コロンビア代表は22日、イングランドの『ロンドン・スタジアム』にて開催された国際親善試合で、スペイン代表を1-0で破った。試合後、スペインメディア『マルカ』が、コロンビア代表の10番を背負うMFハメス・ロドリゲス(サンパウロ/ブラジル)のコメントを伝えた。

 試合は立ち上がりからスペイン代表がボールを握って攻め込む場面が目立ったが、コロンビア代表も組織的な守備で付け入る隙を見せず、前半はスコアレスで終了。後半に入ると、ハーフタイム明けからピッチに立ったハメスが輝きを放つ。57分、ペナルティエリア手前から左足で放ったミドルシュートで、後半からゴールマウスを守っていたGKアレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)を脅かすと、続く59分にはFWルイス・ディアスリヴァプールイングランド)の左サイドでの仕掛けから、ゴール前に走り込んでセカンドボールに反応。左足を振ったが、シュートは枠を外れた。

 得点には繋がらなかったものの、後半頭から登場したハメスがこう着していたコロンビア代表の攻撃陣に彩りをもたすと、61分には待望の瞬間を演出。自陣左サイドの低い位置でボールを受けると、前を向いてから得意の左足でスルーパスを送る。1本のスルーパスでカウンターの場面を作り出すと、抜け出したL・ディアスが縦へ突破し、最後はDFダニエル・ムニョス(クリスタス・パレスイングランド)がボレーシュートを沈めた。

 最終的にはこのムニョスのゴールが決勝点となり、コロンビア代表はスペイン代表を1-0で撃破。試合後、ハメスは「前半の僕らには多少の迷いがあったように思えた。だが、後半はもっと積極的にプレーすることができていた。僕らは良い試合運びを見せられたと思うし、素晴らしいチーム相手の素晴らしい勝利だったと思う」と、ロンドンで掴んだ白星を喜んだ。

 もっとも、ハメスは押し込まれる時間も少なくなかった前半の45分間も、試合をトータルで見た時に必要なものだったと考えているようだ。「このような優れたチームに対して、常に良いプレーができるとは限らない。そういう意味では、前半はどのようにサッカーの試合を進めるべきかを教えてくれた時間でもあったと思う」と話し、被決定機の数こそ少なかったが、スペイン代表に苦しめられた前半も意味のあるものだと主張した。

 後半に入ると、特に立ち上がりの時間にコロンビア代表は多くのチャンスを作り、ハメスも積極的にゴールへ迫った。「前半を凌いだからこそ、後半に入ると僕らの時間が来た。チャンスの数も多かったし、タフな相手に良いプレーができたと思う」とチーム全体が後半に見せたパフォーマンスを称えたが、同時に「僕らの目標はコパ・アメリカでの勝利だ。ここで満足してはならないよ」と気を引き締めた。

 ハメス個人としては、センセーショナルな活躍を見せたFIFAワールドカップブラジル2014からもうすぐ10年が経過する。レアル・マドリード加入直後はゴールに絡む数も多かったものの、徐々に輝きを失い、気がつけばヨーロッパの第一線からも姿を消した。だが、ハメスは自身のキャリアをこのまま終わらせるつもりはないという。「代表に来たからには、常に良い結果を残さなければならない」と語った後、ハメスは「今後の僕次第では、再びラ・リーガの舞台に戻ることだってできるはず。昔も今も憧れている舞台にね。誰が戻れないって決めたんだい?」と発し、32歳となった現在も“カムバック”を諦めていないと明かした。

 今でも“一瞬の輝き”は錆び付いていないことを示したハメス。果たして、今後のハメスは所属クラブのサンパウロコロンビア代表で安定した活躍を見せ、再びヨーロッパの第一線に戻ってくることとなるだろうか。

ハイライト動画】コロンビア、ハメスの活躍もありスペイン撃破

後半からピッチに立ち、流れを一変させたハメス [写真]=Getty Images