉ももらったので、そういう意味でも今日は気合が入っていましたし、絶対にやってやるんだという気持ちで投げました。鳳介は悔しいはずですし」と語った。

高卒3年目で同じ右腕の小園と深沢は、チームで唯一の同い年の友であるとともに、ライバルとして切磋琢磨する間柄。今季も開幕ローテーションの座を争い、春季キャンプもA班(一軍)で腕を磨き続けていた。

 

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■深沢鳳介はレベルアップのため手術

深沢は昨年、ファームながらチームトップタイの6勝を挙げた。三浦大輔監督からは「自分はどういうタイプのピッチャーかをしっかりと理解しながら、マウンド上で冷静だと相手に見せられる投手」と高い評価を得ており、今季も対外試合から無失点ピッチングを続けていた。

しかし2月25日に右肘に不安を訴え、3月19日トミー・ジョン手術を敢行。本人も「手術を行うかすごく悩みましたが、もっとレベルアップしてファンの皆様の前で投げられるように、自分を信じてリハビリに励みたいと思います」とコメントを残した。

 

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■今年こそ一軍入りを

そんな友・深沢の現状を受け止めた小園は、王者であるオリックス・バファローズのフルメンバーを相手に、カーブで幻惑させながらホップ成分の高いストレートで差し込むピッチングを披露。5回を2失点でまとめ「1回、2回は自分でも納得のいくピッチングができました。プレッシャーもありましたけど、点を取られた後でも立て直せるという部分を、しっかりと見せられたかなと思います」と、安堵の表情を見せた。

オープン戦でのベイスターズは、指揮官も「悩んでいます」と嬉しい悲鳴を上げるほど、先発投手が好投を続けている。それもあり20日の登板後にファーム行きが決まったが、ここまで3戦2勝、防御率2.25と立派な数字を残している。

三浦監督から“横浜ナンバー”の18番を託された期待のドラフト1位の小園健太は、苦しいリハビリに挑む友のためにも、今年こそ一軍で爪痕を残す。

 

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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

【DeNA】ドラ1位の右腕・小園健太が狙う一軍デビュー 「特別な存在」で同期・深沢鳳介の分まで…