国道140号の大滝トンネルが貫通しました。

トンネルで約5km短縮

2024年3月19日埼玉県秩父市で建設中の国道140号大滝トンネルが貫通しました。

大滝トンネルは、秩父鉄道三峰口駅付近の強石地区と、道の駅「大滝温泉」近くの落合地区をまっすぐ東西に結びます。

この区間は、秩父市街と、三峯神社・秩父湖・中津川渓谷といった観光スポットや山梨県甲府方面を結ぶ重要なルートですが、迂回路がありません。

さらに現道は、荒川がつくる渓谷の急斜面に張り付くように通されており、急カーブが多い、幅が狭い、落石が多いといった課題があります。

大滝トンネルは、約7kmにわたり「コ」の字のように遠回りしているこの現道を、2053mのトンネルで短く結ぶものです。道路は通行無料・2車線・歩道付き、設計速度60km/hで整備されます。

県によると、大滝トンネルは2022年5月13日に秩父側から掘り始めて、2年弱で大滝側に到達しました。

完成するとこのトンネルは、県内では、山梨との県境をまたぐ雁坂トンネル(6625m)を除くと、釜伏トンネル(2560m、国道140号皆野寄居バイパス)、大峰トンネル(2200m、国道140号)に次いで3番目の長さになります。

大滝トンネルの事業期間は2027年度までです。トンネルの開通により距離は約5km、所要時間は10分程度それぞれ短縮される見込みといいます。

なお、大滝トンネルは将来、関越道の花園IC(埼玉県深谷市)と、新山梨環状道路の桜井JCT(仮称、山梨県甲府市)を結ぶ地域高規格道路「西関東連絡道路」に組み込まれる計画です。

国道140号を高規格化して走りやすくする事業で、すでに埼玉では皆野寄居バイパス皆野寄居有料道路)や皆野秩父バイパス、山梨では甲府山梨道路(西関東道路)として一部が開通しています。

さらに現在は、大滝トンネルに加え、皆野秩父バイパスに接続する形で秩父市街の西側を通る長尾根バイパスの事業が進行中です。

国道140号大滝トンネルの秩父側坑口(画像:埼玉県)。