国際親善試合が23日に行われ、イングランド代表とブラジル代表が対戦した。

 3月のインターナショナルマッチウィークでは、欧州と南米の強豪同士のビッグマッチが実現した。イングランド代表はEURO2024予選でイタリア代表と同居するグループCに入ったが、終わってみれば6勝2分の勝ち点「20」と安定した戦いを披露し、4大会連続11回目の本大会出場を決めた。一方、ブラジル代表はFIFAワールドカップ26南米予選で、開幕直後こそ2連勝を飾ったものの、現在は3連敗もあって6位に転落。通算65試合目にしてホーム初黒星を喫するなど不安定な戦いが続いていたが、ドリヴァウ・ジュニオール新監督の下で再び巻き返すことはできるだろうか。

 イングランド代表はハリー・ケインブカヨ・サカといった主力をケガの影響で欠くものの、カイル・ウォーカー、デクラン・ライスジュード・ベリンガムといった面々をスターティングメンバーに揃え、“両翼”はフィル・フォーデンアンソニーゴードンのコンビに。後者はこれが“スリーライオンズ”でのデビュー戦となった。一方、ブラジル代表はこの日が“カナリア軍団”でのデビューとなるルーカス・ベラルドブルーノ・ギマランイス、ルーカス・パケタらの面々に加え、最前線にはヴィニシウス・ジュニオールロドリゴ、ハフィーニャと強力な3枚が並んだ。

 試合は立ち上がりの3分、イングランド代表がボックス右の位置でフリーキックを獲得すると、フォーデンハリー・マグワイアの頭をめがけた鋭いボールを入れるが、ここはわずかに合わない。対するブラジル代表は9分、巧みなボールタッチで中央から持ち運んだロドリゴが左足を振ったが、ここはGKジョーダン・ピックフォードの正面となった。

 序盤の13分にはブラジル代表が決定機を作り出す。自陣中央でセカンドボールを拾ったルーカス・パケタが前を向き、背後のスペースへスルーパスを流し入れると、抜け出したヴィニシウスがGKと1対1のチャンスを迎える。GKピックフォードの位置を見て冷静に転がしたが、ここはウォーカーのカバーリングに阻まれた。

 だが、このプレーでウォーカーが左ハムストリングを痛め、1度は立ち上がったものの、20分頃にプレー続行が不可能となる。エズリ・コンサとの交代でピッチを後にした。

 その後はブラジル代表が前へのスピーディな攻撃で自ら流れを引き寄せたが、待望の先制点は生まれない。35分にはゴール前での連続攻撃から、左からの折り返しを受けたパケタが左足で狙ったが、シュートは右ポストに嫌われた。42分にはマグワイアの処理が中途半端になったボールを狙っていたハフィーニャが右足を振ったが、シュートはわずかに枠を外れた。

 イングランド代表は前半半ばのあたりからライス、ベリンガムコナーギャラガーがボールを持ち運びながら敵陣でプレーする時間を増やしたが、決定的なチャンスを作り出すまでには至らない。41分にゴードンカットインから放ったシュートも決まらず、前半はスコアレスで終了した。

 後半に入ると、再びイングランド代表が押し込む時間が続くが、決定的なシーンを作り出すには至らない。試合はややこう着状態に陥り、64分には右サイドでボールを受けたギャラガーからのシンプルなクロスボールから、ベリンガムが高いジャンプからヘディングシュートを放ったが、ここは枠を外れた。

 試合はスコアレスのまま終盤に突入したが、80分になると遂に均衡が破れた。ブラジル代表は途中出場のサヴィオ・モレイラが右サイドから持ち運ぶと、ここはうまくつながらなかったが、ルーズボールを拾ったアンドレアス・ペレイラが背後のスペースへスルーパスを送る。抜け出したヴィニシウスが強引にシュートまで持ち込むと、ここはGKピックフォードに阻まれたが、こぼれ球を途中出場のエンドリッキが押し込む。今年夏のレアル・マドリード加入が内定している“怪物”が初ゴールを挙げ、ブラジル代表が先手を取った。

 試合はこのままタイムアップ。聖地『ウェンブリー・スタジアム』で行われた一戦は、アウェイチームのブラジル代表に軍配が上がった。なお、この後イングランド代表は26日にベルギー代表と、ブラジル代表は26日にスペイン代表と、それぞれ対戦する。

【スコア】
イングランド代表 0-1 ブラジル代表

【得点者】
0-1 80分 エンドリッキ(ブラジル代表)

ハイライト動画】ブラジルが敵地でイングランド撃破

エンドリッキ(左)がイングランド撃破へ導く決勝弾 [写真]=Getty Images