“日本ポップス界の巨人”大滝詠一の最新ミュージックビデオが、3月21日に公開された。

このミュージックビデオは、大滝の代表アルバム「EACH TIME」の発売40周年を記念して、「EACH TIME 40th Anniversary Edition」が3月21日にリリースされたことに合わせて公開されたもの。

「EACH TIME」は1984年3月21日に発表されたソロ名義としては6枚目、オリジナルスタジオ・フルアルバムとしては大滝生前最後の作品。大滝は日本ポップ史に燦然と輝く傑作「A LONG ACATION」を1981年3月にリリースしたあとも、松田聖子風立ちぬ」(1981年10月7日発売)、森進一「冬のリヴィエラ」(1982年11月21日発売)、薬師ひろ子「探偵物語」(1983年5月25日)など、“大瀧詠一”名義で他のアーティストに提供した楽曲も大ヒットを記録。

アルバム「EACH TIME」は、アーティストとしても作曲家としても大きな注目を集めていた時期に発売され、オリコンアルバム・ウィークリーランキングでマイケル・ジャクソンスリラー」を抑えて1位を獲得するなど大ヒットを記録するなど、「ロンバケ」同様に名作アルバムとして国内外の音楽ファンから高い支持を得ている。

今回、公開されたのは、アルバム収録曲「ペパーミント・ブルー」のミュージックビデオ。完成したミュージックビデオは、アルバムジャケットのイラストも手掛けた、イラストレーター・河田久雄氏の複数のイラストで構成されている。

映像の制作は、映画「君の名は。」や「天気の子」の予告編演出で知られる、日本を代表するアニメ映像ディレクター・依田伸隆氏が担当。依田氏は大滝の代表曲「君は天然色」のミュージックビデオ(2021年公開)も手掛けており、海外の音楽ファンを中心にYouTubeで累計1,800万再生を突破。非常に人気の高い映像コンテンツとなっている。

依田氏自身も以前から大滝詠一作品の大ファンだったこともあり、今回のMV制作を快諾。二次元のイラストを、得意のアニメーション技術で立体的に表現し、今まで観たこともない見事な映像作品に仕上がった。色鮮やかな映像と、大滝詠一の瑞々しいサウンドとの夢のコラボレーションが実現している。


☆依田伸隆氏 コメント

「A LONG VACATION」発売40周年記念「君は天然色」に引き続き今回は「ペパーミント・ブルー」、ダイジェスト映像である「EACH TIME THE MOVIE」という超名盤のMVを制作させていただきました

河田久雄さんのたくさんのイラストと「EACH TIME」の名曲に囲まれて仕事ができる幸せ。「色」と「音」は密接な関係にあると言われていますが、大滝さんの音楽はタイトルにもあるようにそれが顕著で、イラストを使用させてもらえる事でよりそこを意識して制作しました。色褪せないというのは、取りも直さず色が想起できるという事なんだと制作していて改めて思いました。そして「色」が想起できるだけでなく、ファンの方なら今まで聴いてきた想い出、景色、匂いなどあまりにも多くの情報量が詰まっている音です。音楽全般に言えることではありますが、特に大滝サウンドは聴いた方それぞれの記憶や解釈を全て内包している感がすごい。「ある時代の」「あるシチュエーションの」事を歌っているのに過去も未来も関係なく普遍的な印象を与えるような魅力があります。そして普遍的ではあるのですが実際その音をよくよく聴き込んでみると、本当に面白いギミックやアイデアが遊び感覚のように散りばめられていて斬新!語り出したら魅力は尽きません。この映像がファンの方々にも、これから聴く方々にも「大滝色」を浴びる一助になれたら幸いです。