サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN)は、3月1日付けで、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことができる「過熱蒸煎機」に関する特許を取得いたしました。

 高い生産効率と大幅なコストダウンを実現し、規格外農作物や野菜の端材などの食品ざんさを付加価値の高い『ぐるりこ(R)(※1)』としてアップサイクルが可能となりました。

(※1)『ぐるりこ(R)』

規格外農作物や野菜の端材等を過熱蒸煎機で乾燥・粉末化した食品パウダーの総称。栄養価が高く、香りやうまみが凝縮さ れているのが特徴です。『ぐるりこ(R)』は特許庁商標登録済み商標です。6723114号

  • 本特許技術【過熱蒸煎機】について

 『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可能な装置です。

 以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいたるまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。

  1. 食材の風味の劣化と酸化を防止

    数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。

    食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。

  2. 低コスト、高い生産効率を実現

    ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。

  3. スピード殺菌乾燥

    過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5~10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。

製品名:過熱蒸煎機

発売日:2022年4月4日

※『過熱蒸煎機』カタログダウンロード https://www.astra-fp.com/download/

  • 特許技術「過熱蒸煎機」の新規性

1.熱風と過熱水蒸気を組み合わせたハイブリッド

 熱風による乾燥装置、過熱水蒸気による殺菌装置は既存技術としてありましたが、「過熱蒸煎機」では、これらを組み合わせることで乾燥と殺菌を同時に行うことを実現しました。

2.ボイラー不要の過熱水蒸気発生装置を内蔵

 従来、過熱水蒸気を発生させるにはボイラーによって飽和水蒸気をつくり、さらに再加熱する必要があったため、エネルギーコストが高いという課題がありました。「過熱蒸煎機」では、常温の水を瞬時に過熱水蒸気に変える技術を搭載しているため、ボイラーが不要となり、エネルギーコストを大幅に削減しました。

  • 過熱蒸煎機開発の背景

 代表の父であり、当社の相談役を務める加納勉は、20年以上前から過熱水蒸気技術を食品加工に利用する開発を行っていました。 過熱水蒸気で加熱処理して製造する野菜やフルーツのピューレを開発し、過熱水蒸気で加熱処理した食材は色が鮮やかで栄養や風味が損なわれないことを発見しました。一方で、当時の顧客から「冷凍ピューレは解凍に手間がかかり、使い勝手が悪い。粉末にできないか」と相談されており、過熱水蒸気を用いた乾燥粉末商品を作りたいと10年ほど前から構想していたことが、「過熱蒸煎機」開発のきっかけとなりました。

  • 過熱水蒸気技術による栄養と風味の優位性

 ASTRA FOOD PLANの調査では、熱風乾燥品と比較し、「過熱蒸煎機」で粉末化した食品パウダー『ぐるりこ(R)』は、栄養・香りにおいて優位性があることが分かっています。

 栄養においては、ほうれん草で検証した結果、熱風乾燥品では熱に弱いビタミンCが検出されなかった一方、『ぐるりこ(R)』では残存することが分かっています。その他複数の機能性成分でも、熱風乾燥品より『ぐるりこ(R)』の方が含有量が多いことが分かりました。

 また、香りにおいては、玉ねぎで検証した結果、『ぐるりこ(R)』の方が熱風乾燥品と比較し最大で135倍の香りの成分が検出される一方、青臭さなどの嫌な香りは削減できることも分りました。

  • 導入事例

 2024年2月より、株式会社吉野家ホールディングス(東京都中央区、代表取締役社長:河村泰貴 以下吉野家)が、「過熱蒸煎機」を本格導入いたしました。

 「過熱蒸煎機」が導入されることで、吉野家がこれまで廃棄してきた年間約250トンの玉ねぎ端材のほぼ全量を粉末化まで一括で行えるようになり、端材の輸送にかかるコストも削減できました。

▼プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000099210.html

  • 特許概要

  • ASTRA FOOD PLAN株式会社 代表取締役社長 加納 千裕コメント

 ASTRA FOOD PLANは過熱蒸煎機の開発を始めるところからスタートし、2021年に特許を出願しましたが、「過熱水蒸気で食品を乾燥粉末化する」という構想が生まれたのは10年以上前に遡ります。

 「過熱水蒸気技術を普及させて、世界中の子供たちの健康や笑顔に貢献したい」という父の想いの灯を消さずに、新たな技術開発を続けて本当に良かったと思います。特許取得を一番喜んだのは父かもしれません。

 装置は完成しましたが、過熱蒸煎機の運転ノウハウ構築や、『ぐるりこ(R)』の用途開発はまだまだこれからで、終わることのないものだと思っております。「かくれフードロス」削減に向けて、過熱蒸煎機の技術をフル活用しながら今後も取り組みを加速させてまいります。

  • 循環型フードサイクル構築を目指す「ASTRA FOOD PLAN」

 ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』(※2)を開発・販売しているフードテックベンチャーです。

 『過熱蒸煎機』は、高い生産効率とコストパフォーマンスを実現したことから、従来コストの問題で有効活用できなかった食品工場で発生する野菜類の端材や、規格外品などの未利用農作物、飲料ざんさ等を、付加価値の高い食材にアップサイクルすることができます。食品ざんさ廃棄の課題を抱える事業者に『過さ熱蒸煎機』を販売すると同時に、本装置で作られる新たな食品原料『ぐるりこ(R)』の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、フードロス問題の解決を目指しています。

(※2)「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第 6534112 号

  • 一般的な食品ロスの約4倍。年間2000万トンにおよぶ「かくれフードロス」の実態

 現在コンビニエンスストアや量販店の売れ残りなど、本来食べられるのにも関わらず廃棄される「食品ロス」が問題となっています。しかし、一般的に認知されている「食品ロス」の量には野菜の芯や皮、ヘタなどの食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物などの未利用農作物が含まれていません。

「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」によると、2019年における日本国内の食品ロスは、約570万トンと推計されていますが、農林水産省がまとめた「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」(※3)では、食品ざんさや未利用農作物などの不可食部分も含めた「食品由来の廃棄物等」の食品ロスが2531万トンにおよぶことがわかっており、大きな社会課題となっています。

ASTRA FOOD PLANは、この一般的な食品ロスの約4倍となる年間2000万トン(※4)の食品廃棄を「かくれフードロス」と呼び、その削減とアップサイクルに取り組んでいます。

(※3)

農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html

消費者庁『食品ロスについて知る・学ぶ』

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/

(※4)

「年間2000万トンのかくれフードロス」=「2531万トン(食品由来の廃棄物等)」-「約570万トン(本来食べられるのにも関わらず廃棄される食品ロス)」

  • 「ASTRA FOOD PLAN」では一緒に働く仲間を募集中

 ASTRA FOOD PLANでは、一緒に働く仲間を募集しています。『過熱蒸煎機』や『ぐるりこ(R)』の提案営業をはじめ、オープンポジションでも採用を強化中です。少しでも興味を持った方、お話を聞いてみたいという方は、下記よりご連絡ください。

■募集ポジション

・技術職

・オープンポジション

採用情報の詳細ページ:https://www.astra-fp.com/recruit/

  • 会社概要

ASTRA FOOD PLAN株式会社

URL:https://www.astra-fp.com/

本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26

代表取締役:加納 千裕

設立:2020年8月

配信元企業:ASTRA FOOD PLAN株式会社

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