恋愛の悩みは大人になっても尽きないものだが、“女性との性体験が一切ない男性”だけを集めたアイドルグループ「SDT48」をご存知だろうか。彼らは過去さまざまな失敗を重ねてきたに違いない……。そんなワケで、メンバーそれぞれに“恋愛失敗談”を聞いてみた。

 女性との性体験が一切ないことを条件に、表舞台で活躍したい日本一のイケメンを決めるという大会で1位に輝いたモーリーさんは「ぶっちゃけ失敗なんてないんですよね。なんかすいません」と話す。

 インタビューのテーマは恋愛失敗談なのだが、それがないとは……。しょっぱなから一抹の不安を感じつつも今までの恋愛を聞いてみた。

◆「恋愛には興味がなかった」

「初恋は幼稚園のとき。同じクラスの子にバレンタインチョコをもらって『あ、好きかも』って。初々しいですよね」

 その後、中高時代はサッカーを真面目に続けていたそうで「恋愛には興味がなかった」。一方、まわりの友人たちは恋愛や性的なことに興味津々。

「あんまり頭が良い高校じゃなかったから、本当に同級生は盛(さか)ってました。高校でほとんどの男友達が女性との性体験を済ませた印象です」

 モーリーさんは友人から「なんでお前はイケメンなのに彼女がいないんだよ!」「すぐ捨てられるだろ!」と、からかわれ続けていたという。

「僕、めっちゃナルシストなんで。本気を出せばいつでも彼女ができるし、急ぐ必要はないと思って気にしてなかったんです。でも、あまりにもいじられるから『ちょっとマジでやばいのかも』って」

 そこで好みのタイプの子に声をかけてLINEを交換。まずはデートから始めてみたそうだ。その子とは3回ほどデートを重ねたというが、結果的に付き合うことはなかった。フラれてしまったんだろうか?

◆デートを重ねてもお決まりの流れが待っているだけ…

「いやいや、違います! 何回もデートを重ねることでわかってしまったんですよ。『この次デートして告白したら付き合えるんだろうな』って、先が見えてしまった。だから、つまらないなあって。僕くらいだったら、彼女なんてつくろうと思えばいつでもつくれるってことが、デートを実践したことで立証されてしまったんです(笑)」

 また、彼女と一緒にいて楽しいという感情もあったが、むしろ「疲れる」という気持ちのほうが大きかった。

「デートするからには、彼女が好きそうな店や場所に連れていきました。もちろん、喜んでくれるんだけど、それに対してそこまで達成感を感じられず、“毎回は面倒くさい”というのが本音でした。このまま付き合ってデートを重ねても、何回かキスをして、親交を深めたらホテルに行くという流れがあるだけ。それなら『別になくてもいいや』と思いました」

◆失敗した理由は「自分が好きすぎた」

 一方、その彼女は告白されるのを待っていたようで「実験台に使ってしまったといいますか、思わせぶりなことをしてしまって申し訳なかったです」と、当時を振り返り反省している様子のモーリーさん。

「そもそもまわりにしつこくいわれて焦っただけだし、性欲もそんなにないんです。いつでも自己処理できる環境にありますし。って、これは結構あるあるです(笑)」

 この失敗(?)を経て、前述のように「俺はいつでも彼女ができるから急ぐ必要はない」と確信したんだとか。

「本当に僕はナルシスト。本気で自分をイケメンだと思っているので、いつでも彼女ができるどころか、自分さえ望めばどうにだってなれる。だから急ぐ必要はないなって。

 まあ、失敗とも思ってないけど、失敗した理由を強いてあげるなら、自分が好きすぎたことかな。自分以上に大切に思える人を見つけられなかった」

 在籍しているSDT48には“女性との性体験を済ませたらグループを卒業する”という決まりがある。今のところ、30歳までは貫く予定だ。

都市伝説で“30歳まで貫くと魔法が使える”ってあるじゃないですか。とりあえずそれが真実なのかどうかを確かめたいです。それからでも遅くない。だって、僕は未経験のなかで日本一のイケメンですから!」

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/藤井厚年>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。X(旧Twitter):@sally_y0720

―[“まっさら系”アイドルの恋愛失敗談]―