水原氏の解雇は各方面に大きな衝撃をもたらした(C)Getty Images
ドジャース・大谷翔平の専属通訳、水原一平氏が球団から解雇された問題で波紋が広がっている。パドレスとの開幕戦が3月20日に行われ、翌21日早朝に米メディアから発信された同ニュースの衝撃度は大きく、日本のメディアも朝の情報番組、ニュース含め1日中、詳報する事態となっている。
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「ロサンゼルスタイムズ」、米スポーツ専門局「ESPN」（電子版）といった米メディアによると、メジャーリーグの規約で禁じられている違法な賭博を同通訳が行っていたという。
水原通訳は米連邦捜査当局から調査を受けている南カリフォルニアのブックメーカーに多額の借金を作り、大谷の口座から少なくとも450万ドル（約6億8000万円）の電信送金を行っていたことが判明。スポーツベッティング（スポーツ賭博）は米国内の約40州で合法となっているもののカリフォルニア州では認められておらず、違法行為となっている。
「ESPN」によれば、水原通訳がかねてギャンブル依存症に陥っていたことを把握しており、水面下で取材を進めていたという。すでに球団側も水原氏の解雇を認めた。MLBはこれまでも賭博や八百長などの不祥事をめぐっては永久追及処分を下した例もあるなど、厳正に対応してきた。今回の水原氏の賭博対象は自身の告白によれば、関わっているMLBではなく、サッカーの国際試合、NBAやNFLといった野球以外のスポーツとなっているが、いずれにせよ、開幕したばかりのメジャーリーグにも影を落とす事態となった。
すでに大谷の弁護士が所属するバーク・ブレトラー法律事務所の広報担当者は「我々は大谷翔平が大規模な窃盗の被害者であることを分かり、我々はこの問題を当局に引き渡している」と声明を発表。あくまで〝被害者〟として幕引きを図っているが、こうなると大谷に与える影響も心配される。
「ESPN」が19日に行った取材に対し、水原氏は自身の賭博損失を昨秋に大谷側に明らかにして「二度としないよう援助するとして、自分のために返済することを大谷選手が決断した」と話した。同選手が自らパソコンにログインし、自身の口座から送金を行ったとした。
だが、水原氏は翌20日、一転して前言を撤回。「大谷は自分のギャンブルや借金、その返済について何も知らなかった」として「これは間違いなく全て自分の責任。これから起きることの全てに向き合うつもりだ」と語ったとされる。大谷のスポークスマンも〝大谷が了承していた〟という19日の発言は否定している。いずれにせよ、7億円弱ものお金をどう用立てしたのか、大谷側の資金が流出していたとなれば、その経緯にも注目が高まっている。
また水原氏が自身の借金を告白した時期もある。報道によれば、昨秋にこの問題は大谷自身が知ることとなっているが、ドジャース移籍という大きな決断が重なったときに、リスクがある人物と離れることを考えはしなかったか。
当然、これまでの大谷と水原氏の仲の良さは知られてきた。メジャー挑戦時からプライベートに至るまでサポート、エンゼルスにおいて前人未踏の二刀流を成し遂げるにあたって、同氏の細やかなケアなくしては到達しなかったともいわれている。通訳の垣根をこえてまさに〝盟友〟ともいわれる存在だっただけに、今回のドジャース移籍に関しても専属通訳も同じく移籍ということは自然の流れにも見えたが、葛藤を抱えた決断であった可能性も出てきた。
水原氏は昨年のWBCでも侍ジャパンにおいて大谷専属通訳のみならず、チームの裏方としても世界一奪回に貢献、ナイン誰からも愛される存在として知られていた。
今後は当局の捜査により、徐々に周辺の事情も明らかになっていくことが予想される。今回の韓国遠征では大谷も真美子夫人の存在を明らかにするなど、お祝いムードが続いていた矢先に飛び込んできたビッグスキャンダル。ハレーションは当分収まりそうにない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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