水原氏は大谷を献身的にサポートしたことで知られる(C)Getty Images

 ドジャース大谷翔平の元専属通訳による違法賭博問題は大谷自身の会見によって、一つの局面を迎えた。

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 先週発覚した水原一平元通訳による巨額の違法賭博問題に関して大谷は3月25日(日本時間26日)に本拠地ドジャー・スタジアムで会見を行い、「自身が違法賭博に関与していた事実はない」「水原通訳が周囲に嘘をついていた」「水原通訳が僕の口座からお金を盗んでいた」として、中でも「ウソ」という単語を6度使うほど、自身が騙されていたとして潔白を訴えた。

 すでに大谷翔平名義の口座から6億円超のお金が違法賭博の胴元にわたっていることが明らかになっている。複数年にわたって「50万ドル」ほどの多額のお金が複数回動かされていたとあって、大谷自身のお金の管理がどうなっていたのか。どのように水原氏が不正に口座にアクセスできたのかという点も焦点となっている。
  
 現在は所在が不明になっている水原氏の新たな供述が待たれることだが、この日行われた会見では大谷の水原氏への「決別発言」も話題を呼んだ。

 長年にわたってサポートを行ってきた水原氏の裏切り行為に対し「信頼していた方の過ち」と表現。「ショックという言葉が正しいとは思わない」など、大きな悲しみを表した。

 一方、日本ハム時代の通訳から縁をつなぎ、ここまで家族より長い時間を過ごし、献身的に大谷を支えてきた水原氏に関して26日朝に放送された「モーニングショー」(テレビ朝日系列)に出演した野球評論家の白井一幸氏は大谷と水原氏の関係性について「家族、兄弟のような関係だった」と言及している。日本ハムWBCでもコーチを務めた同氏は「侍ジャパンの間でも水原さんへの信頼度は相当高かった」と残念そうに話す場面もあった。

 信頼が置けるパートナーから巨額資金を抜き取る「嘘つき」への変化、違法賭博の胴元との関わりは大谷がエンゼルスMVPを獲得した21年秋ごろから始まったとされる。

 また水原氏は19日(現地時間)、スポーツ専門局の『ESPN』で受けたインタビューの中で借金がだんだんと膨らんでいく様子を明かすとともに友人や家族からお金を借りていたとした。「生活費を稼ぐのが大変だった」「彼のライフスタイルについていかなければならなかったから」と日々の生活にストレスを抱えていた様子を言及している。

 90分にわたって行われたインタビュー内容は大谷自身の了解がなく話したものとして後に撤回されたが、生活にまつわることは少なくとも”本音”だったのではないだろうか。

 大谷といえば、ドジャース移籍に際して、10年総額1000億円超のビッグ契約、また背番号を譲ってもらった同僚の妻に高級車のポルシェをプレゼントする太っ腹ぶりも注目を集めた。

 スプリングキャンプ時には種類の違うポルシェで日替わり通勤するなど、豪胆さも興味をひいたが、一方で巨額資金を失い、追い詰められていた相棒は生活を共にしながらどんなことを考えていたのか。

 今後は司法当局の取り調べ、またMLB側も調査を進めるとされる中、水原氏の新たな供述も待たれるところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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