3月30日(土)に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム「黄金の刻〜服部金太郎物語〜」(夜9:00-10:54、テレビ朝日系)の記者会見が3月2日に都内で行われ、西島秀俊と水上恒司が出席。互いの印象や作品の見どころ、共演の感想や自身の至福の時間についてなどを語った。

【写真】水上恒司のエピソードに笑顔の西島秀俊

■似ているポイントを明かす「横を向いた時に鼻根が見えるんです」

同作は、「東洋の時計王」と呼ばれた服部金太郎の人生を追う一代記で、楡周平の小説「黄金の刻 小説 服部金太郎」が原作。日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者・服部金太郎の波乱の人生を描く。西島が主人公の服部金太郎を、水上は金太郎の青年期を演じる。

同じ人物を演じる二人へMCが「似ている雰囲気があるのでは?」と指摘すると、西島は「ありがとうございます。こんな男前に…」とにっこり。水上は「眉毛がボサボサなところが似てるって西島さんがおっしゃっていて、その通りだなと(笑)」と話し、場を和ませた。

さらに西島は、周囲から水上と似ていると言われたことがあると告白。水上も「個人的には、彫りが深いというか、横を向いた時にここ(鼻根)が見えるんですよ」と自身と西島の似ていると感じるポイントを明かし、西島も「見える見える」と共感していた。

■一番の見どころは“群像劇

また、同作について西島は「服部金太郎という、丁稚奉公から始まって時計王になるまでの一代記なんですけど、一番の見どころというのは群像劇であると思っています。本当に豪華な共演者の皆さんが、この作品のために情熱を込めて演じていらっしゃる。最初はライバルだった人がどんどん味方になっていき、幾多の困難を乗り越え、みんなで日本の技術を上げていったという実際の事実がありまして。そこの人と人との繋がり、それぞれがそれぞれの場所でベストを尽くすことでいろんな困難を乗り越えていく群像劇が見どころです」とコメント。

「たくさんのキャラクターが出てきて、みんなが主役になる。みんなの人生があって、みんなが主役のストーリーがあるので、今回のドラマの中の誰かに『これは自分の物語だ』と感じていただけるのではないかな」と期待感をあおった。

水上は、「時というスケールの大きいものに対して着眼点を置いたある男の生き様、人生を描いたというところが僕は一番好きです。青年期を演じるにあたり、時というものに魅力されていくところがすごく大事だなと思っていました」と告白。「令和の時代にそれくらい大きい(魅了される)ものが何かあるかと考えても出てこないので、やはり服部金太郎さんはすごい方なんだなと思いました」と物語において大切な“時”というキーワードに言及した。

■未来の再共演での役どころにツッコミ「また会えないよ、そしたら(笑)」

西島と同一人物を演じたことについて、水上は「バトンを繋ぐ際、先輩俳優の方に対してどれだけイメージと違わないようにアジャストしていけるかというプレッシャーもありました」と告白しつつ、「前もがっつり共演という役柄ではなかったので『覚えていらっしゃるかな?』と思っていたら『お!』と言ってくださったのでうれしかったです」と、映画「奥様は、取り扱い注意」(2021年)以来の共演を喜んだ。

対する西島は、水上の印象を「僕の勝手なイメージですけど、すごく不器用なタイプの俳優さんだと思っていて。自分のやりたいことが明確に見えていて、そのことに向かって純粋に進む人」とコメント。

「僕は正直そういうタイプだし、そういうタイプが好きだし、そういうタイプがすごく気になるので、個人的にずっと気になって見ていますし、自分の道を進んで、ゆっくりと良い作品を重ねて成功していってもらいたいなと思っている俳優さんです」とエールを送った。

打ち解けた雰囲気を醸し出していた二人だが、演じたのが同一人物ということで、共に撮影できたのは数カットだったとのこと。水上は「ある意味共演なんですけど、僕が作る青年期と僕が思う壮年期について“どれくらい違いがあるんだろう”とか“やっぱり同じですよね”みたいなところを現場で今回見ることができていないので、いつかはがっつり西島さんと…」と再共演を希望。しかしシチュエーションについては「敵対する役だったり?」と提案。西島から「味方でいいでしょ!! また会えないよ、そしたら(笑)」とツッコまれていた。

■「久しぶりに重厚なしっかりとしたドラマを見たなと感じて」

そして、共演者の豪華な面々も魅力のひとつ。撮影現場は「すごい俳優の皆さんが集まっていたので。皆さん、自分の演技がどうというよりは、自分がどういう風にいることでこのシーンがより生き生きとして素晴らしいものにできるかにすごく意識が向いているんですよね。そういう現場だったので、大変でしたけどどのシーンも演じがいのある、手応えのある作品になりました」と回顧した西島。

「ドラマ全体の出来上がりを見て、久しぶりに重厚なしっかりとしたドラマを見たなと個人的には感じて。それぞれの俳優さんがどのシーンも献身的というか。自分のためではなく、もっと大きなものに対して身を投げ出している方が集まっていると感じましたし、幸せな時間でした」と、満足のいく仕上がりになったことを明かしていた。

■水上の“黄金の刻”に西島が爆笑

また、タイトルにちなみ、自分にとっての黄金の刻・至福の時についてトークを展開。

西島は「あんまりないんですけど…、やっぱり映画が好きなので、映画館へ行って座って待って、最後にふわっと暗くなって始まるという時間が一番好きですね。ものすごくドキドキするし。毎回“いいな”という感じがしますね」と笑顔を見せる。

続いて、回答に悩む水上に「そんなんでいいんだよ(笑)」と西島がアドバイスすると、「大層なことを言わないといけない…」と構えつつ「角ハンガーにいかに効率良く、洗濯物が乾きやすいように考えながら干している時間が僕の黄金の刻です」と絞り出した水上。回答を受け西島は「黄金の刻なの?」と爆笑していた。

「黄金の刻〜服部金太郎物語〜」記者会見に出席した西島秀俊、水上恒司/※ザテレビジョン撮影