味方にとって「恐怖の彗星」。

流石にロケットエンジンの再現は断念

ドイツの航空メディアである「フライトレビュー」は2024年3月13日メッサーシュミット Me163「コメート」の飛行可能なレプリカを製造するプロジェクトが進んでいると報じました。

レプリカの製作は、アマチュアの航空製作者ハインツ・ディーター・シッペルさんが中心となり、ドイツ歴史的航空機保存協会やサイレンス エアクラフトの支援を受けて行っているようです。

同機は、2024年4月にドイツフリードリヒハーフェン空港近くで開かれる航空イベント「エアロフリードリヒハーフェン」に出展される予定とのことです。

同機のオリジナルであるMe163は史上唯一の実用的なロケット推進タイプの戦闘機として、第二次世界大戦中の1943年に迎撃戦闘機として運用が開始されました。

なお、オリジナル機体は推進剤の燃料としてヒドラジンなどの劇物を搭載しており、これが非常に爆発性と腐食性が高く危険なものでした。少しでも燃料漏れを起こすとパイロットや整備員は命の危険にさらされるということで、味方から「恐怖の彗星」と呼ばれ恐れられたそうです。

レプリカではそういった危険な燃料は使えないため、ジェットエンジンを使用し、燃料も航空燃料となるようです。

アメリカの空軍博物館で保存されているMe163「コメート」(画像:アメリカ空軍)。