2024年春のJRダイヤ改正で、東日本に走行距離240km越えの普通列車が新たに誕生しました。快速などを含む料金不要の普通列車では貴重になりつつある“長距離列車”、他にどのようなものがあるのでしょうか。

上野東京ラインに「新チャンピオン」誕生!?

2024年3月16日にJRのダイヤ改正が行われ、上野東京ラインに新たな「チャンピオン」が誕生しました。

それは、前橋駅19時13分発の「沼津行き」です。群馬・埼玉・東京・神奈川・静岡の1都4県を直結し、所要4時間22分、走行距離は241kmに及びます。2022年3月まで存在した黒磯ー熱海(267.9km)の長距離列車ほどではないものの、改正前の最長だった宇都宮ー沼津(235.7km)を抜き、新たな1位に躍り出ました。

ただ、日本全体で見ると、こうした普通列車(快速などを含む追加料金不要の列車。環状運転除く)としてはどれくらいの位置にある長距離列車なのでしょうか。

●長距離普通列車1位は「新快速

長距離1位は関西を縦断する「新快速」にあります。敦賀17時49分発の「播州赤穂行き」です。北陸本線東海道本線山陽本線赤穂線を経由し、播州赤穂着は21時56分(土休日22時55分)。総距離は275.5km、所要4時間7分(同4時間6分)です。

その次に長距離の列車は北海道、旭川6時03分発の「稚内行き」です。宗谷本線を起点から終点まで走破する唯一の普通列車で、稚内着は12時07分。総距離は259.4km、所要6時間4分となっています。なお、特急「宗谷」は同じ区間を3時間42分で走ります。

前出した上野東京ラインの前橋発沼津行き(241km)は、これらに次ぐ距離といえそうですが、実は今回のダイヤ改正まで、これよりも長い列車がありました。

それは中央本線の「高尾発・長野行き」(244.2km)。今回のダイヤ改正で大月発(14時46分発)に短縮されてしまいましたが、それでも総距離は209.5km、所要4時間5分となっています。

ちなみに、所要時間で最長の普通列車は、飯田線の豊橋14時38分発「岡谷行き」です。岡谷着は21時37分で、205.2kmを6時間55分かけて走ります。飯田線では、これよりも長い豊橋ー上諏訪間(213.7km)の直通列車を含む、全線を走破する長距離列車が3往復走っています。

ただ、こうした長距離を走る普通列車は、近年かなり数を減らしています。乗るならば今のうち、かもしれません。

上野東京ラインの車両(画像:写真AC)。