関越道で最も東京寄りに位置するスマートIC「三芳スマートIC」がついに“フル化”しました。もともと利用の多いスマートICでしたが、全方向の出入りが可能になったことで便利になりました。

関越道「三芳スマートIC」が“フル化”!

2024年3月に関越道の「三芳スマートIC」(埼玉県三芳町)が“フル化”され、全方向の出入りが可能になりました。2015年の事業スタートから、およそ9年越しの実現となりました。

三芳スマートICは、関越道で最も東京寄りの三芳PAに併設されるスマートICで、所沢ICと川越ICの中間に位置しています。これまで「新潟方面への入口(下り線)」と「新潟方面からの出口(上り線)」のみのハーフ運用でしたが、新たに「東京方面からの出口(下り線)」と「東京方面への入口(上り線)」が加わりました。

この三芳スマートIC、従来から1日約5000台の利用があり、「ハーフ運用」では全国トップクラスとなっていました。三芳町には鉄道が通っていませんが、東武東上線に近く、みずほ台、鶴瀬、ふじみ野上福岡といった人口も多いエリアの駅周辺を、三芳スマートICがカバーすることになります。

これら地域の多くでは、関越道を利用するのに所沢ICまで出る必要がありました。しかし、東上線に並行する川越街道(国道254号)が昔ながらの2車線であるほか、所沢IC周辺もかなり渋滞します。三芳スマートICのフル化により、わざわざ所沢ICまで出る必要がなくなることで、川越街道などの混雑緩和も見込まれています。

スマートICからは川越街道にも出られますが、アクセス道は、関越道の西側に並行している「東京狭山線」に通じています。この路線は4車線で、川越街道に比べるとだいぶ余裕があります。所沢ICや練馬ICの渋滞を避ける意味で、所沢市や東京の清瀬市東久留米市などからの需要もあるかもしれません。

ただ、スマートICのフル化で、肝心のPAの利用は不便になったという声もあります。というのも、フル化によって、PA内のランプの位置も付け替えられたため、上下線とも出口を利用する際には、PAを使えない形になってしまったからです。

これに対し三芳町は広報紙で、PAをいったん出て、下り線側の徒歩入口から下り線PAを利用する方法を紹介しています。三芳PA下り線の「パサール三芳」は、一般道から徒歩での出入りが可能な構造になっていて、一般道側入口には駐車場も完備されています。

ちなみに、このランプの付け替えにより、スマートICを利用可能な車種が普通車以下(車長6m以下)から全車種(車長12m以下)に拡大されました。三芳PA周辺は、倉庫や物流事業者の事業所がかなり多く立地しており、全車種対応は事業者にも追い風となることは間違いないでしょう。まだ畑が多く残るPA周辺が、これからさらに変化するかもしれません。

関越道下り線、三芳PAの案内看板。新たに「ETC出口」の表示が(乗りものニュース編集部撮影)。