22日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比512.54ポイント(3.04%)安の16350.56ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が203.85ポイント(3.45%)安の5701.42ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は764億2670万香港ドルに拡大している(21日の前場は679億1980万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国発の新規材料に乏しい中、香港で月末に向かい集中する主力企業の決算動向が気がかり材料となった。業績不振の銘柄群に失望売りが広がり、全体相場を押し下げている。また、米中対立の警戒感がくすぶっていることもマイナス。外電が22日報じたところによれば、米超党派議員は20日、米国のインデックスファンドに対し、中国の株価指数に連動する一部商品への投資を禁止する法案を米議会に提出した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が15.0%安、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(1113/HK)が11.8%安と下げが目立った。前日引け後に公表された2023年通期決算で、東方海外は86%減益、長江実業集団は20%減益を強いられている。そのほか、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が10.5%安と続落(前日は13.2%安)。通期業績の利益半減が引き続き売り材料視された。
 セクター別では、新興EV(電気自動車)関連が安い。理想汽車(2015/HK)が10.1%、小鵬汽車(9868/HK)が8.8%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が4.5%、蔚来集団(9866/HK)が3.2%ずつ下落した。理想汽車は21日、今年第1四半期(1~3月)の予想納車台数を下方修正。業績の下振れも懸念された。
 非鉄セクターも売られる。五鉱資源(1208/HK)が8.0%安、江西カン鋒リ業(1772/HK)が6.7%安、金川集団国際資源(2362/HK)が4.8%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.4%安で前場取引を終えた。
 産金セクターもさえない。招金鉱業(1818/HK)が5.8%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.7%安、霊宝黄金(3330/HK)が4.4%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が3.9%安で引けた。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.41%安の3033.77ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が安い。ハイテク株、不動産株、消費関連株、素材株、インフラ関連株、金融株、エネルギー株なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)