AKB48柏木由紀3月16日、「柏木由紀卒業コンサート~17年間、歩いて来たこの道~supported by イモトのWiFi」を開催した。2006年、AKB48の3期生として合格してから、17年間に渡ってグループをけん引してきた。この日のセットリストや演出などを手掛けた柏木は、「私が見せたいものより、ファンの方が見たいものや求めてるもの。今日のコンサートを見たときに、AKB48に在籍した17年間の柏木由紀がしっかり伝わるようにしたい」と思いを込めて臨んだ。

 1曲目に選んだのは、故郷・鹿児島への思いやAKB48での歩みなどが歌詞に書かれたバラード「火山灰」。しっとり幕を開けたその後は、「ポニーテールシュシュ」や「大声ダイヤモンド」など、AKB48のライブ鉄板曲などを披露すると会場のボルテージが一気に高まる。また、NMB48の「イビザガール」やNGT48の「Maxとき315号」など、彼女がAKB48と兼任してきたグループの楽曲も披露。ほかにも、柏木由紀倉持明日香高城亜樹のユニット「フレンチ・キス」が約9年ぶりに集結。「If」「カッコ悪い、I love you!」をパフォーマンスした。

 AKB48を支えてきたグループ最年長の晴れの舞台に豪華なOGメンバーも続々と登場。なかでも、歓声がひと際大きくなったのは高橋みなみが登場した「RIVER」だ。‘09年に発売された同曲は、グループ初となるオリコン週間1位を獲得。AKB48の知名度アップにも繋がった。高橋の隣りに立ってパフォーマンスした柏木は、「当時の私は端っこでたかみなさんの背中を追いかけることに必死でした。そんな自分が17年経って、たかみなさんから(卒業コンサートで)歌おうと言ってもらって、二人で先頭に立ってRIVERが歌えたということが本当に感慨深いです」と噛みしめる。本編のラストは、初単独センターを務める最新曲「カラコンウインク」を披露した。

◆今のAKB48が最強で最高

 アンコールではピンクのドレスで登場した柏木。「私は中学3年生のときにAKB48のオーディションに合格して、アイドルになるという夢を叶えた日から今日までの17年間、毎日が本当に夢のようで幸せな日々でした。今こうしてたくさんのファンの皆さんの前で卒業コンサートをすることができて、夢じゃなかったんだなって実感しています」と、観客を見渡しながら感謝を伝えた。続けて、「その17年間で本当にいろいろなAKB48を見てきて、活動してきましたが、どの時代もそのときのAKB48が一番だと思ってやってきたし、今のAKB48が最強で最高だと心の底から思っています。それでもグループに歴史がある分、心ないことを言う人がいるかもしれません。そんなときはファンの皆さんがメンバーの味方でいてくれたら嬉しいなと思います。これからもどうかAKB48を温かく見守ってください」と呼び掛けると、会場からは惜しみない拍手が送られた。

 卒業ソング「最後の最後まで」では歌唱中に感極まって詰まる瞬間もあったが、現役・OGと一緒に「桜の花びらたち」「遠距離ポスター」をパフォーマンスするときには笑顔でファンの声援に最後まで応えた。

 コンサート後に行われた囲み会見で、柏木は「アイドルという職業は自分にとって天職」と語る。今後の活動についても、「私のことを応援してくれてるファンのみなさんの前ではアイドルを続けていきたいという思いはあるので、臨機応変に(笑)。10年、20年、30年経っても、『柏木由紀ってアイドルだよね』と言ってもらえるような活動はファンの方が応援してくださる限り続けていきたい」と生涯アイドル宣言で、報道陣を沸かせた。

取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧