26日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比144.68ポイント(0.88%)高の16618.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が70.77ポイント(1.23%)高の5825.42ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1086億5250万香港ドルとなっている(25日は1127億860万香港ドル)。
 投資家心理がやや上向く流れ。当局が人民元安を容認したとの懸念が後退したほか、中国の経済対策が強化されるとの期待も続いている。中国人民銀行(中央銀行)は26日、人民元レートの対米ドル基準値を2日続けて元高方向に設定した。市場関係者からは、中銀が人民元相場を支える姿勢を示したとの声も聞かれている。また、中国メディアは25日、当局が近く、新たな不動産テコ入れ策を発表する見込み――などと報じている。好業績銘柄の物色もプラス。香港上場企業の決算報告が佳境に入る中、増益や配当増額を予定する企業などに改めて注目が集まった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、本土中堅行の招商銀行(3968/HK)が4.3%高、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(700/HK)と中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)がそろって3.7%高と上げが目立った。招商銀に関しては、業績動向が手がかり。増益決算に加え、配当の増額も予定した。
 セクター別では、中国の銀行が高い。上記した招商銀のほか、交通銀行(3328/HK)が2.1%、中国建設銀行(939/HK)が1.7%、中国農業銀行(1288/HK)が1.5%ずつ上昇した。
 中国の不動産セクターも物色される。世茂集団HD(813/HK)が3.2%高、龍湖集団HD(960/HK)が3.0%高、華潤置地(1109/HK)が2.3%高で取引を終えた。上述したように、政策支援の動きが期待されている。華潤置地については、増益決算と増配を発表したことも好感された。
 自動車セクターもしっかり。浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.7%高、吉利汽車(175/HK)が3.5%高、比亜迪(1211/HK)と理想汽車(2015/HK)がそろって2.4%高で引けた。
 半面、通信設備・工事の銘柄群は安い。長飛光繊光纜(6869/HK)が3.9%、京信通信系統HD(2342/HK)が3.6%、中国通信服務(552/HK)が2.8%、中興通訊(763/HK)が1.4%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、有料道路運営の浙江滬杭甬高速公路(576/HK)が15.6%安。同社が発表した通期決算は1%増益にとどまり、配当の減額が予定された。
 一方、本土マーケットは4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17%高の3031.48ポイントで取引を終了した。金融株が高い。不動産株、公益株、消費関連株、素材株、インフラ建設株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。医薬株、エネルギー株、運輸株、軍事関連株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)