米投資会社のアポロ・グローバル・マネージメントが、パラマウント・グローバルの映画およびテレビスタジオ事業の買収に向けて、110億ドルの大胆な提案を行ったと、米ロサンゼルスタイムズが報じている。

トップガンマーヴェリック」などを手がける映画会社のパラマウント・ピクチャーズをはじめ、CBSやニコロデオンなど多数のネットワーク局を抱えるパラマウント・グローバルは、昨年から売却先を探している。パラマウントの大株主であるナショナル・アミューズメンツのシャリ・レッドストーンCEOは、スカイダンス・メディアやワーナーブラザース・ディスカバリー、レッドバード・キャピタルなどと交渉を行っているが、このほどアポロ・グローバル・マネージメントによる具体的な金額提示が行われたという。市場はこの報道に好意的で、パラマウントの株価は12%増の12ドル51セントに上昇した。

パラマウントの苦境は、ケーブルテレビの不振やコンテンツへの過小投資、株価の下落、新型コロナウイルスの感染拡大、そして昨年のハリウッドストライキに起因していると言われている。同社の動画配信サービスであるParamount+も苦戦を強いられている。

動画配信サービスの台頭でハリウッドの再統合が進むなかで、豊富なコンテンツを保有するパラマウントの買収交渉に注目が集まっている。

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