河野太郎規制改革担当相が任命した、再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府タスクフォース」のメンバーが提出した資料の一部に、中国企業の透かしが入っていた。内閣府が認めたもので、河野氏はXに〈チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していく〉と書き込んだ。

 野党からは「わが国の再エネ政策が中国の影響が及んでいる疑惑であり、見過ごすことはできない。背景を徹底調査すべきだ」(国民民主党玉木雄一郎代表)との声が出ている。

 なぜ、このような事態が起きたのか。言論プラットフォーム「アゴラ研究所」所長の池田信夫氏はXで、次のように解説している。

〈この資料を説明したのは自然エネ財団の大林ミカ。彼女が国家電網公司のコピー用紙を使ったと考えられる。再エネ業者から金をもらっている財団のメンバーが内閣府の有識者会議に入っているのはおかしい、と私は批判してきたが、中国政府から金をもらっているとなると、問題はさらに深刻だ〉

 河野氏をめぐっては、2021年の自民党総裁選に立候補した際、弟が社長を務める「日本端子」(神奈川県平塚市)が中国に複数の関連企業を保有していることは、自身の対中政策に影響する可能性があるのではないか、と追及された。河野氏は「何か特定のために政治活動をゆがめるつもりは全くない」と強調していた。

 今回、国のエネルギー政策を検討する会議で、中国の浸透工作が進んでいたと露呈したことで、河野氏の任命責任が問われる。と同時に、9月の総裁選再出馬を視野に入れているとされる河野氏にとって、大打撃となったのは確実だ。

(喜多長夫/政治ジャーナリスト)

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