アリアナ・グランデの『エターナルサンシャイン』が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、今年最大の週間ユニット227,000を記録して1位に初登場した『エターナルサンシャイン』は、今週の集計期間(2024年3月15日3月21日)にアルバム・ストリーミングが87,000(41%減少)、アルバム・セールスが13,000(56%減少)、トラックによるユニットは500(84%減少)をそれぞれ記録して、合計100,500ユニット(56%減少)を獲得した。アルバムの週間ストリーミングは、1億1,505万回を記録している。

 Billboard 200での首位獲得は以下に続く6作目で、そのうち初登場から2週連続を記録したのは『thank u, next』、『ポジションズ』に続く3作目の快挙となる。

『ユアーズ・トゥルーリー』(2013年)
『マイ・エヴリシング』(2014年)
スウィートナー』(2018年)
『thank u, next』(2019年)
『ポジションズ』(2020年)
エターナルサンシャイン』(2024年)

 続いて今週2位には、米テキサス州ゴールデン出身の女性シンガー・ソングライター=ケイシー・マスグレイヴスの新作『ディーパー・ウェル』が初登場。本作は、2021年9月にリリースした前作『スター・クロスト』から約2年半ぶり、6枚目のスタジオ・アルバムで、以下に続く5作目のTOP10入りと『セイム・トレーラー・ディファレント・パーク』と同率の自己最高位を更新した。

2位『セイム・トレーラー・ディファレント・パーク』(2013年)
3位『パジェント・マテリアル』(2015年)
4位 『ゴールデン・アワー』(2018年)
3位 『スター・クロスト』(2021年)
2位『ディーパー・ウェル』(2024年)

 なお、上記の作品はいずれもTOP4にデビューしている。

 『ディーパー・ウェル』は、初週アルバム・セールスが66,000(今週のトップ・セールス)、アルバム・ストリーミングが30,000(3,806万回)、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録して、累計97,000ユニットを獲得した。

 週間ユニットとしては、前作『スター・クロスト』が初週で記録した77,000を上回る自己最高値、週間セールスも『パジェント・マテリアル』が初週で記録した55,000枚を上回る自己最高売上を更新している。

 週間セールス66,000枚のうち37,000枚がアナログ盤による売り上げで、LPの週間セールスとしては自己最高記録、また現時点での今年最大の売上枚数を更新した。ルミネートによる集計が始まった1991年以降では、カントリー・アルバムのLP週間セールスとして史上4番目に高い売上枚数を記録している(TOP3はすべてテイラー・スウィフトの作品)。

 そのアナログ盤は、Amazon、SpotifyTargetの限定版を含む全9種類、8色のカラー・バリエーションがあり、CDは全4種、カセットテープが1種、デジタル・ダウンロードはボーナス・トラックなどが収録された3種類(カバー・アートの異なるバージョンが1種)でリリースされている。

 『ディーパー・ウェル』からは、カントリー・ソング・チャートでタイトル曲が2月に26位、「トゥー・グッド・トゥー・ビー・トゥルー」が3月に41位を獲得して、アルバムのヒットに繋げた。なお、昨年ソング・チャート“Hot 100”で自身初の首位を獲得したザックブライアンとのデュエット曲「アイ・リメンバー・エヴリシング」は、ザックの最新作『ザックブライアン』からのシングルで、本作には収録されていない。

 ケイシー・マスグレイヴスは、3月2日に米NBCのバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』、3月14日に米NBCのトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』、翌15日に米NBCのニュース番組『トゥデイ』、18日にシリウスXMのラジオ番組『ハワード・スターン・ショー』に出演するなど、アルバムのリリース前後に積極的なプロモーションを展開した。

 先週2位に順位を下げたモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、今週3位にまたひとつ順位を下げたが、週間ユニットは前週から3%増加の70,000に上昇している。

 続いて今週4位には、ジャスティン・ティンバーレイクのニュー・アルバム『エヴリシング・アイ・ソート・イット・ワズ』が初登場して、ソロとしては以下に続く6作目(6作連続)のTOP5入りを果たした。

2位『ジャスティファイド』(2002年)
1位『フューチャー・セックス/ラヴ・サウンズ』(2006年)
1位『20/20エクスペリエンス』(2013年)
1位『20/20エクスペリエンス 2/2』(2013年)
1位『マン・オブ・ザ・ウッズ』(2018年)
4位『エヴリシング・アイ・ソート・イット・ワズ』(2024年)

 『エヴリシング・アイ・ソート・イット・ワズ』は、初週アルバム・セールスが41,000、アルバム・ストリーミングが24,000(3,113万回)、トラックによるユニットは2,000をそれぞれ記録して、累計67,000ユニットを獲得。本作のフィジカルは、Amazon、Target、公式ウェブサイトの限定版を含む4種類のアナログ盤、グッズとCDを封入した4種類のデラックス・ボックス・セット、CDの通常版がリリースされている。

 『エヴリシング・アイ・ソート・イット・ワズ』からは、リード・シングルの「セルフィッシュ」が2月10日付のソング・チャート“Hot 100”で19位に初登場し、エアプレイ・チャート(総合)、ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・コンテンポラリー・チャート、リズミック・エアプレイ・チャートではそれぞれTOP20にランクインした。

 現地時間2024年3月13日には、米ロサンゼルスのザ・ウィルターンで一夜限りのコンサートが開催され、イン・シンクのメンバーも集まってヒット曲や本作の収録曲「パラダイス」を披露するなど話題を集めた。また、3月11日には米ABCのトーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』で収録曲「ノー・エンジェルズ」を、15日にはNPR Music主催の『タイニー・デスク・コンサート』で30分にわたるライブ・パフォーマンスを披露するなど、アルバムのプロモーションを積極的に取り組んだ。

 以下、ノア・カーンの『スティック・シーズン』(46,000ユニット / 5%減少)は3位から5位、シザの『SOS』(43,000ユニット / 4%減少)は5位から6位に順位を下げて、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(41,000ユニット / 6%増加)は9位から7位に上昇。ザックブライアンの『ザックブライアン』(40,000ユニット / 2%減少)は6位から8位、テイラー・スウィフトの『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』(40,000ユニット / 3%増加)は8位から9位、カニエ・ウェスト(イェー)&タイ・ダラー・サインの『Vultures 1』(39,000ユニット / 13%減少)は4位から10位にランクダウンした。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは3月29日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『エターナルサンシャイン』アリアナ・グランデ
2位『ディーパー・ウェル』ケイシー・マスグレイヴス
3位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
4位『エヴリシング・アイ・ソート・イット・ワズ』ジャスティン・ティンバーレイク
5位『スティック・シーズン』ノア・カーン
6位『SOS』シザ
7位『ラヴァー』テイラー・スウィフト
8位『ザックブライアンザックブライアン
9位『1989(テイラーズ・ヴァージョン)』テイラー・スウィフト
10位『Vultures 1』カニエ・ウェスト&タイ・ダラー・サイン

【米ビルボード・アルバム・チャート】アリアナ・グランデ『エターナル・サンシャイン』2週連続首位、ケイシー・マスグレイヴス初登場2位