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ZEROBASEONEのファンコンサート「2024 ZEROBASEONE FAN-CON IN JAPAN」が3月23、24日に神奈川Kアリーナ横浜にて開催された。

【ライブ写真】うれしそうに何度もけん玉を披露するリッキー(他20枚)

ZEROBASEONEがやってきた

3月20日に日本1stシングル「ゆらゆら -運命の花-」で日本デビューを果たしたZEROBASEONE。デビューに際して行われた今回のライブはグループ初の日本単独公演で、2日間で計3公演開催された。本稿では、初日である23日公演の模様をレポートする。

オープニングでは半透明の紗幕に草花を表現した映像が投影され、リーダーのソン・ハンビンを筆頭にメンバー3人が先んじて登場。音楽に合わせてステージ上で華麗に舞い踊る。しばらくすると残りのメンバーが、ステージ背後のせり上がりからゆっくりと姿を現してパフォーマンスに合流。幻想的なムードが漂うステージで、9人はデビュー曲「In Bloom(Japanese ver.)」を披露しライブの火蓋を切って落とした。この曲が花をモチーフとした楽曲ということもあってか、場内のライティングは春らしいピンク一色に。しかし、続く「Take My Hand」ではブルーのライティングに切り替わり、会場のムードがガラッと一変。「In Bloom」では"王道アイドル”を体現してみせたZEROBASEONEだが、「Take My Hand」では個々のダンススキルが際立つパフォーマンスで色気のあるステージを展開した。「CRUSH(Japanese ver.)」では、曲が進むにつれてメンバーのパフォーマンスの気迫が増していき、これに呼応するようにZEROSE(ZEROBASEONEファンの呼称)によるコールの激しさも勢いづいていた。

早春のような温かい時間を

オープニングの挨拶ではキム・ギュビンが開口一番に「日本のZEROSEに会えて幸せです!」と晴れやかな笑顔を見せ、キム・テレは「最後の瞬間まで幸せな時間をお届けします」とくしゃっと笑う。最年少のハン・ユジンは「早春のような温かい時間をお届けします」と粋なコメントをし、これから展開されるライブへの期待感を高めた。なおハン・ユジンは3月20日17歳の誕生日を迎えたばかりで、MC中にはメンバーとZEROSEが彼の誕生日を祝福するひと幕もあった。

「ゆらゆら -運命の花-」のプロモーションのため数日前から来日しているZEROBASEONE。MCの古家正亨から日本を訪れた感想を聞かれると、キム・テレは日本に来てからZEROBASEONEが愛されていることをさらに実感できると感慨深げに話す。また日本食の話題になり、メンバーに向けて「すき焼き食べた?」と質問が投げかけられると、リッキーは「Yesterday」と咄嗟に英語で返答し会場の笑いを引き出した。

お茶目さ全開「ヨクシリッキー」

中盤では、メインステージとセンターステージをつなぐ花道にマスが刻まれた巨大なカーペットを敷き、ステージをすごろくに見立てたゲームコーナーが行われた。各チームはモニタに投影された数々のお題の中から1つを選択し、それぞれ順番にミッションに挑戦。お題に成功したチームはすごろくのミッションの難易度に応じてマスを進められ、最初にゴールしたチームが勝利する、というルールのもと行われた。

チーム分けはくじ引きで行われ、キム・テレ、キム・ギュビン、ハン・ユジンは「ジェンドリ」、ソン・ハンビン、キム・ジウンジャンハオは「もちもち団子」、ソク・マシューリッキー、パク・ゴヌクは「赤マシュー」と名付けたチームをそれぞれ結成。「K-POPジェスチャーゲーム」に挑戦したジェンドリチームは、キム・テレとハン・ユジンがStray Kids「Back Door」、テミン(SHINee)「Guilty」、BLACKPINK「Kill This Love」といった人気曲のポイントダンスを完璧に踊り、キム・ギュビンが次から次へと正解を叩き出す華麗なチームプレーを見せた。

もちもち団子チームは、制限時間内に長い箸で小さなグミを運搬する「Jelly Pop」ゲームに挑戦し無事にクリア。3人が成功を喜んでいると、敵チームであるリッキーがどさくさに紛れて余ったグミを盗み食いしていると古家から密告が。会場からどっと笑いが起こるも、リッキーは気にも留めない様子でグミを食べる手を止めずさらなる笑いを誘う。その後リッキーは、60秒という制限時間内にけん玉を成功させることを課されたミッションを開始1秒でクリア。彼の意外な才能にメンバー含め会場が唖然とする中、リッキーは得意げに何度も連続で玉を皿に乗せてみせるお茶目な一面を覗かせる。リッキーけん玉での活躍が決め手となり、赤マシューチームはゲームに勝利。優勝した感想を尋ねられた際、ソク・マシューとパク・ゴヌクが喜びのコメントを述べる中、リッキーはコメントに代えてQUEENWe Are The Champions」をおもむろに歌い出し、再びオーディエンスを笑わせた。古家は何度も会場を沸かせるリッキーの姿に心底感心した様子で、ゲームコーナーの最後には「역시(さすが)リッキーということで……」と彼を称える形でゲームコーナーを締めくくった。

「I LOVE...」歌った理由

公演の後半戦では、ZEROBASEONEはライブパートを再開。昨年11月リリースの2ndミニアルバムのタイトルを冠した「MELTING POINT」では、メンバーはステージから降り客席エリアへ。会場のあちこちを練り歩き、ファンとアイコンタクトを取りながらこの曲を歌唱し場内を幸せなムードで包み込む。続くポップなロックナンバー「Kidz Zone」では、円形のセンターステージのふちに沿うように9本のマイクスタンドが用意され、メンバーそれぞれがスタンドの前へ移動しスタンバイ。曲中、キム・ジウンは「ZEROSE、一緒に歌えますか?」とシンガロングを促し、会場の一体感を醸成してボルテージを急速に高めていく。曲が終わるとステージはしばしブラックアウト。暗闇の中、ZEROSEがメンバーに向けたラブコールを送り続けていると会場は再びパッと明るくなり、Official髭男dism「I LOVE...」のイントロが流れ出す。横一列で肩を並べて再登場した9人は、恋い焦がれるような熱っぽい歌声でこの曲を歌い上げた。

ソン・ハンビンは、カバーステージを披露するにあたり「I LOVE...」を選曲した理由について「歌詞が、”ZEROSEに出会ったZEROBASEONE”の気持ちを表現しているようだったから」と説明。これに続くように、メンバーはZEROSEへの感謝の言葉を口々に述べていき、次に披露する曲で本編が終了することを明かす。本編最後の楽曲は、日本デビュー曲「ゆらゆら -運命の花-」。楽曲のクライマックスでは蝶々を模った無数の紙吹雪が上空から降り注ぎ、春の訪れを感じさせる祝祭感に満ちたパフォーマンスで本編はフィナーレを迎えた。

ZEROBASEONEコールは「ゆらゆら」大合唱に

ライブ本編が終了してメンバーがステージから姿を消すと、ZEROSEはすぐさま「ZEROBASEONE!」 とシャウトしコールを開始する。会場中が声をそろえる熱狂的な「ZEROBASEONE」コールは、やがて「ゆらゆら -運命の花-」の大合唱に変化。最終的に、ZEROSEが曲の最初のサビから楽曲のラストまでを歌い上げる展開に。熱烈なラブコールによって壇上に呼び戻された9人は、グループを生んだオーディション番組「BOYS PLANET」の楽曲「Here I Am」「Jelly Pop」でアンコールステージに突入した。

最後の挨拶の際、ソン・ハンビンやリッキーらはアンコール前の「ゆらゆら -運命の花-」の大合唱に感激したと口々に語る。ライブ中「僕たちをもっと幸せにしてください」とファンに呼びかけていたキム・ジウンは「今日はZEROSEの皆さんにつかまれました!」とジェスチャーを交えながら愛嬌たっぷりに公演の感想を述べ、ジャン・ハオは「今日は本当にありがとうございました。僕たち、本当にがんばって準備したので……。今日楽しかったですか? また会いましょう!大好き!」と愛を叫んだ。ソク・マシューは「ずっと思い出に残るファンコンサートをともにしてくれてありがとうございました。I LOVE YOU!」と日本語、韓国語、英語を交えながらファンへの愛を表現。流暢な日本語で積極的にトークに参加していたパク・ゴヌクは「皆さん、幸せですか?」と観客に問いかけ、ZEROSEが割れんばかりの歓声でこれに応えると、「よかった」と満足げに微笑みメンバーとうれしそうに顔を見合わせた。

最後にソン・ハンビンは「また違う季節にお会いできるように、別れの挨拶をさせていただきます」と客席を見渡し、団体挨拶の号令をかける。9人は「D1, Be the ONE! We are ZEROBASEONE」と声を合わせてコメントを締めくくり、「Our Season」でライブの幕を閉じた。

「2024 ZEROBASEONE FAN-CON IN JAPAN」の様子。(撮影:上山陽介)(c)WAKEONE / LAPONE Entertainment