超マニアックだが乗るならいまが最後! 200万円以下で手に入る「左ハン+MT」の輸入中古車たち

この記事をまとめると

■左ハンドルでMTのおすすめ中古輸入車をドイツフランスイタリアメーカーから紹介

■平成の時代においても探してみるとコンパクトカーからスポーツモデルまで存在した

■維持費が高く運転操作にも慣れが必要だが所有してしまえば楽しさを享受できる

この先日本で正規に登場することは「ほぼなし」

 輸入車……というより「外車」の表現のほうが浸透していた時代は左ハンドルが標準で、右ハンドルはオプション扱い。「そもそも外車なのになんでわざわざ右ハンドル?」なんて突っ込まれる時代がありました。それがいまや、左ハンドル自体の設定が消滅し、選べるのは右ハンドルのみ。さらにMT仕様ともなれば、それ存在自体が貴重(珍重?)される時代となりつつあります。

 少しずつ、そして確実に個数を減らしている「左ハンドル+MT車」。セミオートマ、ティプトロニック、DSG、PDK、DCT……などなどの選択肢が増えた輸入車、なかでもスポーツカーおよびスーパースポーツモデルの3ペダルMT車(設定があれば)は、選ぶオーナーが少ないのか希少価値が高まるいっぽう。さらに、比較的手に入れやすい価格帯のモデルのなかには、その役目を終えて少しずつ淘汰が進んでいるケースもあります。

アルファロメオ156GTAのインパネ

 筆者自身が左ハンドル&MT車のクルマを所有しているせいなのか、実感に乏しいところもあるのですが、クルマ好きの方と雑談していたとき、「比較的手に入れやすい価格帯の左ハンドル&MT車」がなくなってしまうかもしれない……とあるとき気づいたのです。

 そこで、購入後の維持費のことを承知のうえで「平成生まれ & 車両本体価格200万円以内 & 左ハンドル & MT車」の条件で乗れる輸入車をピックアップしました。

※この情報は2024年3月現在のものです。

■ドイツ車

 ポルシェ・ボクスター(986型)、BMW3シリーズクーペ(E90型)、アウディTT(8N型)と、いずれもまだまだ現役カーとして街なかで見かける個体も少なくないモデルばかり。とはいえ、売り物として店頭に並べる「商品車」として成立する個体が確実に減ってきていることも事実です。もう少し予算をアップして1世代新しいモデルまで射程圏内に入ってくると……今度は「左ハンドル&MT車」そのものの相場が跳ね上がったり、設定または商品車がないという事態に……。

ポルシェ・ボクスター(986型)

・販売期間:1996年10月~2004年11月
・中古車の平均価格:168万円
・中古車の価格帯:94万~330万円

ポルシェ・ボクスター(986)

BMW3シリーズ(E90型)

・販売期間:2006年9月~2013年9月
・中古車の平均価格:73.6万円
・中古車の価格帯:25万~318万円

BMW3シリーズセダン(E90)

アウディTT(8N型)

・販売期間:1999年10月~2006年9月
・中古車の平均価格:59.6万円
・中古車の価格帯:29万~330万円

アウディTTクーペ(初代)

■フランス車

 同じ条件でドイツ車と比べると、フランス車のほうが高年式でも「平成生まれ&車両本体価格200万円以内&左ハンドル&MT車」の条件に当てはまるモデルがあることに気づきます。ただ、もともとの販売台数がドイツ車よりも少ないだけに、商品車の台数も少なめ。ここからさらにグレードやボディカラーを決め打ちした「指名買い」ともなれば、多少なりとも中・長期戦を覚悟した方がいいかもしれません。

ルノー・ウインド

・販売期間:2011年7月~2013年8月
・中古車の平均価格:137.2万円
・中古車の価格帯:89.8万~175万円

ルノー・ウインドの走行写真

ルノー・トゥインゴ

・販売期間:2008年11月~2014年2月
・中古車の平均価格:69.8万円
・中古車の価格帯:26.6万~138万円

ルノー・トゥインゴ(2代目)

プジョーRCZ

・販売期間:2010年7月~2016年12月
・中古車の平均価格:115.6万円
・中古車の価格帯:39万~319万円

プジョーRCZ

プジョー208

・販売期間:2012年11月~2020年6月
・中古車の平均価格:58.2万円
・中古車の価格帯:17.2万~270万円

プジョー208

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■イタリア車

「平成生まれ & 車両本体価格200万円以内 & 左ハンドル & MT車」の条件で探してみると、魅力的なモデルばかりであることに気づかされるイタリア車。「沼に陥る」可能性も否定できませんが、これまで輸入車をはじめ、左ハンドル&MT車に乗る機会がなかった人にこそ、趣味車として所有してみる価値は十分にありそうです。イタリア車の艶っぽさって、他国のクルマでは味わえませんから……。

アバルト500

・販売期間:2009年4月~2017年2月
・中古車の平均価格:114.9万円
・中古車の価格帯:54万~179.8万円

アバルト500 エッセエッセ

フィアット・バルケッタ

・販売期間:1996年2月~2007年12月
・中古車の平均価格:121.5万円
・中古車の価格帯:75万~188万円

フィアット・バルケッタ(初代)

アルファロメオ・ジュリエッタ

・販売期間:2011年11月~2021年11月
・中古車の平均価格:79.3万円
・中古車の価格帯:29.8万~184.5万円

アルファロメオ・ジュリエッタ(940系)

アルファロメオ159

・販売期間:2006年2月~2012年4月
・中古車の平均価格:102.4万円
・中古車の価格帯:20万~359万円

アルファロメオ159の走行写真

まとめ:歴代オーナーに感謝! ラストオーナーは貴方かもしれない

 着座位置が右から左に移るだけで車窓に映る景色が変わり、シフトチェンジが左手から右手になるだけでも慣れを要します。右ハンドルに慣れている人だと運転するときも自然とクルマが左に寄ってしまい、久しぶりに「キープレフト」を意識してみたり。移動距離にしてわずか1メートルそこそこ。しかし、たかが左ハンドルと思うなかれ、この新鮮さは捨てがたいものがあります。

 右ハンドル車のクルマに慣れ親しんできた人ほど感じる、新鮮さとある種の「違和感」こそ、左ハンドル車の魅力のひとつです。初期投資を抑えつつ(その後の維持費には泣かされるかもしれませんが)、これまでの愛車遍歴とはガラリと趣向を変えて楽しめる格好のジャンルでもあります。

アルファロメオ・ジュリエッタのインパネまわり

 とはいえ、限られた条件のなかで楽しめるクルマは年々数を減らしていることも事実です。未知の世界(カーライフ)に足を踏み入れるひとつのきっかけとして、維持費のことが気がかりではありますが、いまのうちに1度くらいは味わっておきたいものです。

超マニアックだが乗るならいまが最後! 200万円以下で手に入る「左ハン+MT」の輸入中古車たち