チョンウ主演の韓国ドラマ「奇跡の兄弟」が映像配信サービス「Lemino」にて独占配信中。第1話のラストでは、ドンジュ(チョンウ)が車で轢いた少年(ぺ・ヒョンソン)の意識が戻り、その少年が不思議な力を持っていることが明かされ幕を閉じた。本記事では、謎が深まる「奇跡の兄弟」第2話を考察と共に振り返る(以下、ネタバレを含みます)。

【写真】大ヒットした盗作小説が27年前の事件とリンクするヒューマンミステリ「奇跡の兄弟」

■少年の“不思議な能力”を受け入れるドンジュ

同ドラマは、借金まみれの作家志望のドンジュが、車で轢いてしまった少年・カンサン(ぺ・ヒョンソン)が持っていた小説の原稿を盗み、自分が書いたかのように出版したことから、その小説と同様の事件に見舞われるヒューマンミステリー。

ドンジュの車に轢かれたあと意識を取り戻した少年が、「僕のカバンはどこ?」とドンジュに詰め寄るところからスタートする第2話。カバンに入っていた原稿を盗作し、自身の小説として出版したことがバレるのではないかと焦るドンジュだが、中に何が入っていたのかは思い出せないという少年の言葉に安堵する。

しかし、少年と話をしている最中に病院関係者から声をかけられたことで、ドンジュが作家であることが少年に知られてしまう。動揺したドンジュは「引っ越したばかりでカバンは家の中のどこかにあるから探しておく」とその場をやり過ごすのだった。

同じ頃、とある受刑者が病院に運ばれてくる。その顔を見た少年の主治医イ・スヨン(イ・ジヒョン)は激しく動揺。直後には、少年までもが吐き気に襲われ、パニックに。

不思議な行動が絶えない少年に、ドンジュは「お前は一体何者なんだ?」と問い詰める。そして、返ってきた返事は「苦しむ人の声が聞こえる」という信じがたいものだった。

最初は少年の告白をまともに聞かないドンジュだったが、少年が亡くなった老女の死期を知っていたことを思い出し、「君は切実な悩みや大きな苦痛がある人とはテレパシーが通じるんだ」と断言。少年は自分の発言を受け入れてくれたドンジュを驚いた顔で見つめるのだった。

■ドンジュに迫り来る殺人犯

自宅に戻ったドンジュは、少年から尋ねられたカバンを探すが、なぜか見当たらない。実は第1話に登場した殺人犯がドンジュの家に侵入し、少年のカバンを持ち去っていたのだ。

さらに、ドンジュが机の上を見ると、「神は死んだ」の原稿の表紙に「どっちだ? 光が影 カイ」という言葉が書き足されていた。なぜ殺人犯が家に侵入してきたのか、少年のカバンを狙った殺人犯と少年の関係性はなんなのか、犯人が残したメッセージの意味も考えずにはいられない。

一方、警察署では殺人事件と、2年前に起きた迷宮入り事件に類似点が多いことから、同一犯の犯行である可能性が高いことを女性刑事のパク・ヒョンス(パク・ユリム)が突き止める。大きな共通点の1つに、2年前の被害者が持っていた写真に写っていた複数の人物と、新たな被害者シン・ギョンチョル(ソン・ジェリョン)が最後に会った人物が一緒であることが判明したのだ。

■犯人からの指示「世に出してはならない小説だ。結末を変えろ」

先ほど運ばれてきた受刑者を思いつめた表情で見つめるイ・スヨン。「苦しむ人の声が聞こえる」少年の瞳には、過去に主治医であるイ・スヨンの夫を受刑者が殺害した時の様子が映像として映る。

そして受刑者に恨みを持つスヨンの心情を察知。受刑者を殺害しようとしていたイ・スヨンを、少年が自らの力を活用し、犯行を防ぐことに成功した。

そんな少年の感動的なシーンの裏でドンジュは、突然かかってきた犯人からの電話で「世に出してはならない小説だ。結末を変えろ」という妙な指示を受ける。犯人と小説「神は死んだ」には、一体どのようなストーリーが隠されているのか。小説の作者は少年ではなく、犯人だったのだろうか。類似の殺人事件発覚や“結末を変えろ”という犯人からの要望で、サスペンス要素も期待できそうな3話以降の展開も目が離せない。

◆文/奥村百恵

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