歌舞伎俳優の尾上松也(39歳)が3月25日、都内で行われたシネマ歌舞伎刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」完成披露上映会の舞台挨拶に登壇。企画から携わり、演出にも初挑戦した同作について、“歌舞伎化”したきっかけを語った。

歌舞伎の舞台を撮影し、映画館で楽しむシネマ歌舞伎の最新作「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」。この日は本作の完成を記念して、刀剣男士を演じた俳優6名、尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉、上村吉太朗、河合雪之丞がそろって完成披露上映会の舞台挨拶に登壇した。

尾上松也は、「刀剣乱舞」を“歌舞伎化”したきっかけについて「ストーリーやキャラクターに歌舞伎との親和性を感じたこと、様々なメディアミックスオリジナルストーリーを展開している点にも惹かれた。この2点があって、新作歌舞伎を作ることになったとき、刀剣乱舞が頭に思い浮かびました」とコメント。

また、登壇者が順番に、刀剣男士の役作りについて話し。尾上松也三日月宗近について「刀剣乱舞を代表する看板のキャラクター。他のメディアミックスにも登場しているなかで歌舞伎ではどうなるかをどのように見せるか」を重視したという。

尾上右近(小狐丸役)は「ムードメーカーなところがある役」とした上で、役が決まる前に小狐丸所縁の稲荷神社にお参りし不思議な空気に包まれた体験を明かし、「小狐丸に選ばれし者です!」と会場を沸かせて役との親和性をアピール。

中村鷹之資(同田貫正国役)は「実直で無骨な役どころは自分と通じるところがある。お稽古で少しずつなじませていきました」と語り、中村莟玉(髭切役)は「髭切役に決まった時、物忘れが多くて細かいことを気にしないので、ぴったりの役です!とプロデューサーに言われ、そう思われていたのかと…」と笑いを誘いつつ、「作り込みすぎずに、自
分に合ったお役だと思って役をつかむようにしました」と明かした。

上村吉太朗(膝丸役)は「松也さんのアドバイスを受けながら、歌舞伎オリジナルの膝丸をお届けしたい気持ちでつとめました」とコメント。河合雪之丞(小烏丸役)は「たおやかで女方がつとめるのがふさわしい役どころ、是非と仰ってくださったのでありがたくお引き受けしました」と、役を任されたときのエピソードとともに語った。

そして、シネマ歌舞伎ならではの見どころについて、尾上松也は「客席からだと見えないくらい細かいところまでこだわって作り上げたので、そのディティールや表情まで見ていただくのは、公演をご覧になった方にも新たな発見があると思います」と語り、生の公演とはまた違った魅力があることをアピールした。