オドーアは開幕2軍が決定していた(C)産経新聞社

 開幕を3日後に控えた阿部巨人に衝撃が走った。

 巨人は3月26日、今季の新外国人選手、ルーグネッド・オドーア(前パドレス)が退団することを発表した。

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 オドーアはレンジャーズ時代の16年にキャリアハイの33本塁打をマーク、通算178発砲の長距離砲としてチームの中軸を任せられるかと期待を集めていた。

 しかしキャンプ中盤から合流した後も調子が上がらず、オープン戦は12試合に出場、34打数6安打の打率・176と打撃不振のままだった。
  
 球団は「オドーア選手に対し、3月29日の開幕戦のメンバーから外れるためファームで調整するよう提案したところ、本人から米国に戻りたいと退団の申し出があったため、球団としても本人の意向を尊重して受け入れました」と説明。退団の正式な手続きは後日行うとした。

 歴代、数多くの助っ人はいれど、開幕前に帰国を選択した助っ人はまれ。11年に来日した投手、ブライアン・バニスターは当時起きた東日本大震災直後の原発の影響を恐れて、開幕前に無断帰国したことがあった。このときは4月初旬に制限選手となり、1試合も登板しないまま、任意引退選手扱いとなった。また、かつて堀内政権下で2005年に来日したリリーバー、ダン・ミセリは開幕直後の起用法に不満を示し、2軍降格に不満を示したことで4月19日に解雇となった出来事があった。解雇当日には本拠地東京ドームに姿を見せず、浅草観光に出かけたことも大きな話題を呼んだ。

 オドーアはメジャー時代は「狂犬」とも呼ばれ、荒っぽい気質とも見られていたが、来日後は日本野球に順応しようと前向きに取り組む姿勢を見せていた。しかし、まさかの退団。入団発表時は現役バリバリメジャーリーガーが合流するとのことで大きな期待を集めていたが、開幕2軍スタートを通告され逆にそのプライドが仇となった可能性もある。

 開幕戦に向けて士気を高める阿部巨人にとっても痛手になったことは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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