株式会社フィリップスジャパン(本社:東京都港区、 代表取締役社長:ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク、 以下 フィリップス)は、全世界1,000台以上導入の世界初[1]へリウムフリー[2] 技術搭載1.5T「MR 5300」専用の超軽量・フレキシブルな「Smart Fitコイル」、および鎮静剤の必要性を低減し[3]、小児患者に快適なMR検査環境を提供する「Pediatric Coachingソリューション」を3月25日(月)より販売開始します。

このたびフィリップスは、MR検査における患者の快適性や満足度向上を目的とする2つのソリューションを新たに発売します。

「Smart Fitコイル」は、フィリップスの1.5T「MR 5300」専用の、超軽量・フレキシビリティを実現した新しいコンセプトのコイルです。「Smart Fit TorsoCardiacコイル1.5T」は1.2kg、「Smart Fit Shoulderコイル1.5T」は 1.1kgと軽量であり、フレキシビリティと相まって検査中の患者の負担を大幅に軽減することができます。

「Pediatric Coachingソリューション」は、遊びをベースとしたアクティビティを通じて、MR検査を受ける小児患者やその保護者が事前に検査の仕組みや流れを理解することや、検査中に楽しい動物のキャラクター映像や音楽を使ってリラックスした検査環境を提供することで、検査に対する不安や恐怖心を低減させることが可能です。デンマークの研究では、実際に、4~6歳の小児患者のMR検査における全身麻酔の使用が57%から5%に低減したことが報告されています[3]。

フィリップスでは、患者を中心とした検査環境を提供することで、円滑に検査を進め、全体的なワークフローを改善することで患者の快適性や満足度向上だけではなく、医療従事者の負担も軽減し、2024年4月から始まる「医師の働き方改革」をサポートします。

「Smart Fit コイル」の主な製品特長

  1. 患者中心のワークフロー

    軽量かつ90度以上曲げた状態でも使用できるフレキシブル素材のコイルにより、さまざまなコンディションの患者に、よりフィットしたコイル装着が可能です[4]。

  2. スループットの向上

    従来のコイルよりもコイル装着にかかる時間を最大10%低減可能で[5]、撮像時間の高速化により検査全体を通した患者負担を軽減します[6]。

  3. 診断精度の向上

    高速化を学習したAIアプリケーションである「SmartSpeed」に最適化したコイル設計です。高画質と高速化を両立させるほか、カバレッジも10%向上します[7]。

Smart Fit Shoulder コイル 1.5T
Smart Fit TorsoCardiac コイル 1.5T

全世界で1,000台以上販売「BlueSealマグネット」と「MR 5300」について 

2018年に、フィリップスが世界で初めて[1]ヘリウムの再充填を不要とする「BlueSeal マグネット」を搭載した超電導1. 5 T MRを発売して今年で6年目を迎えます。「BlueSealマグネット」は全世界で1,000台以上も導入されており、貴重な地球資源である液体ヘリウムの消費に関しても従来型マグネットと比べて約190万リットルもの削減に貢献しています[8]。

 

この革新的な技術を搭載した1.5T「MR 5300」はヘリウムフリー[2] のオペレーションを実現しながら、高い静磁場安定性0.001ppm/hourならびに傾斜磁場直線性1.4%(50cmDSV時)を実現しており、最大FOV55cmにおいて歪みなく精度の高いMR検査を可能とします。他にもAIによる呼吸波形検知システム「VitalEye」や、シールド扉閉に連動して撮像がスタートする「SmartStart」などの機能により、さらなるワークフローの向上を実現しています。

「Pediatric Coachingソリューション」の主な製品特長

MR検査という慣れない環境への恐怖は、幼い子どもにとってはストレスとなり、興奮して良い画質を得るために必要な静止状態を保てなくなることがあります。その結果、鎮静剤や全身麻酔に頼ることも多く、保護者によると、検査後に子どもが過敏になったり、繰り返し麻酔にさらされるなどの懸念が挙げられています [9] 。また医療機関にとっても、検査にかかる時間と費用の増大は大きな負担です。フィリップスの「Pediatric Coachingソリューション」は、MR検査の不安や恐怖心を低減させ、鎮静剤や全身麻酔に頼らない検査を実現します。

  1. 動物のキャラクターが登場する「Scan Buddyアプリ」を使った自宅学習

    Scan Buddyアプリ」は、Apple[10]およびAndroid[11]デバイスを用いて、自宅で事前にMR検査についてビデオやゲームを使って学習できるアプリです。動物のキャラクターたちがバディ(仲間)となり、分かりやすく学習をナビゲートします。例えば、システムオペレーターになりきって、バディが画像撮影のためにじっと横になっているのを助けます。

  2. 小さなMR模型「Kitten Scanner」でMR検査体験ができる

    Kitten Scanner」は、小児患者が検査前に病院に置かれた小さなMR模型を用いて模擬的なMR検査体験ができるツールです。「Scan Buddyアプリ」に登場した動物のキャラクターをスライダーに載せるとキャラクターごとの学習ビデオが始まります。スキャンをしたそれぞれの動物の身体の中身を見ることで、これから行われる検査について理解を深めることができます。

  3. 検査中も映像と音楽でリラックスできる小児用「Ambient Experience In-bore ソリューション」

    検査室内での不安を低減するため、検査中に映像や音楽でリラックスできる「Ambient Experience In-bore ソリューション」に、小児用のテーマが登場しました。「Scan Buddyアプリ」に登場した動物のキャラクターが呼吸のタイミングや止め方など検査終了までナビゲートします。

Ambient Experience In-bore ソリューション」とは

スキャンの進行状況に関する情報だけでなく、フィリップスMRスキャンソフトウェアとリアルタイムで連動して、スキャン中の患者に情報や指示を与えます。没入型映像体験により、患者はボア内で横になったまま楽しみながら気を紛らわせることができます。ヘッドホンからは息を止める合図が出され、プログレスバーは検査の進行状況が示されるため、患者は落ち着いて指示に従いやすくなり、検査遅延や再撮像が減少することが全世界2,500以上の導入事例より実証されています[12]。

その他、フィリップスでは小児MR検査へのトータル・ソリューションとして、発育や発達過程を評価するミエリンマップが「SmartSpeed」の併用で高速に得られる「Smart Quant Neuro」や非同期・非造影MRA技術である「Arteriovenous TRANCE(AV-TRANCE)」の撮像・解析アプリケーションを提供しています。

[1]: 2018年9月11日発売時点

[2]:7リットル液体ヘリウムを使用して超電導状態を維持しています

[3]:Runge SB, et al. Children centered care: Minimizing the need for anesthesia with a multifaceted concept for MRI in children aged 4-6. European Journal of Radiology. 2018;107:183-187

[4]:「Smart Fit TorsoCardiac コイル1.5T」にて

[5]:1.5T MSK 16(デュアルコイルのセットアップ)に比べて

[6]:「SmartSpeed」との組み合わせ使用にて

[7]:「1.5T dS TorsoCardiacコイル」に比べて

[8]:2024年1月末現在の稼働実績、および全世界で稼働中のヘリウムフリーマグネット合計での削減量

[9]:Walker, B., Conklin, H. M., Anghelescu, D. L., Hall, L. P., Reddick, W. E., Ogg, R., & Jacola, L. M. (2018). Parent perspectives and preferences for strategies regarding nonsedated MRI scans in a pediatric oncology population. Supportive Care in Cancer, 26(6), 1815-1824.
[10]:Apple は Apple Inc. の商標です
[11]:Android は Google LLC. の商標です

[12]:Ambient Experience installed base study 2020

販売名:フィリップス Ambition 1.5T

医療機器認証番号:231AFBZX00015000

設置管理医療機器 / 特定保守管理医療機器 / 管理医療機器

販売名:フィリップス MR コイル

医療機器認証番号:303AFBZX00040000

特定保守管理医療機器 / 管理医療機器

配信元企業:株式会社フィリップスジャパン

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ