東京冷蔵倉庫協会ら首都圏4都県の冷蔵倉庫協会は3月18日、2024年物流問題に対応するため、寄託者(荷主)への協力を依頼する文書を連名で作成した。今後はこの依頼文書に基づき、冷蔵倉庫各社が寄託者毎に細かく調整を行いながらトラック待機時間を削減していく考えだ。

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トラックの待機時間を減らすためには従来の商慣行による入出庫作業を変えていく必要があり、また冷蔵倉庫業界においても労働力不足や時間外労働の削減など解決していかなくてはならない課題も多い。このため、寄託者(荷主)への協力を呼び掛けた内容となっている。

〈荷主への依頼内容〉

依頼内容はすぐに着手出来る以下の対応策5つ。

◆「入出庫オーダーの前倒し対応」

冷蔵倉庫の入出庫作業事前準備に必要なオーダーは前日午前中までに冷蔵倉庫へ送ること。

◆「営業時間内の入出庫対応のお願い」

入出庫作業は冷蔵倉庫の営業時間内を原則としたオーダーとなること。

◆「特定日入出庫の回避」

荷主自らが約2倍の物量に増える月末・月初・期替りなどの特定日における入出庫オーダーを避けること。

◆「小口ロットの削減」

作業効率の悪い小口の入出庫オーダーを改善すること。

◆「外装ダメージ品の取扱い」

外装ダメージ品が発生した時の対応を事前に明確にしてトラックを待たせないこと。

依頼文書を作成したのは次の4団体。▽東京冷蔵倉庫協会(会長・武田信一郎=マルハニチロ物流)▽神奈川県冷蔵倉庫協会(会長・大石竜司=アイセン)▽埼玉県冷蔵倉庫協会(会長・有田治男=第一倉庫冷蔵)▽千葉県冷蔵倉庫協会(会長・浜口辰晴=マルハニチロ物流)。

なお協力依頼の内容は、内閣官房「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」が「物流革新に向けた政策パッケージ」を令和5年6月2日に決定し、日本冷蔵倉庫協会が同年12月に政府へ提出して承認された冷蔵倉庫業の「自主行動計画」の内容に基づいて作成している。

依頼内容 原文
依頼内容 原文

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