会心の走りで入賞を果たした角田。次回の日本GPが楽しみだ(C)Getty Images

 F1第3戦オーストラリアGPの決勝が3月24日メルボルンアルバートパークサーキットで行われ、RBの角田裕毅が今季初入賞となる7位を獲得した。8位でフィニッシュしたが、アストンマーティンフェルナンド・アロンソが危険走行でペナルティーを受けて降着となったために順位が繰り上がった。

【画像】豪州GPで会心の7位入賞!決勝を走る角田裕毅

 一方、RBの兄弟チームのレッドブルレーシングは惨敗だった。エースのマックス・フェルスタッペンポールポジションからスタートしたものの、右後輪のブレーキトラブルで序盤でリタイア。チームメートのセルジオ・ペレスもフロアにダメージを抱えて苦戦し、5位。表彰台を逃したのは昨年のシンガポールGP以来だった。

 そのなかで角田は順調な走りを維持。予選も2戦連続で最終ラウンドにQ3に進出し、8番グリッドを獲得するなど、レッドブル陣営にとっては唯一の明るい材料となった。レッドブルでコンサルタントを務めるヘルムート・マルコ氏はドイツテレビ局の取材に「ユウキは金曜日の1周目から完璧に走ってた。決勝でも安定したいいタイムを出していた。われわれは彼を成熟したドライバーと認めたと思う」と絶賛した。

 開幕2戦はレース中の戦略で失敗し、トップ10入りはならず。仮にオーストラリアGPで入賞できなかった場合は大きく株を下げ、来季以降のシートが危うくなるところだった。7位は6点をもらえるため、1点しか得られない10位とは入賞の重みがやはり異なる。好査定を獲得することはできた。

 レッドブルは内紛の渦中にある。女性従業員への不適切行為の疑惑が持ち上がったレッドブルクリスチャン・ホーナー代表に対し、フェルスタッペンの父・ヨス氏が疑惑が不問に付されて以降も退任を求めており、不調に終われば、フェルスタッペンのチーム離脱も辞さない覚悟だという。選手契約を2028年まで締結しており、一筋縄ではいかないが、どうにも足並みは揃っていない。

 チームメートのペレスは34歳とベテランの域の達しており、若手へスイッチする時期にある。そのため、角田のレッドブル移籍の可能性がにわかに再燃。次の日本GP(4月7日決勝)で好成績を残せば、ストーブリーグが始まる5月以降に追い風が吹くことも十分にあり得る。

 角田はレース後に「日本のファンに希望を与えることができた。これまでホームグランプリでポイントを取ったことがない。でも、クルマは良さそうなので、今年は再びトライしようと思っている」とコメント。大いなる希望とともに自身4度目となる日本GPに臨むことになる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

角田裕毅の豪州GP7位は大きな追い風 日本GPで好成績を残せるか