ミヒャエル・エンデが1979年に発表し、45か国語に翻訳され世界中で大ベストセラーを記録したファンタジー小説「はてしない物語」が、新たな映画シリーズとして再映画化されることが決定した。「Variety」など全米複数メディアが報じている。

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ウォルフガング・ペーターゼン監督がメガホンをとり、原作の前半部を映画化した『ネバーエンディング・ストーリー』(84)でも知られる「はてしない物語」。同作の数年後には原作の後半部を描いた『ネバーエンディング・ストーリー 第2章』(90)とオリジナルストーリーの『ネバーエンディング・ストーリー3』(94)が公開。さらに2001年にはテレビドラマネバーエンディング・ストーリー 遥かなる冒険」も製作された。

また近年では、人気ドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のシーズン3において、ジョルジオ・モロダーが手掛けたテーマ曲が使用され、同作に出演したミリー・ボビー・ブラウンが曲に合わせてリップシンクする動画「#NeverEndingChallenge」がSNS上で拡散。たちまち若い世代からも大きな注目を集めるきっかけに。

そうした人気の一方、第1作の制作時にラストシーンをめぐってエンデと製作陣が対立し、訴訟にまで発展。さらにその後も原作の権利をめぐる訴訟がたびたび起こされ、再映画化の企画が持ち上がっては消えを繰り返してきた。そして数年前から、またしても再映画化権をめぐって複数の制作会社で熾烈な争奪戦が勃発。その末に今回、『英国王のスピーチ』(10)や『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(21)See-Saw Filmsがミヒャエル・エンデ・プロダクションズとパートナーシップを締結することに。

同スタジオのイアン・カニングは、15年以上前から実現に向けて動いていたプロジェクトが大きく前進したことについて「この物語はタイムリーでありタイムレスである。真に新鮮な方法で語られる機会を待っていました」と喜びを語り、「この物語の特別なことは、人生のさまざまな年齢で読み返し、そのたび新たな意味を見つけることができること。こうして新鮮な視点を実現する機会を得られたことはなんとすばらしいことでしょう」とコメントしている。

現時点ではまだ脚本家や監督といったスタッフ・キャスト、何本の映画が製作されるのか、そしていつ頃の公開になるのかなどは未定。現代の映画技術で「はてしない物語」がどのように映像化されるのか、続報を心待ちにしたい。

文/久保田 和馬

ミヒャエル・エンデの名作「はてしない物語」が再映画化決定!/[c]Everett Collection/AFLO