二階堂ふみが主演を務める火曜ドラマ「Eye Love You」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)の最終回が、3月26日(火)に放送される。心の声が聞こえる“テレパス”を持つ主人公が超ストレートな年下の韓国人男性と恋に落ちる、もどかしくも明るいファンタジック・ラブストーリーと銘打つ本作は、随所に散りばめられた“韓国式キュン”を中心に日本のみならず海外でも話題になっている。このたび、WEBザテレビジョンでは同ドラマの主演を務める二階堂にインタビューを実施。相手役のチェ・ジョンヒョプを含む共演者とのエピソードや、撮影の裏話などについて聞いた。

【写真】二階堂ふみ“侑里”&チェ・ジョンヒョプ“テオ”の温泉デート

■テレパスの主人公×年下韓国人が織りなすファンタジック・ラブストーリー

ある事故をきっかけに、目を見るとその相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つ主人公・本宮侑里を二階堂、明るく人懐っこい性格の韓国人留学生のユン・テオをジョンヒョプが演じている。

また、侑里とテオを取り巻くキャストとして、大学時代に侑里と出会い、ともにチョコレートショップ「Dolce&Chocolat.」を立ち上げた花岡彰人役で中川大志、ショコラティエ兼ショップの店長でありながら、恋愛マスターとしての一面も持つ池本真尋役で山下美月(乃木坂46)が出演。

そして、テオの先輩で頼れる兄のような存在の小野田学役を清水尋也、男手一つで侑里を育ててきた本宮誠役を立川志らくが演じる他、ゴリけん、鳴海、絃瀬聡一、杉本哲太ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。

■ 主人公・侑里は「小さな成長をし続けているキャラクター」

――これまでの撮影を振り返ってみて、どんな現場でしたか?

これ以上ないぐらい素晴らしいスタッフの方々に囲まれてお芝居をさせていただきました。各部署それぞれがこの作品に愛をもって参加していて、本当に幸せな現場だなと心から実感しています。

――改めて二階堂さん演じる侑里はどんな人物ですか?

台本をいただくたびに、侑里は小さな成長をし続けているキャラクターだなと感じていました。物語の中で劇的な変化をしているわけではないのですが、侑里の姿は“それぞれのペースで進んでいけばいいんだな”と思わせてくれるといいますか、等身大の姿が身近に感じられるキャラクターだなと。

私自身、侑里の成長に救われたり、勇気をもらうことがたくさんあったので、「本宮侑里」というキャラクターは今の自分にとって必要なキャラクターだったんだなと感じています。

■ジョンヒョプは「パワーがあってエネルギーに満ち溢れている方」

――侑里というキャラクターはどのように作り上げていったのでしょうか。

視聴者の方の中には、傷ついた過去やトラウマがある方もいらっしゃると思うのですが、侑里もそういったものを抱えながら、人との出会いや優しさに触れて、少しずつ変化していく。そんな姿をお芝居で表現できたらと考えています。

撮影をしていると“これは正解なのかな?”とか“こういう演じ方でいいのかな?”と悩む瞬間もあったのですが、 “ドラマは一人で作っているわけじゃないんだな”と改めて強く実感しています。

例えば、侑里の部屋はインテリアがすごくすてきなのですが、初めてセットに入ったときに“やっぱりこの人は一人で生きていこうとしていたんだな”と切なさを感じさせるような部屋を美術部さんが作ってくださっているんです。あと、志らくさん演じるお父さんとの病室のシーンでも、お父さんが事故に遭う前に経営していた洋食店「本宮亭」が雑誌で紹介された時の切り抜きが丁寧に作り込まれていたり。

自分自身で考えて演じるというより、現場でスタッフの方々が侑里というキャラクターを一緒に作っていってくださるので、自分が迷った時でも現場に行くと自然と侑里ができていく感覚がありました。

――ジョンヒョプさんと共演して感じた俳優としての魅力や、撮影の裏話があれば教えてください。

すごく足が速いんですよ! 昨日も(ジョンヒョプが)走って来るシーンを撮影していたのですが、あまりの速さにびっくりしちゃって(笑)。

自分の中ではすごく早く走っているつもりだったのですが、簡単に追いつかれてしまって…歩幅が違うからなのかなと思ったのですが、そういうことではなく元々の脚力が違ったみたいです(笑)。

パワーがあってエネルギーに満ち溢れている方なのですが、すごく繊細な部分も持ち合わせていて。その繊細さがお芝居の機微にも現れているなと感じますし、感情のフックをたくさん作ってくださる瞬間がたくさんあって、本当に感謝しています。

――今回、ジョンヒョプさんが日本のドラマに参加する姿を近くでご覧になって、ご自身も外国語の作品に参加したい気持ちが高まったりしたのでしょうか?

どうですかね…外国語のせりふは難しいですからね。「VIVANT」(2023年、TBS系)の時もモンゴル語を少ししか話していないのに、すごく大変だったので…。

そう考えると、知らない言語で一からせりふを覚えて、そこに感情を乗せてお芝居されているジョンヒョプさんはすごいなと。心からリスペクトしています。

私はみんなで一つの作品を作っていくことが好きなので、国内国外問わず、今後もいろんな方と出会えたらいいなと思っています。

■相棒役の中川は「安定感がありました」

――中川さん演じる花岡も視聴者に人気のキャラクターです。久しぶりの共演かと思いますが、いかがですか?

前回ご一緒したのは一日だけで、ほとんど話したことがなかったので、初めましてに近い感覚だったのですが、長くキャリアを積まれているだけあって、現場でも安定感がありました。

侑里と花岡の関係はすごく長いのだけれど、ドラマの中ではポイントとなって出てくるので、その短いシーンの中でも説得力を感じさせてくれるお芝居をしてくださっていましたし、そのシーンを撮るためのプロセスとして、いろんなことを話し合いながら作ってくださる方だったので、頼もしいなと思っていました。

――真尋を演じる山下さんとは共演シーンも多いと思いますが、どんな印象をお持ちですか?

山下さんは、今回俳優部として一番心強い存在でした。真尋と侑里のシーンは、どちらかというと真尋のテンポ感で進んでいくシーンが多いので、信頼関係を築きながらではないと遠慮が出てしまうなと思っていました。

最初は“どうなるかな?”と思っていたのですが、クランクインしたタイミングで「一緒に本読みやってみませんか?」とお誘いして、二人で本読みをしたり、いろんなことをお話させていただいて。現場ではドシっとしてくださり、お芝居では踏み込んできてくださったので、とても心強かったです。

あと、山下さんご自身がカラッとされている方なので、現場でご一緒していて楽しかったです。また一人、すてきな俳優部の仲間を見つけられたなと思いますし、出会えてよかったです。

――本作にはさまざまな胸キュンシーンが登場しますが、演じてみていかがですか?

胸キュンシーンって、不思議なもので演じている側は意外と冷静なんです(笑)。「これは胸キュンになっているのかな?」「こうしたら胸キュンするんじゃないか」と、なんだか研究みたいで楽しかったです。

実際に放送されると、自分たちが意図していないところでキュンとしてくださっている方もたくさんいるので、胸キュンシーン一つとっても、それぞれグッとくるポイントが違うんだなという発見がありました。

――ジョンヒョプさんのアイデアで生まれた胸キュンシーンもあるとお伺いしましたが、そのアイデアに驚かされたことはありますか?

毎回フレッシュな空気を作ってくださる方で、一人で台本を読んでいるときには想像していなかったことが起きたり、そういうサプライズがたくさんあって…ご一緒させていただきながら、すごく勉強になっています。

■テオ派でも、花岡派でもなく「私は完全に誠さん」

――他にも本作にはさまざまな“韓国恋愛あるある”が登場し話題になっています。

韓国人スタッフさんから聞いたエピソードで特に衝撃的だったのが、携帯でのメッセージのやり取りの量。少し携帯を見ていないだけで、たくさんの通知が来ているそうで…。ジョンヒョプさんは共感していないこともあったので、人それぞれなんだと思うのですが、恋愛における熱量がすごいなと感じました。

一つ“これはうれしいな!”と思う出来事があって。バレンタインの日にスタッフさんにチョコレートを用意していて、ジョンヒョプさんのマネージャーさんにもチョコレートをお渡ししたんです。以前抹茶が好きだとお聞きしていたので、抹茶フレーバーのものをお渡ししたら、まず「うわあ!」というリアクションから始まって、箱を開けたら「僕が抹茶好きってなんで知っているんですか!?」と(笑)。

「前におっしゃっていたので」と伝えると、「覚えていてくださったんですか!こういうのは目の前で食べた方がいいんです、わ!こんなチョコレート食べたことがない!!」と喜んでくれたときに“これはうれしいな”と思って、印象に残っています。

――本作には魅力的な男性キャラクターが多数登場しますが、二階堂さんご自身は誰派ですか?

いい質問ですね…私は完全に誠(志らく)さんです。優しくそっと見守ってくださるところがすてきだなと思いました。

コミュニケーションって言葉だけじゃない部分もあると感じますし、志らくさんのお芝居にハッとさせられることがたくさんあって。志らくさんとはまとめて撮影する機会が多かったのですが、表情や体は全く動かしていないのに、噺家の方だからか言葉に乗っている感情がすさまじくて…。

第一声で「侑里」と名前を呼ばれたときに、誠さんの優しさを全身で感じて温かい気持ちになりましたし、侑里はこの優しさを感じ続けてきたから、人に優しくありたいという気持ちを大事にできたんだろうなと。誠さんは達観していて、すごくかっこいいと思っています!

――制作発表の時に最近覚えた韓国語として「スルマシゴシプタ」(意味:お酒飲みたい)を挙げていましたが、他によく使う韓国語はありますか?

最初に覚えた韓国語は、「ペコパ」(意味:お腹すいた)だったんです(笑)。現場でも「ペコパ」はよく言っていますね。

■「大事に作ったものは伝わるんだなと感じています」

――今回の現場で出合った“新しい味”があれば教えてください。

私の好きな食べ物トップ10に入り込んできた韓国料理がありまして…それは、キムブガクといって日本でいうのり天です。

年末にジョンヒョプさんが韓国に帰られていたときに、「のり天ご存知ですか?」と聞かれて、何だろうと思い調べてみて、「これですか?」と返したら「そういうものだと思います」と(笑)。韓国では家で作ったりしておつまみとして食べるものらしいのですが、おみやげで買ってきてくださって…それが本当においしいんです!

のりをサッと揚げて砂糖をまぶしたものなのですが、ぜひ食べてみてください。

――最終話に向けた見どころと読者へのメッセージをお願いします。

エンターテインメントに関わるお仕事をさせていただいている身として、このドラマに参加できたことは本当にうれしいですし、俳優を続けてきて良かったなと日々実感しています。

スタッフ、キャスト全員で1カット1カット、丁寧に大事に作ってきた作品なので、それがこうやっていろんな方々に楽しんでいただける作品になって…大事に作ったものは伝わるんだなと感じています。

応援のコメントや、ドラマを見た方からの感想から我々も力をもらいながら、無事に最終回を迎えられそうです。

みんなの思いがこもった最終回をぜひ見ていただけたらうれしいなと思いますし、ドラマ制作としても新しいチャレンジをしている作品に私も参加させていただいて光栄ですし、ドラマに希望を感じていただけたらなと思います。

撮影=加藤翔/ヘア&メーク=渡嘉敷愛子/スタイリスト=高山エリ

・シャツ/¥35,200(AURALEE)

※高山エリの高は正しくは「はしご高」

話題沸騰のドラマ「Eye Love You」主演・二階堂ふみにインタビュー!/ 撮影=加藤翔