先日3月18日ゴールデンボンバーが新たな配信アルバムとして『配信者に便利な歌抜きBGM集』をリリースした。同アルバムはタイトルにもある通り、ライブ配信をおこなう際にBGMとして使用することを許可されたアルバムだ。

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 ゴールデンボンバーは以前からSNSやライブ配信アプリ内で楽曲の使用をする際は許諾不要との方針を示しており、公式WEBサイト上で「各サービス内での楽曲の利用申請や、所属事務所や権利を管理しているNexTone社へのご連絡は一切必要ありません」と明記している。(参考:『SNS・ライブ配信アプリでのゴールデンボンバーの楽曲の利用について』)

 同ページでは利用可能な範囲も示しており、CD/DL配信/サブスク配信音源のBGM用はもちろん、歌唱、カバー演奏、ダンス、歌詞朗読、替え歌に至るまで幅広く使用が可能で、今回リリースされたアルバムもそのルールに準ずるものと思われる。

 なお、一部楽曲やカバー曲ゴールデンボンバーが作詞作曲をしていない楽曲については対象外としているため、その点は注意が必要だ。使用する際にはかならず公式WEBサイトの該当ページを確認してほしい。

アルバムのジャケットにAIイラストを使用したことが賛否を呼ぶ
 『配信者に便利な歌抜きBGM集』は公開当初、ジャケットにAIが生成した画像を使用しており、このことについて一部ユーザーからは賛否の声があがっていた。

 ゴールデンボンバー鬼龍院翔はこれに対してXで反応、「法律や規約上で問題がないかを事前に調べてもらい問題はないとのことだったので使用したのですが、ご意見をいただくということは2024年の現段階ではまだ議論の余地があると受け取り、現時点では差し替えておこうということになりました」として、配信サイトの画像を差し替えている。

 賛否の声のなかには「あなた自身もクリエイターなんだから使うべきではない、あなたの楽曲が音楽生成AIの学習に使われたら嫌ですよね?」という声が多かったとのことだが、鬼龍院本人は「一個人の考えではありますが僕は全然良いです」と、音楽生成AIの学習を歓迎する立場を表明。ただし、必ずしも他のクリエイターがそう思っているわけではないことは理解しており、その点を考慮してジャケットの差し替えを決定したとしている。

 そのうえで、「本当に自分の楽曲をAIに学習してもらって良いと思っているので」として、権利を保持する過去全楽曲のMP3データを公開した。アップロードに際しては所属事務所や著作権管理を受託しているNexTone社、共同制作者であるアレンジャーやエンジニアにも許可を得ているということだ。

 今回、こうした考えを示したことでゴールデンボンバーの楽曲は(一部を除いて)SNS、ライブ配信アプリにおける楽曲利用にくわえて音楽生成AIの学習素材としても利用が可能になった。ただし、ここで注意しておきたいのは「ゴールデンボンバー著作権を放棄したわけではない」ということ。

 くわえてYouTubeなどで原盤(CD音源)を使用する場合は「BGMとして利用した動画の広告収入は得られない」とも明記されているので、その点も注意しておこう。

■関連リンク
https://pc.goldenbomber.jp/contents/385134
https://pc.goldenbomber.jp/contents/732934

(文=リアルサウンド編集部)

『配信者に便利な歌抜きBGM集』