「Tokyo Creative Salon 2024(東京クリエイティブサロン 2024)」に参画する渋谷ファッションウイーク実行委員会が、2024年3月15日より、イベント「渋谷ファッションウイーク 2024 春」をスタート。3月19日には、渋谷駅東口地下広場にて、メインイベントである「SHIBUYA RUNWAY “THE SHOW”」を開催した。

【写真】「FASHION FRONTIER PROGRAM」ファイナリストたちの作品がズラリ

「渋谷ファッションウイーク」は、渋谷からファッションとアートを発信するイベント。2024年の春は「THINK」をテーマに、渋谷から多様なパートナーと「サステナブルとは何か」を問いかけ、「糸」をモチーフに数多くの施策を展開している(渋谷各所でのインスタ―レーションの設置やアート体験の提供など)。

100年に一度の再開発で変化を続ける渋谷の街を舞台に、“真のサステナブル”を問うファッションショーとして、新しいスタイルでの開催となった「SHIBUYA RUNWAY“THE SHOW”」。次世代のクリエイターに学びと評価の機会を提供してきた、エデュケーションとアワードの一体型プログラム「FASHION FRONTIER PROGRAM(ファッション・フロンティア・プログラム)」とコラボレーションして行った。

ランウェイに登場したのは、このアワードのファイナリストたちによる作品。「FASHION FRONTIER PROGRAM」発起人で、ファッションデザイナーの中里唯馬さんは「例えば、Takahito Iguchiさんの作品は、捨てられた糸屑を2年間集め続けて、再度衣服への再構築を試み、ニットとして編み上げたもの。膨大な時間がかけられています。また、オーストリアからエントリーしてくださったJulia Moserさんは、バクテリアの研究をしていて、それを使った独自の染色技術で作品を作られていておもしろいと思いました」と解説した。

こうした説明を受け、渋谷ファッションウイーク実行委員会実行委員長で、渋谷道玄坂商店街振興組合の理事長を務める大西賢治さんは「一つひとつ詳しく聞いてみると、なるほどなと。素材からまた再構築して…という作品を見ると、やはり洋服も、ただ着て飽きたら捨てる、ということについて考えさせられます。今回の渋谷ファッションウイークは、『糸』というモチーフの作品が集まっていますが、先ほど中里さんが説明されたIguchiさんの作品などからは、衣服が辿っていく道、歴史のようなものを感じましたね」と感想を語り、「これだけいろいろな方がテーマを持って作品を作って集まってきてくれた。これはやっぱり渋谷で行うファッションウイークならではだなと思いました」と笑顔を見せた。

なお、2024年3月16日より公開中のリアル・ファッション・ドキュメンタリー『燃えるドレスを紡いで』とコラボレーションしたイベント「THE TALK」の模様が、公式YouTubeにて公開中。

取材・文=平井あゆみ

バクテリアで染色したJulia Moserさんの作品