日本最大級のCS映画専門チャンネル「ムービープラス」では、金曜(キン)29日(ニク)を「筋肉の日」と題し、来る3月29日(金)にハリウッドで活躍する俳優たちが鍛え上げた自慢のボディーをフルで活かした作品を24時間一挙放送。そこで、今回はアジアを代表する筋肉俳優マ・ドンソク、アスリート級の鋼のボディーを持つジェイソン・ステイサム、強さと美しさを兼ね備えた美ボディーで魅了するアンジェリーナ・ジョリーなど、老若男女問わず磨き上げられた肉体美=マッチョボディーを武器に活躍する“マッチョ俳優”たちを紹介しよう。

【写真】スーツの上からでもはっきりと分かる筋骨隆々のマ・ドンソク…歩き方にも風格が!

■強面だけど…愛され俳優のマ・ドンソク「悪人伝」

見た目の強烈なインパクトとは裏腹に優しいファンサービスと愛嬌(あいきょう)たっぷりな性格から“マブリー(マ・ドンソク+ラブリー)”の愛称で人気のドンソク。これまで出演してきた作品では剛腕刑事、ヤクザのボス、ヒーローなど、体形を活かした役柄を担うことが多く、どう鍛え上げたら彼のような体格になれるのかと、映画の本編以上に気になってしまうファンも多いであろう“強面系マッチョ俳優”の一人だ。

韓国系アメリカ人のドンソクは、移住した当時のアメリカではまだ人種差別がひどかったことから、見下されないように体を鍛え始めたことが筋肉と向き合うきっかけだったと明かしている。また、大学時代は体育学を専攻し、俳優デビュー前は格闘家のパーソナルトレーナーの経験を持つなどまさに肉体派のサラブレッド

そんな彼の強さと怖さが詰まった「悪人伝」(2019年)では、裏社会を牛耳るヤクザのボス・ドンス役を怪演。ある日殺人鬼に襲われ、なんとか一命をとりとめたドンスは、組織を率いて自分を襲った殺人鬼を探すことに。巨大な背中に、全身入れ墨のドンスからは“マブリー”要素を一切感じさせず、怒らせたら絶対にヤバい人を全身で表現している。同作はドンスが殴り倒すサンドバッグの中から人間が出てくる衝撃的なシーンも見どころのバイオレンスアクションだ。

■元祖肉体派スタローン製作×元飛び込み選手ジェイソン・ステイサムバトルフロント

そんなドンソクも憧れる“元祖マッチョ俳優”がシルベスター・スタローンだ。スタローンといえば「ロッキー」シリーズ、「ランボー」シリーズなどで激しいアクションを披露すると同時に無駄のない体も作り上げてきた“筋肉戦士”。そんな彼が製作・脚本を務めた「バトルフロント」(2013年)では、主演にこちらもハリウッドマッチョ代表格ジェイソン・ステイサムを起用した。同作で元麻薬潜入捜査官・フィルを演じたのがステイサムで、愛娘を守るために強い覚悟で奮闘する“強いパパ”を見事に演じきった。

本作もそうだが「ワイルド・スピード」シリーズをはじめ、アドレナリン全開の作品でインパクトを与え続けている彼は、元々水泳の飛び込み選手という異色の経歴の持ち主。現役アスリート顔負けのトレーニングと抜群の身体能力でこれまで多くの映画ファンを唸らせてきた“正統派マッチョ俳優”だ。

■CGマッチョヒーロー代表「インクレディブル・ハルク

マッチョで鑑賞者を魅了するのは何も人間界のマッチョだけじゃない。現代の技術を駆使した“CGマッチョヒーロー”が登場する実写映画「インクレディブル・ハルク」(2008年)もチェックしておこう。ハルクとは本来英語で“不格好な大男”や“荷物”を意味し、本作ではその名の通り緑色の肌と怪力を持つ異色のヒーローが実験中の事故により誕生してしまう姿を描いている。

これまで挙げてきたドンソクやステイサムとは鍛え方が異なるものの、科学技術によって巨大化した上腕二頭筋、広背筋があらわになるシーンは圧巻であり、映画のポスターカットに映し出された巨大なハルク後ろ姿も筋肉により圧倒的な強さを表現しているように思える。

■魅惑の美ボディーを維持し続けるアンジー「ソルト

体を鍛え上げるのは男性俳優だけではない。戦う女役がとても似合うクールビューティーな“アンジー”ことアンジェリーナ・ジョリーのボディーラインはしなやかで美しく、世界中の女性の憧れの的だろう。また役作りのため、過酷なトレーニングを積んで撮影に臨むストイックなエピソードも度々耳にする彼女は、映画「ソルト」(2010年)では役作りのために3週間という短期間で約21ポンド(9.5kgほど)も絞り込み、肉体改造をしたという。

本作はアンジー演じるCIAエージェントのソルトが、二重スパイの容疑をかけられてしまい、その真相究明に奔走する姿を描くスパイアクション。アンジーのスパイ映画といえば元夫のブラッド・ピットと共演した「Mr.&Mrs.スミス」(2005年)も有名だが、「ソルト」ではコメディー要素なしのスパイに扮(ふん)した彼女の姿が堪能できる。

■週8日ジム通いの日本が誇るストイック俳優・大沢たかお

その他にもカンフー映画燃えよドラゴン」(1973年)では、中国武術と常人離れした身体能力を持つ、少林寺拳法の達人・リーを演じたブルース・リーといった、小柄な体型にもかかわらず極限まで鍛え上げられた肉体が有名な“細マッチョ俳優”もまだまだ多く存在しているだろう。

多士済々なマッチョ俳優界だが、日本からはストイックな役作りで見事なボディーを作り上げた大沢たかおの名を挙げたい。大学で筋肉を研究する先生やボディービルのチャンピオンなどにも話を聞きに行きながら、正月三が日も休まず「週8日」と言われるほどジム通いを続け、人気漫画を原作とした映画「キングダム」シリーズでの王騎という役の圧倒的なボディーを作り上げた。それも監督やプロデューサーからのオーダーではなく、現場に行った時に周囲をびっくりさせたい一心からだったそうで、20kg近く増量してそれこそCGと見紛うほどの“別人級”マッチョボディーになった。

なお、ムービープラスでは3月29日(金)の“筋肉の日”に夕方16:15から24時間ぶっ通しで筋肉映画を11作品連続放送する。アンジー主演の「ソルト」を夜9:00から、ドンソク主演の「悪人伝」を深夜4:55から、30日(土)朝6:55からは「インクレディブル・ハルク」、同日昼0:00からスタローン×ステイサムの「バトル・フロント」、昼2:00からステイサム主演の「バンクジョブ」がそれぞれ放送。その他、本記事に登場しないマッチョ俳優が出演する作品も放送される予定だ。

作品ごとに変化する役柄に向き合い、役作りの一部で体を仕上げるストイックな俳優たち。そんな彼らに憧れて“筋肉留学”するのも悪くないかもしれないが、まずは画面の向こうで“筋肉美”に酔いしれるの一興だろう。

◆文=suzuki

「悪人伝」は3月29日(金)深夜4:55~放送/(C) 2019 KIWI MEDIA GROUP & B.A. ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.