B2B SaaSをはじめとしたスタートアップへ出資するOne Capital株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:浅田慎二)は、国内SaaS市場の動向や2024年における予測をまとめた「Japan SaaS Insights 2024」を公開しました。

「Japan SaaS Insights」はOne Capitalが国内SaaS市場の民主化を目指し、年に1回発刊するレポートです。以下の内容をまとめています。

  • 2023年におけるSaaS市場の予測 答え合わせ

  • 日本のSaaS市場動向

  • SaaSスタートアップの資金調達/Exit動向

  • SaaS上場企業のマーケット動向

  • 2024年におけるSaaS市場 5つの予測

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2023年の予測におけるSaaS市場の予測 答え合わせ


前回のレポートではSaaS市場における3つの予測を立てており、概ね当たっていたと感じています。

Horizontal SaaSでは、Sales、Development、Analytics、Security、Automarion分野が急成長すると予測していました。SalesやAI/Automationはプロダクト数や評価額の増加が見られたものの、他の領域では急成長が確認できませんでした。

2つ目の予測として、Vertical SaaSでMedicalやLogistics分野が成長するとしていました。いずれも他領域より前年比でリスクマネーの流入が見られたことから、予測は正しかったと考えています。

最後に、生成AI領域において多くのSaaS企業が誕生すると予測していました。LLMモデルの活用を前提とした「AI-Native」がSupport、Marketing、General Chatなどの領域で多数誕生しました。加えて、既存のSaaS企業がGPTをはじめとするAIを搭載した「Embedded A業」も多く見られ、このトレンドは今後も継続すると予測しています。

日本のSaaS市場動向


富士キメラ総研によると、日本のSaaS市場は2023年に1.4兆円になった見込みです。2020年から上方修正が繰り返されており、SaaS市場の成長の勢いに翳りは見えません。2027年には2兆円を超えると予想されており、2023年からのCAGRは11%と見込まれています。

カテゴリ別に成長率を見てみると、ERPや会計ソフト、人事・給与管理ツールをはじめとした「業務システム」のCAGR(2022-2027)は15.5%と非常に高い成長率を見込んでいます。インボイス制度をはじめとした法改正や人的資本経営への移行が後押ししていると考えられます。

RPAやOCR、ローコード/ノーコードをはじめとした「プラットフォーム/インフラ」分野のCAGRも13.4%と高い水準が見込まれており、今後はAIの普及によって更に成長が加速するかもしれません。

SaaSスタートアップの資金調達 / Exit動向


2023年におけるSaaSスタートアップの資金調額は、前年比で4割減となりました。22年が好調だったことの反動に加え、市況の影響が顕在化したことでミドル・レイターステージの大型調達が減少したことが大きな要因だと考えられます。全体の調達額に占めるSaaSの比率も2020年と同水準まで低下しています。

市場の牽引役だったミドル・レイター企業の不在により、1社あたり調達額(平均値)は5.8億円と前年(6.1億円)よりも減少しました。一方で中央値は2億円と前年(1.6億円)よりも増加していることから、市場は着実に成長していることがわかります。

SaaSスタートアップの資金調達ランキングを見ると、メガラウンドを実施したのは、ジョーシス(135億円)、キャディ(118億円)、LayerX(102億円)の3社のみとなりました。キャディやhacomono、STORESなどバーティカルの資金調達も引き続き存在感を放っています。

SaaS上場企業のマーケット動向


米国市場が復調したこともあり、2023年の主要株式指数は全体的に上昇しました。クラウドインデックスは前年比20%上昇し、リスクマネーが徐々に回帰しつつあると考えられます。一方、グロース指数は前年比で横ばいであることから、銘柄の選別が進んでいることがわかります。

売上マルチプル(企業価値/直近四半期売上高*4)は4.5x(23年末時点)と底打ちしたと考えられるものの、横ばいの状態が続いています。米政策金利が高止まりしていることに加え、日本でもマイナス金利解除が実施されたことが影響している可能性があり、平均回帰するまでにはまだ時間を要すると考えられます。

2024年におけるSaaS市場 5つの予測


ソフトウェア市場はオンプレから始まり、2010年代からクラウドベースのものが主流となりました。そして、2023年からはLLMモデルをはじめとしたAIを搭載した「AI-Powered企業」が飛躍すると考えています。

ChatGPTやJasperなど、生成AI技術を核としたアプリケーションである「AI-Native企業」と既存のSaaS企業がLLMモデルを実装する「Embedded AI企業」に分けるとするならば、大半の企業は後者に分類されるでしょう。そして既存のSaaSベンダーは、変化の激しいこの現代を生き残るために、Embedded AI企業になる必要があります。


生成AIをSaaSへインストールすることで、顧客体験の向上を見込むことができます。顧客の行動分析やトレンド予測による意思決定のサポート、チャットボットやバーチャルアシスタントを活用することで、より良いサポートの実施や工数を削減することにも寄与します。

その結果、顧客体験が高まることでARPUが上昇し、Churnを抑止することができ、ARRの最大化につながる可能性があります。そのため、あらゆるSaaS企業はAIを搭載できる余地がないか検討する必要が出てくるでしょう。

フルレポートでは、上記の他4つの予測についても解説しています。

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会社概要

  • 会社名:One Capital株式会社

  • 代表者:代表取締役CEO 浅田慎二

  • 設立年月:2020年4月

  • 事業内容:SaaSに特化したVCファンドの運用、出資者のDX支援、プロダクト開発

  • ウェブサイト:https://onecapital.jp/

  • お問い合わせ:https://onecapital.jp/contact

配信元企業:One Capital株式会社

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