反響の大きかった2023年の記事からジャンル別にトップ10を発表してきた。今回は集計の締切後に、実は大反響だった記事に注目。年間ランキングで忘れられがちな11月12月に公開した社会経済ニュース記事から選ばれた、第8位はこちら!(集計期間は2022年11月~2023年1月。初公開2023年11月1日 記事は取材時の状況)
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自己中心的な振る舞いで会社に迷惑をかける、効率重視に周囲を巻き込むetc. ――若手世代に潜むモンスター社員により、職場の社員全員が大迷惑を被るはめに……。そんな彼らの撃退法を聞いた!

◆売り上げを20倍に伸ばした風雲児社長の考え

若い世代のモンスター社員に対して、「そのままにしておくべきなんじゃない(笑)」と持論を語るのは、“フラットすぎる”会社経営で売り上げを20倍に伸ばす手腕を見せ、岐阜の風雲児と呼ばれるプリント加工会社「坂口捺染」の社長・坂口輝光氏だ。

「そもそも、俺は、『若いからこう』『年上だからこう』と、年齡によって対応を変えたことはないです。社長だけど、目線は一緒になって会話する。誰かをえこひいきすることなく、風通しの良い雰囲気をつくってあげたい」

◆坂口社長が貫く徹底した“従業員第一主義”

「会社は人がすべて」と、徹底した“従業員第一主義”を貫く坂口社長。その結果、岐阜市の奥という閑散とした地域ながら、従業員を10倍超も増加させた。下は10代、上は70代と、さまざまな年齢層の従業員がここに入社したのだ。

「工場って、以前は『汚い、臭い、給料安い、残業してなんぼ』みたいな風潮がありました。それだと、若い人も働きたいと当然思わない。だから、これまで4億円かけて弊社工場をイチからリノベーション

狭かった通路幅を4倍にして、エアコンが効くように断熱材を総入れ替えしたし、休憩室も綺麗にした。ついでに惰性だった朝のラジオ体操もやめて『朝ヨガ』に変更したら好評でした」

◆放任主義が若手社員をヤル気にさせる

見た目も服装も自由、出勤時間も家庭の事情など理由があれば何時でもOKの「超放任主義」だ。

「結局、ダメなところに自分で気づかないと、何も成長しないし、会社も成長しない。今、自分が営業を兼ねていて、誰よりも楽しく働いている自負がある。

ウチに入った新人も、3か月もすれば、こんな見た目の社長がとにかく楽しみ、辛い仕事を誰のせいにもせず働く姿を見せることで、イキがることが虚しくなってくると思うんだよね」

◆若者教育の最適解は…

現在、1億5000万円をかけてジムやサウナが入った施設を建設中。

「多くを語らず、背中で示す」。それが風雲児社長の辿り着いた、若者教育の最適解なのかもしれない。

【坂口捺染社長・坂口輝光氏】
1982年生まれ。県立岐阜商業高校では強豪硬式野球部に所属。その後アメリカの大学に進学し、卒業後の’04年に坂口捺染に入社。’14年に社長就任

取材・文/週刊SPA!編集部

事務所に併設されている工場に足を運んでは、従業員に気さくに話しかける