サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN 株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役社長:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN)は、2023年7月から開始した約8ヶ月におよぶ「埼玉 食のサーキュラエコノミープロジェクト」が完了し、産官学11機関との連携を通じて、地域でこれまで廃棄されてきた規格外農作物などの「かくれフードロス(※1)」をアップサイクルする「食の循環型モデル」の構築に繋がる成果を上げたことをお知らせします。

 当社の過熱蒸煎技術によって「かくれフードロス」になっている埼玉県内の食材を粉末化した『ぐるりこ(R)(※2)』を製造し、女子栄養大学、日本薬科大学の学生と県内7店舗の飲食店や富士見市学校給食センターが新メニューを共同開発。飲食店では全11種類、学校給食としては、全17小中学校に提供され、小中学生には「かくれフードロス」削減に向けた食育プログラムも実施しました。

 また、過熱蒸煎によって製造された『タマネギぐるりこ(R)』は、従来の熱風乾燥で製造されたものと比べ、最大135倍の香りがあるなど、栄養や香りに関する優位性も実証され、2024年3月5日(火)には、総勢約70人の関係者に対して本プロジェクトの最終成果報告会を実施しました。

(※1)「かくれフードロス」とは

食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物といった未利用農作物など、一般的な「食品ロス」には含まれない食品廃棄のこと。

(※2)『ぐるりこ(R)』

規格外農作物や野菜の端材等を過熱蒸煎機で乾燥・粉末化した食品パウダーの総称。特許庁商標登録済み商標です。6723114号

 本プロジェクトは、埼玉県内における「かくれフードロス」削減、産官学連携の取り組みです。地域の食の循環型モデル構築を目指し、ASTRA FOOD PLANが主体となってステークホルダーを形成し、11の機関が参画。2023年7月から開始し、2024年3月まで実施されました。プロジェクトの内容はは以下の通りです。

1.「かくれフードロス」食材を『ぐるりこ(R)』に加工

 埼玉県内の農業生産者において発生する規格外品や、食品加工工場で発生する野菜端材などを、当社の「過熱蒸煎機」で粉末化、『ぐるりこ(R)』に加工。規格外農作物はJAいるま野(埼玉県川越市)と協力して集荷を行いました。

2.成分分析、研究

 『ぐるりこ(R)』の栄養機能性、香りの分析を埼玉県産業技術センター(以下、SAITEC)と連携して実施。

3.大学生による「ぐるりこ(R)メニュー」開発と、地域店舗での販売

 女子栄養大学(埼玉県坂戸市)・日本薬科大学(埼玉県北足立群伊奈町)の大学生と県内事業者が連携して『ぐるりこ(R)』を用いた新メニューを開発。連携店舗は富士見市商工会の協力で公募しました。

 コラボ商品は富士見市を中心とした店舗で発売し、2024年2月7日(水)から2024年3月末までの期間限定で販売中です。コラボ商品には「ぐるりこ(R)マーク」をつけ、店頭でもポスターなどで訴求しました。

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000099210.html

4.富士見市内小中学校で「ぐるりこ(R)メニュー」給食、食育プログラムを提供

 富士見市教育委員会、富士見市学校給食センター、女子栄養大学と連携し、ASTRA FOOD PLANが本社を置く埼玉県富士見市内の小中学校に『ぐるりこ(R)』を使用した学校給食と食育プログラムが提供されました。

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000099210.html 

  • 参画者

埼玉県資源循環推進課

富士見市役所

富士見市教育委員会

富士見市学校給食センター

富士見市商工会

・JAいるま野

埼玉県産業技術センター

・女子栄養大学

・日本薬科大学

・株式会社リバネス

・地域の飲食店等 7事業者

  ・ブーランジュリーコトン

  ・イタリアンレストランデスティ―ノ(DESTINO)

  ・和食 ひで蔵

  ・元祖富士見うどん いわ蔵

  ・Soup&Tea House香音

  ・ベビーパレス私立成城保育室

  ・法師園

  • プロジェクト全体の総括と最終成果について

 2024年3月5日(火)に、JAグループ全国組織が運営するイノベーションラボ「アグベンチャーラボ」において最終成果報告会が開催され、約70人が参加しました。各プロジェクトの成果発表のほか、『ぐるりこ(R)』を用いたパンやシフォンケーキの試食も提供されました。

  • 熱風乾燥の野菜パウダーと比べ、ぐるりこは最大135倍の香り成分。熱に弱いビタミンCの検出も。
    『ぐるりこ(R)』の栄養や香りの優位性が明らかに。

 埼玉県産業技術センター等と連携し、熱風乾燥した野菜パウダーと過熱蒸煎した野菜パウダーである『ぐるりこ(R)』の栄養・機能性成分と香りの違いについて分析し、『ぐるりこ(R)』の優位性を明らかにしました。

1.栄養分析

 ほうれん草ごぼう長ネギの3つの品目で、熱風乾燥品と過熱蒸煎した『ぐるりこ(R)』の栄養、機能性成分を分析。いずれも『ぐるりこ(R)』の方が栄養価、機能性成分値が高いことがわかりました。特に、熱に弱いビタミンCは、熱風乾燥品では検出されませんでしたが、過熱蒸煎では残存しています。60℃で長時間加熱する熱風乾燥よりも、400℃で5秒~10秒の短時間加熱する過熱蒸煎の方が、栄養・機能性成分を破壊せずに乾燥できることを明らかにしました。

2.香りの分析

 ガスクロマグラフ質量分析装置を使用し、熱風乾燥した玉ねぎと過熱蒸煎した『タマネギぐるりこ(R)』の香り成分を比較すると、最大135倍の香り成分があることが分かりました。また、一般的には「嫌な匂い」とされる「青臭さ」などの香り成分が少なく、『ぐるりこ(R)』が素材本来の風味を活かしたものであることが証明されました。

  • 学生と県内の飲食店、学校給食センターが共同開発した『ぐるりこ(R)』を使用したメニューの発表(女子栄養大学・日本薬科大学)

 2024年2月7日(水)から、埼玉県内の7つの飲食店などで、女子栄養大学と日本薬科大学の学生9名が開発した『ぐるりこ(R)』を使用した期間限定メニュー全11種類が提供されました。

 本報告会では、初期アイデアから中間試作報告会(※3)を経て改善した点、実際に提供が始まってからのお客様からの反応などが報告されました。

(※3)中間試作報告会

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000099210.html

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000099210.html

  • 富士見市内の小学生に実施した「かくれフードロス削減に向けた食育授業」の発表(株式会社リバネス)

 2024年2月27日(火)に、埼玉県富士見市内の小中学生を対象に「かくれフードロス」削減に向けた食育プログラムを実施しました。女子栄養大学の学生と富士見市学校給食センターが共同開発した『ぐるりこ(R)』を使用した給食が、市内の小学校11校約6000名と中学校6校約2600名に1日限定で提供され、食事をしながら「かくれフードロス」について学ぶことができる教材を配布しました。また、代表の加納の母校である埼玉県富士見市立諏訪小学校の小学5年生約120名に対しては、株式会社リバネスと連携し、科学実験を用いた特別授業を実施しました。

 本報告会では、小学生のアンケート結果を用いて「『ぐるりこ(R)』の活用で、かくれフードロスの削減に繋がるという理解を促すことができた」 「テクノロジーによって社会課題を解決できるという理解を促すことができた」と報告されました。

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000099210.html

  • 今後の展望

 来年度以降は富士見市以外の自治体や事業者とも連携し、より大きなサイクルを描くことを目指します。大手食品メーカーや飲食チェーン、小売り業にも参画してもらい、『ぐるりこ(R)』のさらなる販路開拓や過熱蒸煎機の普及を進め、埼玉県内の「かくれフードロス」削減を目指します。

  • ASTRA FOOD PLAN株式会社 代表取締役社長 加納 千裕コメント

本プロジェクトは、ASTRA FOOD PLANにとってもチャレンジングな企画でしたが、大成功を納めることができたと思います。ご参画いただいた自治体、事業者の皆様には一丸となってご協力をいただけたこと、大変感謝しております。

この写真は、諏訪小学校での実験教室を実施する直前に、リバネス様のチーム、女子栄養大学の先生と学生たち、当社のメンバーが「がんばるぞー!」と号令をかけながら一緒に撮ったもので、本プロジェクトを象徴するような写真となりました。

社会課題の解決は簡単なことではありませんが、このように力を合わせれば解決できるに違いないと、確信を得ることができました。

今後も多くの事業者、自治体、個人を巻き込みながら、「かくれフードロス」削減に向けて取り組みを加速していきたいと思います。

  • 「ASTRA FOOD PLAN」では、一緒に働く仲間を募集中

 ASTRA FOOD PLANでは、一緒に働く仲間を募集しています。『過熱蒸煎機』や『ぐるりこ(R)』の提案営業をはじめ、オープンポジションでも採用を強化中です。少しでも興味を持った方、お話を聞いてみたいという方は、下記よりご連絡ください。

■募集ポジション

・営業

・オープンポジション

採用情報の詳細ページ:https://www.astra-fp.com/recruit/

  • 一般的な食品ロスの約4倍。年間2000万トンにおよぶ「かくれフードロス」の実態

 現在コンビニエンスストアや量販店の売れ残りなど、本来食べられるのにも関わらず廃棄される「食品ロス」が問題となっています。しかし、一般的に認知されている「食品ロス」の量には野菜の芯や皮、ヘタなどの食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物などの未利用農作物が含まれていません。

「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」によると、2019年における日本国内の食品ロスは、約570万トンと推計されていますが、農林水産省がまとめた「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」(※4)では、食品ざんさや未利用農作物などの不可食部分も含めた「食品由来の廃棄物等」の食品ロスが2531万トンにおよぶことがわかっており、大きな社会課題となっています。

ASTRA FOOD PLANは、この一般的な食品ロスの約4倍となる年間2000万トン(※5)の食品廃棄を「かくれフードロス」と呼び、その削減とアップサイクルに取り組んでいます。

(※4)

農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html

消費者庁『食品ロスについて知る・学ぶ』

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/

(※5)

「年間2000万トンのかくれフードロス」=「2531万トン(食品由来の廃棄物等)」-「約570万トン(本来食べられるのにも関わらず廃棄される食品ロス)」

  • 『過熱蒸煎機』について

 『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可能な装置です。以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいたるまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。

  1. 食材の風味の劣化と酸化を防止

    数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。

  2. 低コスト、高い生産効率を実現

    ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。

  3. スピード殺菌乾燥

    過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5~10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。

製品名:過熱蒸煎機

発売日:2022年4月4日

※『過熱蒸煎機』カタログダウンロード https://www.astra-fp.com/download/

  • 『ぐるりこ(R)』について

 『ぐるりこ(R)』は、『過熱蒸煎機』によって風味、栄養価の減少を抑えながら製造される高付加価値パウダーの総称で、素材別には”タマネギぐるりこ”、”キャベツぐるりこ”などとなります。サスティナブルで循環型のフードサイクルを目指していることと、『過熱蒸煎機』内で原料をぐるぐると回転させながら乾燥殺菌する製造工程の様子を表したキーワード「ぐるり」と、Collaborate、Cooperation、粉の「こ」を組み合わせた造語です。

  • 会社概要

ASTRA FOOD PLAN株式会社

URL:https://www.astra-fp.com/

本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26

代表取締役:加納千裕

設立:2020年8月

配信元企業:ASTRA FOOD PLAN株式会社

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