交差点で車両用と歩行者用の信号機が“集約”されて吊り下げられた、通称「UFO信号機」のなかでも、レアなLEDタイプが名古屋市に存在。なぜここに激レア信号機あるのでしょうか。実際に見てきました。

珍信号のなかでも珍「LEDタイプのUFO式」

信号機は一般的に車道用と歩行者用は別で、両方が必要な場合は個別に設置されています。しかし名古屋市には、交差点の中央にそれらが集約されて吊り下げられた、通称「UFO信号機」が設置されています。全国でも激レアという信号機、実際に見てきました。

この「UFO信号機」は正式には「懸垂型交通信号機(けんすいがたこうつうしんごうき)」と呼ばれるもの。このような形状の信号機が設置されたのは、事故が多発するものの信号機用の支柱を立てるスペースがなく、加えて地下に排水溝やガス管、水道管など多くの埋設物がある細街路に展開できる新型信号機が要求されたからだそうです。

しかし、設置基数は年を追うごとに減りつつあり、一部地域を除いてレアになりつつあります。

そのようななか、名古屋市中区大須、赤門通と裏門前町通の交差点には「UFO信号機」が残っています。さらに珍しいことに、新しいLED式のものが採用されています。以前は電球式の「UFO信号機」が設置されていましたが、なぜあえて付け替えが行われたのでしょうか。

ここは繁華街のなかにある交差点で、建物に囲まれ、なおかつ歩道は狭く、地下には様々な埋設物があるため、四隅に支柱を設置するのが難しかったのだそう。そのため、従来通り1本の支柱からアームを伸ばし、交差点の中央に歩車両方の灯火を収集配置する構造に落ち着いたとされています。

実際にこの交差点に行ってみると、たしかに交差点に迫るように四隅が建物に囲まれています。歩道は人が難なく歩ける程度の広さではあるものの、片方の道は大型の自動車だと離合はできないのではというほどの道幅。たしかにここに通常の信号機のように四方、合計8本の柱を設置するのは難儀しそうです。

名古屋市内にある「UFO信号機」(乗りものニュース編集部撮影)。