川村元気氏のベストセラー恋愛小説を映画化した「四月になれば彼女は」の初日舞台挨拶が3月22日TOHOシネマズ日比谷で開催され、佐藤健長澤まさみ森七菜、山田智和監督が出席した。

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世界を舞台に10年にわたる壮大な愛のストーリーを描く本作。婚約者との結婚を控えた精神科医の藤代俊役を佐藤、結婚直前に謎の失踪を遂げる藤代の婚約者、坂本弥生役を長澤、藤代が10年前に交際していた初恋相手であり、いまは世界中を旅しながら藤代に手紙を送る伊予田春役を森が演じている。この日のイベントの模様は、全国249館の劇場にて生中継が行われた。

長編映画初監督を果たした山田監督は、「原作者の川村さんから『実写化したい』というオファーをいただいてから、4年が経った。海外ロケに果たして行けるのか、映画館が満員になるのかということも想像できない時に、企画が走っていた」とコロナ禍の準備期間を振り返り、「今日を迎えられてうれしい思いでいっぱいです」と吐露。佐藤も「感慨深いです。私たちにとって大切な作品が、たくさんの方に届いたらうれしい」と願い、上映後の会場から大きな拍手を浴びていた。

佐藤は、昨日21日に35歳の誕生日を迎えた。会場も拍手で祝福する中、佐藤は「ありがとうございます」と笑顔を見せ、抱負について「フルスロットル、全開、マックス、ウルトラ、スーパーパワー全開でやりたいです」と思いつく最大級の表現で意気込みを吐露。司会から「今までもフルパワーだったのでは」と言われると、佐藤は「いやいや、全然。初めて本気を出しています。35歳で、ついに」と続けて会場も大爆笑。「自分でもどうなるかわからない。自分でも怖いです。ワクワクします」と微笑みながら、「20代ってなんとなく頑張っていた。言われたことをがむしゃらにやっていた。当時は当時なりの本気を出していたんですが、いろいろなことが俯瞰で見えるようになって、この方向に全力を出したら、もっと遠くに行けるというのがわかるようになった。より明確に深く、努力をしていきたい」と前のめりの姿勢を口にしていた。

また原作者の川村氏が取材をする中で、恋人がいない人が増え、恋愛が消えたと感じたことから着想を得て小説を書き上げたことにちなみ、「今日の恋愛観」について考えを示す場面もあった。佐藤は「昔に比べて、恋愛をしなくても、楽しいことにあふれている世界になっている。恋愛をしなくても楽しく生きている人が増えている」と分析し、「そういう人も恋愛に出会ったら、悩みもするだろうし、楽しくもなったりするだろうし。恋に落ちた時のときめきみたいなものは、ずっと変わらずにそこにあり続けるものなのかなと思います」と持論を展開した。

佐藤の意見に大きくうなずいた長澤は「しかも一人で、自分のために楽しめる時間を使うということが流行ってきている気もする。そうすると、出会いがないのかなという印象もあります。人と関わる時間が少ないのかなと。恋愛に踏み込めない人もいるのかなと思います」と思いを巡らせ、森は「同世代を見ていると、みんな恋愛のハードルが高いんだなと思います」と回答。「アニメやキラキラしたドラマをたくさん観ているから、それ相応のものじゃないとダメ!と思っている」とドラマのような恋愛を求めているという。さらに「この映画は残酷なところまでを描いている」と恋愛の深い面を捉えた作品だと評していたが、佐藤は「恋愛って、いいところも悪いところも全部あって。それを含めて全部が恋愛」と考えを語っていた。

息ぴったりにトークを繰り広げた面々だが、映画のタイトルにちなみ「四月になれば私は…」というテーマで、それぞれが4月になったら行いたいことを告白するコーナーになると、佐藤は「桜を見たい」とフリップを掲げた。「映画って、一生懸命に作って公開までドキドキワクワクしながら過ごして、宣伝もやる。でも公開したら、僕たちは離れ離れになっちゃう。集まることもなくて、何年も会わなかったりする」とポツリ。そこで「4月には、このみんなで桜を見たい!」と本作のチームでのお花見を提案し、長澤と森も「行きましょう!」と声を弾ませていた。

「四月になれば彼女は」に出演した佐藤健