吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。まひろ(吉高)と道長(柄本佑)の関係がもつれる中、注目を集めているのが左大臣家の姫君・倫子(黒木華)。3月18日に放送された第11回「まどう心」では、上級貴族の姫君らしい節度あるふるまいが話題を呼んだ。(以下、ネタバレがあります)

【写真】抱きしめ合うまひろ(吉高由里)と道長(柄本佑)

花山天皇の退位でまひろ一家にも打撃

源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。人気脚本家・大石静氏が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、彼女の生涯の“ソウルメート”となっていく藤原道長を柄本が演じている。第11話では、花山天皇(本郷奏多)の退位により、わずか7歳の一条天皇(高木波瑠)が即位する展開が描かれた。

花山天皇の退位に伴い、花山天皇に重用されていたまひろの父・為時(岸谷五朗)は官職を解かれた。まひろの家は下級貴族であり、一家のあるじ・為時に職がなければ即、生活に影響する。なんとかしたいまひろが訪ねたのが、左大臣家の一の姫・倫子だった。

■「あなたがお会いできるような方では」

父の復職を左大臣にとりなしてほしい、というまひろの頼みに、倫子は「それは難しいわ」と即答。摂政となった藤原兼家(段田安則)の権力の強大さをよく理解していて「それは摂政様がお決めになったことでしょ。摂政様のご決断は、すなわち帝のご決断。左大臣とて覆すことはできません」と、まひろを諭した。

さらに、まひろが「では摂政様に直接お目にかかって…」と言うと「おやめなさい。摂政様はあなたがお会いできるような方ではありません」とも。穏やかな雰囲気の倫子らしくない、ぴんと糸を張ったような緊張感ある声からも、まひろの思いつきがいかに“あり得ない”ことなのかが伝わってくる。

一方、後日の“和歌の会”では「お父上、そのあとどうなさった?」とまひろを気遣う様子も。妾になることにためらいを口にしたり、上級貴族にじか談判に行くなど、当時のしきたりに染まらない言動が多いまひろに対し、倫子は身分社会の中でふさわしいふるまいを理解し、気遣いも欠かさないという、バランスの取れた常識人。第11回は、そんな2人の違いが鮮明に浮かび上がった回といる。

視聴者からも「倫子様はきちんと上級貴族の姫として正しく育てられたのがよく分かる。身分に対する受け止め方がしっかりしてる」「最初は裏があるようでイヤな人かと思ったけど、兼家に直接…というまひろにきちんと助言してくれる倫子様はやっぱりただのお姫様じゃない」「厳しいことを言ってもちゃんと『どうだった?』とフォローしてくれる倫子様、本当に良家のお姫様だな」の声が上がった。

まひろ&倫子の女子トークに「ぞっとする…」

さらに第11回では、まひろと倫子の“女子トーク”にも注目が集まった。「なぜ倫子様は婿を取られないのですか?」というまひろの直球質問に、倫子は「私、いま狙っている人がいるの」と告白。思い人の名こそ明かさなかったが「必ず夫にします。この家の婿にします。その時まで、内緒」とくすぐったそうに笑い声をあげた。

だが視聴者は、倫子の“狙っている人”が道長だと気付いている。史実でも倫子は道長の正室であるし、“打きゅう”の会の後、倫子が「道長様…」とうっとりした表情を浮かべるシーンもあった。

この後に描かれたシーンでは、まひろが道長と熱いキスを交わし「妻になってくれ」と求婚の言葉まで受け取っている。その同じ回、倫子が名こそ口にしなかったものの道長への思いをまひろに打ち明け、まひろもそれを楽しそうに聞いている。視聴者からは「2人の恋バナ、一見キャッキャしててかわいいけどそのお方が道長だと思うとぞっとする…」「平和な女子トークだけど、この後の展開を思うとつらい」の声も上がった。

倫子の貴族としてのふるまいと、まひろ・道長との三角関係のゆくえにも注目が集まった第11回。続く3月24日(日)放送の第12回「思いの果て」ではいよいよ、道長と倫子の縁談話が進むという。道長の妾になることを断ったまひろと、道長、倫子の思いがさらに交錯していく。

上級貴族の姫君・倫子(黒木華)に注目集まる/「光る君へ」第11回より (C)NHK