林琢真・石上泰輝・大和

開幕までわずか1週間に迫り、各球団とも着々と戦力の整備が続いているこの時期。横浜DeNAベイスターズも、レギュラーメンバーがだんだんと固まりつつある。その中でいまだ激しい争いが続いているのが、内野の要であるショートのポジションだ。

 
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■林琢真と石上泰輝の台頭

林琢真 石上泰輝

ショートについては、昨年のオープン戦では2019年のドラフト1位・森敬斗が全試合ショートで起用された。しかし今年は、2年目の林琢真とドラフト4位ルーキー石上泰輝がメインで起用されている。

林は昨年、プロの水にも慣れた終盤から打撃も上向き、CSでも1番ショートの座をキープ。オフには大田泰示とともにサイパンで自主トレーニングを敢行し、「1年間、1番ショートで定着したい」との目標を打ち立てていた。春季キャンプでも順調にメニューをこなし、レギュラー第一候補と思われたが、それに待ったをかけたのが石上だった。

ルーキーながら抜擢された石上は、一軍の春季キャンプでは「プロの球は強さが全然違う」と驚きながらも、「フォームの修正や間のとり方」を変えてしっかりとアジャスト。紅白戦から打棒を爆発させ、対外試合からオープン戦ではさらに状態をアップさせている印象を受ける。

 

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■ベテラン・大和もアピール中

数字面でも林は打率.290だが、チームから求められている出塁率は.389とアップ。持ち前の打席での粘りと選球眼をかけ合わせる“嫌らしい”バッターへと成長している。一方の石上は打率.368、OPS.957とバットで圧倒的な結果を残し、三浦大輔監督も「思い切りがいい」と絶賛している。

また林は3、石上は4と盗塁能力も兼ね備え、昨年リーグワーストの盗塁数33ともう一つの泣き所を埋める存在としても機能している。

そんな熾烈な若手の競争の中、大和も打率.333と静かにアピール中。林と石上は左打ちなだけに、右打ちのベテランがスタメンに名を連ねることもありそうだが、無類の勝負強さと堅実な守備力を持つ存在は、ベンチで目を光らせていることで相手に脅威を与える側面も否めない。

昨年は京田陽太が62試合、続いて大和が47試合というスタメン数になっていたが、今年は若手の台頭で一気に勢力分布が変わったベイスターズ。チーム内競争があるチームは、必ず強くなる。

 

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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

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