国際親善試合のイングランド代表vsブラジル代表が23日にウェンブリー・スタジアムで行われ、アウェイのブラジルが0-1で勝利した。

ユーロ2024本大会で悲願の初優勝を目指すイングランド。その最終調整の場となる今回のインターナショナルマッチウィークではブラジル、ベルギーという強豪との連戦を戦う。その初陣となる今回の一戦では直前のアクシデントで離脱したサカ、負傷を抱えて帯同中の主砲ケインを欠く中、1トップにワトキンス、2列目にA代表デビューのゴードンベリンガムフォーデンと並べる[4-2-3-1]で臨んだ。

一方、成績不振を理由に暫定指揮官ジニスを解任し、ドリヴァウ・ジュニオール新体制で立て直しを図るブラジル。その新体制の初陣では指揮官が認めた14名の主力候補不在の中で難敵に挑む形に。[4-3-3]を採用したスタメンはヴィニシウスやロドリゴ、ハフィーニャの3トップ、パケタとギマランイス、ダニーロら主力が起用された一方、2人の主力を欠くGKにベント、センターバックに共にA代表デビューとなったベラウド、ファブリシオ・ブルーノを起用する混成の布陣となった。

立ち上がりからイングランドが押し込む入りを見せると、相手陣内で得たセットプレーからチャンスを窺う。

一方、立ち上がりは相手の圧力に晒されて自陣から出られない状況が続いたブラジルだが、より効率の良い攻めで続けてフィニッシュに繋げる。まずは9分、ボックス手前でギマランイスからパスを受けたロドリゴが両チームを通じて最初の枠内シュートを記録。さらに、12分にはパケタの浮き球パスで完璧に背後を取ったヴィニシウスがGKピックフォードを抜いて無人のゴールへシュートを放つが、勢いの弱いシュートはDFウォーカーのゴールカバーに遭う。

失点を免れたイングランドだったが、アクシデントが発生。前述のゴールカバーのシーンで左ハムストリングに違和感を覚えたウォーカーが一度プレーに復帰したものの、20分にコンサとの交代でピッチを後にした。

序盤以降はボールの前進で苦戦していたイングランドだったが、20分過ぎからベリンガムやライスの中盤でのボールキャリーを使って変化を付けて押し込んでいく。流れの中では決定機には至らないが、再三のセットプレーでは相手の守備のやり方が徹底されていない部分もあり、幾度か際どいシーンを作り出す。

前半終盤にかけてオープンな展開が増えると、よりゴール前で際どいシーンを作り合う。カウンター主体のブラジルは35分、左右の揺さぶりからボックス中央でロドリゴの丁寧な落としに反応したパケタが左ポスト直撃のシュート。42分にはマグワイアのトラップミスを狙ったハフィーニャがボックス内で右足を振るが、これは惜しくも枠の左に外れる。

対するイングランドゴードンが幾度か得意のボックス左から右足を振っていくが、41分に放った決定的なシュートはGKベントの好守に阻まれた。

互いにチャンスはあったものの、ゴールレスでの折り返しとなった試合は共に選手交代なしでスタート。立ち上がりは引き続きイングランドが押し込む形となるが、最後の局面で精度、アイデアを欠いてゴールが遠い。

試合が膠着状態に陥ると、65分を過ぎて両ベンチが動く。イングランドはマグワイア、チルウェル、ベリンガムを下げてダンクジョーゴメス、ボーウェンを投入。この交代でフォーデンがトップ下にポジションを変更する。さらに、75分にはゴードンギャラガーを下げてA代表デビューのメイヌーをラッシュフォードと共にピッチに送り出す。

一方、ブラジルはパケタとロドリゴを下げてアンドレアス・ペレイラ、エンドリッキを同時投入。続く79分にはギマランイス、ハフィーニャに代えてドウグラス・ルイス、サヴィオを送り込んだ。

すると、一連の交代によって流れが変わって試合の均衡が破れる。80分、高い位置でダンクのクリアボールを回収したアンドレアス・ペレイラがオフサイドラインぎりぎりで飛び出したヴィニシウスにスルーパスを供給。ボックス内でのヴィニシウスのシュートはGKピックフォードに阻まれるが、こぼれに反応したエンドリッキが左足で押し込み、17歳の怪物FWがイングランド相手にセレソン初ゴールを決めて見せた。

その後、攻勢に出たイングランドの攻撃を危なげなく凌ぎ切ったブラジルが、ドリヴァウ・ジュニオール新体制の初陣を白星で飾った。一方、主砲不在の影響も窺わせる攻撃停滞で敗戦のイングランドは、カタールワールドカップフランス代表戦以来、11試合ぶりの黒星となった。