最近はSDGsの浸透もあり、サスティナビリティを追求する企業同士が業種や業界を超えてタッグを組むケースが増えてきました。そんな中、実は意外なコラボも生まれているんです。そこで今回は、サスティナビリティを軸にした意外な“異業種コラボ”を紹介します。

■三井住友信託銀行×ERMグループ(イー・アール・エム日本)

 三井住友信託銀行が、環境・社会・労働安全衛生の各分野を専門にコンサルティングを行うイー・アール・エム日本とタッグを組み、「ERM SuMi TRUSTコンサルティング株式会社」を設立しました。

 主な事業内容は、気候変動に関するコンサルティング業務、及びこれに付帯する一切の業務とのこと。信託銀行といえば、お堅いイメージがあってコンサルとは無縁のように思えますが、なぜ協業に至ったのでしょうか?

 三井住友信託銀行では、従来から顧客向けにサスティナビリティのコンサルティングを幅広く用意していましたが、気候変動への対応を強化する流れもあってイー・アール・エム日本と提携。

 連携を続けていくうちに、「いっそ合弁会社を作って手を握り合い、気候変動のアドバイザリー部分からファイナンスまで、会社として一気通貫して提案できるようにしたほうが、法人客も安心して依頼ができるのではないか」と考えたそう。時代と社会の要請がそうさせたようです。

 イー・アール・エム日本によると、脱炭素に向けて目標は据えても実現が難しく、どうやったら低炭素のエネルギーをまかなっていくことができるのか、または製造面においてどうやったら公平なエネルギーを使うことができるのか、という部分での助けを企業は今後も必要としているそうで、こうしたニーズを満たすために、企業価値向上への貢献、日本経済の脱炭素化促進を目指すとのことでした。

■「ネクストミーツ×東レ」「三陽商会×パナソニック

 他にも、異業種コラボはここ数年で続々と生まれています。2022年にはこんなコラボが登場しました。代替肉で知られるネクストミーツと化学企業の東レとのコラボです。

 東レは、独自に開発した、豊かな質感とデザイン性、高い機能性を兼ね備えた銀面調人工皮革「Ultrasuede®nu(ウルトラスエード®ヌー)」を使用したトートバッグを制作・販売していましたが、これにネクストミーツが反応。もともと、おいしい植物性の代替肉を開発することで気候変動問題の解決に取り組みサスティナビリティへの関心を持っていた中、東レによるUltrasuede®の素材自体のサスティナビリティと理念が合致したことでコラボに至ったそうです。

 また、アパレル業界の三陽商会が、総合電気メーカーパナソニックとコラボ。三陽商会が国内に展開するスペイン発のサステナブルファッションブランド「ECOALF」にて、パナソニックが開発した環境負荷の低いセルロースファイバー由来の新素材「kinari」を使ったアパレル商品を販売しています。服やタンブラーなどを制作して話題を呼びました。

 地球環境の未来を考えなければ生まれなかったこれらの“異業種コラボ”。自社の利益だけでなく、広い視点を持つことが、社会課題解決の大きなきっかけになっているようですね。

アサジョ