まひろと道長の逢瀬、権力争いの行く末……と毎週、ときめきと大人たちの苛烈な頭脳戦を魅せてくれている大河ドラマ「光る君へ」。
週を追うごとに盛り上がりが増していく中、3月17日にNHKホールにて「光る君へ」のファンミーティングが行われました。
登場したのはまひろ役の吉高由里子、藤原道長役・柄本佑ほか、ファースト・サマーウイカ、町田啓太。笑いあり、意外な事実もあり、の1時間にわたるトークの模様をレポートします。
◆定子さまは「ほんっっとうにすばらしいから!」
――それぞれがどんな役だと思って演じていらっしゃいますか?」
吉高由里子「世界一有名な日本人の女性だとは思うんですけど、平安時代の資料も限られている中で自由さを探してやっている感じです。生きるのが大変な時代なんじゃないかな、と思いながらやっていますね」
柄本佑「世間一般的な印象と、自分がやっている道長は印象が真逆な人間性というか。根っこにはのんびりとした人間性があることは大事にしていますね。
逆に僕も藤原道長さんという人の詳細を知らずに現場には入ったんですけど、調べている過程の中で、大石さんの書かれる本を読んで、実際に文献に残っている道長を追いかけるよりは、大石さんが書かれている三郎くん……あえて三郎くんと呼ばせてもらうと、と向き合えばいいのかな、と」
町田啓太「藤原公任を存じ上げていなかったので、調べながらということだったんですけど、設定モリモリだなあ、というぐらいエリートで。何でもできるし。これはどうしたらいいんだろう、と思っていたんですけど、いろいろ考えたり、台本を読んでいるとすごく面白い人物。はっきり物事を言ったりもするし、口が過ぎることもあるんですけど、どんどん大石さんが書いている公任がおもしろくなっていって。知れば知るほど面白い人物だな、と思いながら演じさせてもらっています。あとは道長のことが大好きすぎるので。後半は関係値も位も変わっていくので、そういうところも楽しんで演じさせてもらっている最中です」
ファースト・サマーウイカ「登場までの期待値がすごく上がっていたと思うんですけど、ついに登場したときにみなさん『まんまね』って。それをどう捉えていいのか分からなかったんですけど……確かに頭の回転速いので、思ったことをはっきり言ったりとかそういうベースにある部分は自分に似ているな、と思っています(笑)。
もうひとつ、役を重ねて思ったのは、空気を読めない人ではないということ。あえて読まずに空気を壊すこともあるし、いかに早く察知してその中で自分の最適解を見出すタイプ。
まもなく、定子さまがこられますので。皆さんお待たせしちゃってすみません!もうすぐ来られますので。ほんっっとうにすばらしいから!本当にすごいから!」
◆町田啓太は失敗しない男?
舞台が平安ということで所作だけではなく、ならではの稽古事も多くある。それぞれ衣装での苦労、字を書くシーンでの苦労で盛り上がったところで話題はこれまた平安ならではのあの「遊び」の話へ。
――会場でも気になっている方もいらっしゃるかと思うんですが打毬(だきゅう)のシーンはいかがでしたか?
ウイカ「かっこよかったー!」
吉高「ねー!」
――かなり練習されたんじゃないんですか?
柄本「僕はおととしから馬の練習を始めたのかな。そこから少しずつ走らせたり両手で乗っていたのを片手にしたりしていたんですけど、こちらの町田様はですね、その日いきなり走らされたんだっけ?」
町田「僕も乗馬をやっていたんですけど、なんか走らないな、と思っていたんですよ。本番の日が近づいてきたんで走らないでやるのかな、と。貴族の打毬ですから、すごく上品にスタスタと……。でも現場に行ったらみんなバタバタ走るから。危ない、危ないと思いながら、まあやってみようとやってみたら、お馬さんがね、大河の大先輩ですから。キャリアがすごいのでやってくれるんですよ」
吉高「うそー!」
柄本「にしても初めて走るっていって、あれだけできないですよ」
町田「いい緊張感ですけど、できました」
(会場拍手)
柄本「終わったあと、戻ってきていや難しいね、って話していたら町田くんが来て『今日初めて走ったんです』って。嘘だろ、と」
町田「走りながらスティックも振ったことなかったので」
吉高「失敗しない男だね、本当に!」
◆右利きの練習をしたけれど……
この日は観客から寄せられた質問に4人が答える場面も。
――左利きの吉高さん、右利きを練習する中で、右手のほうが得意になったことはありますか?
吉高「右手のほうが得意……?ええっ?ある?」
柄本「お箸とか?」
吉高「あっ!……ゴルフ!」
サマーウイカ「ええ……っ?」
吉高「ゴルフは右でやります」
――もともと?
吉高「あっ、もともと……(笑)」
町田「バランスよくなるってことじゃないですか、両手ちゃんと使えるし」
吉高「最初は右で食べるのも練習してたんですよ。普段から。でも料理冷めるし。もう左で食べるし、と思って。フォーク出してほしいですね(笑)」
柄本「でも、筆、右手でやってて普通のボールペンとか鉛筆とかそこらへんは書けそう」
吉高「筆の押したり引いたりするのは、右の感覚のほうが今いい感じでやってますね。……なんとか私から絞り出そうとしてくれてる(笑)」
◆ふたりで流鏑馬チャレンジ?
――趣味としてこれは続けたい!というお稽古ごとはありますか?
柄本「僕がこの作品の中でやった習い事としては、筆、あとはお馬さん、と弓。この3つだと……どれかなぁ。でもそれぞれやるとおもしろいですよね。どれもおもしろいけど、いざ終わって、よしこのまま続けよう!って言って過去に続いたものはないです」
ウイカ「馬に乗って弓やって、流鏑馬やればいいじゃないですか」
柄本「ミックスして!?」
ウイカ「道長の子孫、流鏑馬の名手ですよ」
柄本「流鏑馬……?流鏑馬にします!」
町田「本当に、僕はたまたまなんですけど、5年ぐらい前から流鏑馬やりたいって言ってるんですよ。本当に!」
吉高「またー!大好きだもんね、道長のこと」
――じゃあおふたり揃って。
柄本「並んで!」
ウイカ「並走して!」
町田「そうですね、僕の理想的には砂浜なんですよね」
柄本「いいね、いいね。で、的に当ててすぐに降りて筆でなにか書く(笑)」
――ウイカさんはいかがですか?
ウイカ「たぶん、書しかやることがないと思うんですけど、公任が笛やってるんですよね」
町田「竜笛ですね」
ウイカ「あれはずっと吹きたいな、と思っています」
町田「絶対にうまいと思いますもん。もう似合う」
ウイカ「楽器をね、やりたかったです」
吉高「私はどれも続かないと思う。どれも大変!(笑)」
◆みてくださっていることが撮影での励み
最後、吉高のリクエストで観客席の照明がつくと、満席の会場に4人とも揃って嬉しそうに声を上げた。
当選倍率約8倍の激戦となった今回のファンミーティング。激戦を勝ち抜いたファンに向かって、最後に今後の見どころを伝えた。
吉高「いろんなことが起こると思うし、現場もうまくいくときとうまくいかないときもあるとは思うんですけど、みなさんがみてくださっている、ということが撮影での励みになっておりますので、引き続き私たちの作品を推していただき、背中を押して、最後まで見守ってください」
柄本「本当に皆さんに支えていただいているな、と。引き続き、全話いろんなことが起きますのでお楽しみにしていただければと思います。あと、今日の一時間で聞かれたことは一切忘れていただいて。切に願います!道長は本当に道長だったよ、まひろは本当はまひろだったよ、ということを(SNSには)書いていただいて(笑)。また来週からもよろしくお願いします」
ファンミーティングの模様は、4月7日にオンエア予定。
<取材・文・撮影/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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