26日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比12.53ポイント(0.08%)安の16461.11ポイントと3日続落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は9.77ポイント(0.17%)高の5764.42ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は505億3740万香港ドルに縮小している(25日の前場は619億7500万香港ドル)。
 様子見ムードが漂う流れ。香港上場企業の決算報告が佳境に入る中、業績動向を見極めたいとするスタンスが強まった。米中対立の激化も懸念されている。米英両政府は25日、両国の議員らにサイバー攻撃を仕掛けたとして、中国国家安全部の関連企業に制裁を科すと発表した。米中はこのところ、半導体分野などで制裁の応酬を続けている。もっとも、下値は限定的。中国の経済対策が強化されるとの期待が根強い中、ハンセン指数もプラス圏で推移する場面みみられた。中国メディアは25日、当局が近く、新たな不動産テコ入れ策を発表する見込み――などと報じている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が4.6%安、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が3.8%安、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が3.6%安と下げが目立った。
 セクター別では、部材・組立のスマートフォン関連が安い。舜宇光学科技(2382/HK)が3.3%、高偉電子(1415/HK)が2.1%、丘タイ科技(1478/HK)が2.0%、比亜迪電子(285/HK)が5.1%ずつ下落した。
 非鉄セクターもさえない。五鉱資源(1208/HK)が3.9%安、江西銅業(358/HK)が3.6%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.4%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.2%安で引けた。
 他の個別株動向では、有料道路運営の浙江滬杭甬高速公路(576/HK)が16.3%安。同社が発表した通期決算は1%増益にとどまり、配当の減額が予定された。
 半面、中国の不動産セクターはしっかり。世茂集団HD(813/HK)が3.2%高、龍湖集団HD(960/HK)が3.0%高、華潤置地(1109/HK)が1.4%高で前場取引を終えた。華潤置地については、増益決算と増配を発表したことも好感されている。
 そのほか、決算動向を手がかりにした物色では、本土中堅行の招商銀行(3968/HK)が4.5%高。通期決算の増益に加え、配当の増額も予定している。
 一方、本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%安の3014.90ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。エネルギー株、医薬株、自動車株、素材株、インフラ関連株、運輸株なども売られた。半面、銀行株は高い。酒造・飲料株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)