氷川音響研究所は、同社が手がける商品の第一弾として、スピーカー周辺構造に関する特許技術を搭載したウェアラブスピーカー『fuiigo』(フイーゴ)を開発、クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」にてプロジェクトを公開し予約販売を開始した。予約販売(プロジェクト公開)期間は3月15日4月29日まで。

参考:【画像】ウェアラブルスピーカーから振動・揺れを発生させる仕組み

■『fuiigo』とは?

 氷川音響研究所が開発した『fuiigo(フイーゴ)』は、着ることで振動と揺れを“体感”できる「体感動」スピーカーだ。ベストを着たり、リュックを担ぐように着用して使用する。背中側はハーネスのみとなっている。

 同社によれば、『fuiigo』は室内での使用を前提としており、音質と臨場感と着心地に重きを置いた結果、Bluetooth機能搭載のオーディオアンプと有線で接続する方式を選択したとのこと。

■低音・振動・揺れを生み出す仕組み

 高い臨場感を実現するポイントは、低音・振動・揺れを生み出す仕組みと、音に包まれる感覚を生むスピーカーの配置にある。

 『fuiigo』本体の左右胸部から腹部にかけて密着する筒状の部分には低音用のスピーカーが内蔵されており、低音とともに振動と揺れを発生させる。ハーネスの取り回し方、左右の低音振動部の形状や材質の選定、これらを組み合わせることで、上半身の広い範囲にわたって、適切な大きさの振動と揺れを伝えている。

 揺れに関しては専用の蛇腹形状のパーツが伸縮し、その先端についた重りを動かすことにより発生する。なお、『fuiigo(フイーゴ)』の名前の由来は、このパーツが火おこしの道具である「鞴(ふいご)」の動きを連想させることからだ。

 左右の鎖骨付近には中高音を担当するL/Rチャンネルのスピーカーが上向きに配置される。低音の出口である丸い開口は、L/Rチャンネルスピーカーの直下にそれぞれ2個づつ、左右均等に配置されている。これらの配置が、ライブ会場などにいるかのような「音に包まれる感覚」を実現するとのこと。

■『fuiigo』開発の原点

 氷川音響研究所によれば、自宅で映画や音楽を鑑賞するとき、近隣や家族が気になり、音を十分に楽しめていないという課題に対して、これを解決したいという思いが開発の原点だったという。

 テレビの高精細化、大型化が進み、オーディオ機器もマルチチャンネルのシアターシステムやサウンドバー等、臨場感や高音質を追求したものが数多く出ている。しかし、多くの家庭が家族や近隣の住人への騒音問題を気にして、十分な音量で映画や音楽を鑑賞することができない状況もある。

 『fuiigo』は音楽の生演奏などを聴く場合、耳から聴くだけでなく、空気中や壁や床を伝わってくる音を、筋肉や骨を通して聴いたり感じたりしていることに着目して開発を開始、スピーカーを耳に近い位置に配置することで、周辺への音漏れを小さくしたのだという。

 それに加えて、大太鼓や打ち上げ花火など、重低音の音を聴くときに感じる振動や揺れのような感覚、それをうまく加えることができれば、これまでなかった体感型の新しい音響装置が実現できると考えたのだという。

■製品仕様
・同梱物一式
スピーカー本体
重量:約1080g(※スピーカー本体とそれに付随する約3mのケーブルを含む)
生産国:日本

オーディオアンプ
タイプ:Bluetooth2.1chアンプ
最大出力:6.25W×2+12.5W(fuiigoシステム)
入力:Bluetooth+RCA
本体サイズ(横×奥行×高さ):120mm×132mm×35mm
ACアダプター:出力36W(12V3A)/入力AC100~240V
本体色:黒

(文=リアルサウンド編集部)

プレスリリースより