社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気プラモデル製作に挑戦するのが、この連載!

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コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。

 

泰勇気の週末プラモ 第90回 

 

というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第90回スタート!

今回ご紹介するのは、グッドスマイルカンパニーMODEROIDシリーズで発売となる、40周年を迎えたTVアニメ「超時空世紀オーガス」の主人公ロボットのオーガスプラモデル

フィギュアこそ何度か商品化があったものの、プラキットはアニメ放映当時に発売されて以来40年ぶりの新作。しかも4タイプへの変形を再現! 塗装済みパーツや配色を補完するためのシールもあり、組み立てただけですぐに遊べる嬉しい内容となっております。

どの形態においてのプロポーションも良好なこのキット。楽しみながらレビューさせていただきます。

 

パッケージには今回も様々な機体が描かれており、ついつい期待に胸がふくらんでしまいます。

実は人型に近い形状のこのオーガスは物語の中では当初珍しい機体(ドリファンド)で、劇中に登場するブロンコII、モラーバという2 つのメカを組み合わせて作られたという誕生経緯が、主人公メカとしてはなかなか面白いです。

 

まずは、オーガスオーガロイドモード。

組み立ててシールまで貼った状態でここまで配色が再現されます。ほぼ完璧と言ってもよいのではないでしょうか。

ご覧の通り、スタイルも大変良好です。

 

背面から見ても非常にすっきり。この背部ユニットによって隠されている内側には4形態への変形を可能にする可動部がぎゅっと詰まっています。

 

頭部。メインカメラ部分にはクリアグリーンのパーツが採用されています。内側の接続軸受けの形状がちょうどメカメカしく見えます。

首の接続部はボールジョイント接続。そこそこ自由に動かせます。

 

胸部の色分け部分も組み立てただけでこの再現度。腰部の内側にはコクピットが収まっています。画像では背中側に姿勢補強パーツを使用していますが、全く違和感がありません。

股関節部分は軸接続。腰部両サイドのエンジンユニットもフレームパーツで可動。インテークの中にもディテールがしっかり入っています。

 

太ももの黒いラインは塗装済みパーツ。膝ブロックの上部分でロール回転が可能。膝は二重関節になっています。

 

膝の四角の突起の色は2 色から選択できます。今回はクリアグリーンのパーツを選択しました。

また、頭部のアンテナパーツには予備が1本あります。念のため大切に保管しておきましょう。

 

ミサイルガンの配色もご覧の通り。黒い小さな▲のみシールになります。

 

オーガス独特の手首の形状も再現されています。接続自体はボールジョイントで、握り拳と、変形用の小型手首も付属しています。

 

別売りの「THEシンプルスタンド」を使ってポージングさせながら可動範囲の説明。

 

首は少し回転させたうえに、やや下を向かせています。肩関節はこう見えて回転が可能。肘関節も変形の恩恵で深く曲げることができます。

股関節の横方向への開脚はデザインの都合もあり、このくらいまでとなります。

 

脚部の前後開脚は180度ほどまで可能で、ご覧のように大きく蹴り上げるようなポーズも無理なくできます。

肩は前後への若干のスイングも可能。二の腕にロール回転軸があります。

 

足首はボールジョイント接続。そして変形の恩恵でつま先を閉じることもできます。オーガスは空中戦のイメージが強いです。

 

オーガスはオープニング映像からしてかなり思い切ったアクションを見せていたのも印象的。脚部のスリットも別パーツとなっていることにも注目です。

 

肩の引き出し機構部分を伸ばせばさらに腕を大きく動かすことができるようになります。

 

皆さんも楽しくポージングに挑戦してください。

 

当時のキットは持っていなかったのですが、当時のタカトクトイスより発売していた完成品玩具が手元にあったので並べて見ました。

玩具を設計する環境の進化や、対象年齢の違いなどもありますが、今回のMODEROIDオーガスはよくこの大きさの中に変形機構を内蔵しましたよね。

驚異の4段変! オーガス・タンク形態から挑戦

ここからはオーガス最大の見せ場である変形をお見せします。手首を握り拳に交換した状態でまずはオーガスタンクへの変形。

 

頭部カバーを閉じ、背面ブロックを90度起こして、肩関節を後ろにスイングさせます。

 

腰部両サイドのエンジンブロックを上方に移動。

 

肘を90度曲げ、二の腕のロール回転を使って手首が前方を向くようにします。

 

脚部を少し後方に振り、

 

膝を逆関節に折り曲げ、つま先を閉じます。

 

脹脛外側装甲を後方へ回転させて脚部の変形が完了。

 

コクピットカバーの上側のみ展開して、オーガスタンクの完成です。

劇中ではほとんど見ることのなかったタンク形態ですが、なぜだかとても印象深いです。

 

この脹脛の展開ギミックが気持ちよく、それで覚えている人もおられるのでは?

オーガスの世界では空中戦のイメージが多い半面、とある事情で音速飛行はできないため、地上を高速で移動する際に使用される形態だったようです。

 

現代人の感覚における「戦車」とは大きくイメージが異なりますが、それが余計に魅力的なメカでもあります。

 

タカトク版とのツーショット。タカトク版は「玩具らしさ」が強く出ていますね。

今回のプラモデルは、変形させる時に少々慎重に扱わなければならない部分はありますが、組み立てた状態で触れていると、やはり「フィギュア」的な気持ちになります。

オーガス・フライヤーへ変形!

続きましては飛行形態のオーガス・フライヤーへの変形。その前に、背中の姿勢補強パーツを取り外し、フライヤー形態用のスタンドパーツを取り付けます。

 

オーガロイド形態から頭部カバーを閉じて、今度はいったん頭部ユニットを後方へ持ち上げます。

 

頭部を前に倒して胸部に収め、背面ブロックを起こします。

 

背面ブロックで頭部を覆い隠し、肩の付け根の部分から両腕を後方へ移動させます。(手首は変形用手首に交換してあります)

 

ここからの変形が少々複雑。可動部分もある程度剛性のあるABS素材ではありますが、無理な力が加わらないように、慎重に取り扱ってください。

肩の引き出し関節を伸ばし、回転軸で180度回転させ前腕を上に向けます。

 

なんやかんやあって腕をこの位置に移動させます。もはや文字で簡単に説明するのは不可能でした……。

 

さらになんやかんやあって、肩の装甲が側面にくる状態になります。腰部両サイドのエンジン部分も、接続部のフレームを左右に引き伸ばします。

 

上半身を後方に90度倒し……

 

ウイングを横に展開して脚部を後方に送ります。

 

そして、コクピットカバーを展開。

 

ミサイルガンを装着していない点を除けば、これでプロポーション優先パーツを装備していない状態の、フライヤー形態の完成となります。

 

コクピットブロックにプロポーション優先パーツを取り付け(写真下)、右脚側面にミサイルガンをマウントすれば変形完了です。

 

オーガス・フライヤーモードです。それまでの主人公ロボットではあまり見かけなかった、流線型のボディが強調されます。

 

主翼の下にはミサイルなどがマウント可能。もちろん取り外しも可能です。下から覗いてもまったく破綻していません。

 

後方から見ると、折りたたまれた両腕が確認できます。こうして見ると、腰部、背部、足首の主だったスラスターが全てしっかり後方を向いていることに気づきます。

飛行形態、飛行ポーズが多いオーガスなだけあって、足裏のディテールも多めです。

 

真正面から見ても、上下が非常に薄くまとまっています。あの両腕の複雑な変形の賜物です。

 

こちらもタカトク版と比較。何と言いますか、それぞれのよさがありますね。

続けてこのままオーガス・ガウォークへと変形!

ガウォーク形態に変形!

脚部を逆関節にして展開。

 

肩の変形ユニットを、これまたなんやかんや変形させて両腕をこの位置にします。

 

脚の付け根部分を横に引っ張り、広げます。この時、必要以上に力任せに引っ張りすぎないように注意が必要です。

 

両腕の前腕を機体中央の下に潜り込ませ、脚部付け根に見た目重視補助パーツを取り付ければガウォークの完成です。

 

母艦的存在のグローマから発艦する際は、この形態で吊るされていました。

 

この世界においてはオーガロイドよりも、どちらかというとこちらの形態のメカのほうが通常であるというのも、面白いところです。

 

ガウォーク形態でも「Theシンプルスタンド」を使用可能。

 

見た目重視補助パーツを取り外した状態でも、言われないと気付かないくらいの完成度なのですが、補助パーツがあるとより一層形状がよく整うので、個人的にはありがたいです。

 

ガウォーク形態でもタカトク版と比較。こうして各形態を比較して見てきましたが、ポージングの自由さは圧倒的に今回のMODEROIDがすぐれているものの、当時品もルックス的には、なかなかやるなぁと言わざるを得ません。

「プラスひと手間」加えたいところなのですが、可動部がABS素材であるため組み立てた後にあまり塗料を使ったひと手間は行えないため(ABSは塗料の溶剤に弱い)、白いパーツへの軽いスミ入れのみにとどめておきました。シールで補完されている部分も部分塗装してもいいかもしれません。

 

脚部や背面のスミイレが効果的ですね。今回のこのキット、変形させて遊び倒したいのなら塗装はしなくても十分に楽しめると思います。それでも、変形時にはやはり注意が必要です。回転軸は回転方向にのみ動かすようにするなどして、変な力の加え方は絶対にしないように遊びましょう。

 

逆に、本気で塗装や継ぎ目消しをしようとするとかなり工夫が必要なので、挑戦する方々はともにがんばりましょう!

 

さて「オーガス」が発売されたとなると、真っ先に考えてしまうのが「オルソンスペシャル」なのではないでしょうか。これまでのアイテムでもオーガスが発売すれば必ず「オルソンスペシャル」が発売されるというほど、この流れはお約束

待てよ? メカスマのことだからもしかすると「量産型」を先に出してくる可能性も? いやまさかそれさえもすっ飛ばしてナイキック⁉ え、OVA「オーガス02」のオーガスII⁉

 

はてさて、次はいったい何が飛び出してくるのでしょうか。自分も、シリーズの続報を楽しみにしております!

 

商品情報

MODEROID オーガス

・発売中

・メーカー:グッドスマイルカンパニー

・価格:7,000円(税込)

・仕様:組み立て式プラモデル・ノンスケール・全高:約160mm(オーガロイド時)

・原型制作:U-TOM

・制作協力:マーシーラビット

泰勇気

泰勇気

無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。

©1983 BIGWEST・TMS


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「MODEROID オーガス」レビュー! プロポーション抜群の小さなボディに4段変形ギミックを詰め込んだ衝撃のキットに、声優・泰勇気が挑戦