昨年8月に乳がんを公表したバブルガムブラザーズブラザー・コーンが3月24日、都内で復帰ライブを実施。“リニューアル”した元気な姿を見せた。

本来のソウルミュージックをベースにしたダンサブルな内容ではなく、現在も抗がん剤治療を継続中であることを考慮した動きの少ないアンプラグドアコースティック)ライブ。自身のカラオケ愛唱歌を織り交ぜた“アナザー・コーン”というコンセプトで、過去にも好評だったライブ形式だ。

開演前の取材では、抗がん剤治療前にスキンヘッドにしたところ、事情を知らない友人や孫からイジられたこと、同じ病の女性からのアドバイスや励ましに強く支えられたこと、復帰ライブを考えたのは昨年末だったことなど、変わらずのブラザー・コーン節を交えて明るく報道陣の質問に応じた。

ライブでは、オープニングで小柳ルミ子のヒット曲「お久しぶりね」を熱唱、最初の一言「ただいまー!」に観客から「おかえりー!」のレスポンス。ソロナンバーに加え「恋の予感」(安全地帯)、「あの頃のまま」(ブレッド&バター)などの名曲カバーも。復帰というワードを忘れてしまうほど、ヴォーカルが力強く、さらに深みを増している。

後半は「ソウルマン」(サム&デイヴ)でソウルシンガーとしての真骨頂を発揮。バブルガムブラザーズの「心残りのアヴェニュー」「Beautiful People」「Harlem125」ではアーティストとしての歴史を刻んだ曲に魂を込め、さらに「望郷じょんから」(細川たかし)をソウルフレーバーで歌い上げた。

アンコールではミリオンセラー「WON'T BE LONG」を飛び入りゲスト(RIKACO、つちやかおり、四方義朗、めるも)と共に華やかにパフォーマンス。ラストは「幸福の黄色いリボン」(トニー・オーランド&ドーン)で締めた。

ライブ中には鈴木雅之木梨憲武ブラザー・トムからのサプライズ・メッセージも。休憩を挟んで全16曲、幅広い選曲と絶妙なMCによる約2時間のステージを見事に完走し、まさに“完全復帰ライブ”に会場は笑顔と感涙に包まれた。