NPO法人OVAは、子どもの自殺対策を目的としたChrome拡張機能「SOSフィルター」の本格開発に着手するにあたり、4月26日(金)にキックオフイベントを開催いたします。

SOSフィルターとは、1人1台配布される学習用端末「GIGA端末」で、深刻な悩みに関連するワードを検索した子どもたちに、適切な社会資源などをプッシュ型で発信するChrome拡張機能です。2023年11月にβ版を開発し、これまで試験導入を進めてきました。その結果、自殺関連用語だけで月20~60件(生徒数981名の中学校・高等学校)を超える検索行動が行われていることが分かっています。

本格開発では、検索キーワード拡充の他、コンテンツやデザイン面でのブラッシュアップを行う予定です。2024年7月には開発を終え、全国の教育機関に無償提供を行います。

キックオフイベントでは、代表理事の伊藤から児童生徒における自殺対策の現状や課題についてご説明するとともに、開発に携わったデザイナーとエンジニアも登壇し、SOSフィルターの仕組みや開発過程、今後のビジョンなどをお話しします。子どもの自殺対策にご関心のある方、デジタルアウトリーチにご関心のある方はぜひご参加ください!

▼イベント参加は下記リンクからお願いいたします
https://forms.gle/XXpDTU9ybxzN5Mg89

※申し込み締め切り:4月19日(金)

「SOSフィルター」とは

「SOSフィルター」は、深刻な悩みに関連するワードを検索した児童生徒に、適切な社会資源などの情報をプッシュ型で発信するChrome拡張機能です。児童生徒に1人1台配布される学習用端末「GIGA端末」であらかじめ登録された深刻な悩みに関するワードを検索した際、その悩みに合った相談窓口やセルフケアの方法をまとめたポップアップを表示。情報を提示したうえで、児童生徒の意思を尊重しながら次に起こすアクションをサポートします。


SOSフィルターの利用イメージ

警察庁厚生労働省が公開した統計によると、令和5年における児童生徒の自殺者数は507人(暫定値)と、過去最高である昨年の514人と同様に、高い水準を記録しています。

こうした深刻な状況を踏まえ、国は「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」を設置し、2023年6月には「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を取りまとめています。2024年2月には、文部科学省から各都道府県の教育委員会に対し、児童生徒からのSOS早期把握に向け、GIGA端末を活用した対策を積極的に取り組むよう、通達を出しました。

本格開発では、検索キーワードの拡充を

OVAでは、検索キーワードを自殺関連用語に特化したSOSフィルターのβ版を2023年11月に開発し、試験導入を進めてきました。試験導入にご協力いただいた私立の中学校・高等学校(生徒数計981名)では、2023年11月から児童生徒のGIGA端末に導入し、自殺関連用語だけで月に計20~60件を超える検索行動が行われていることが分かっています。

本格開発では、検索キーワードを「自殺関連用語」だけではなく、「自傷行為」「いじめ」「虐待」「精神疾患」「性暴力被害」のように領域を拡充する他、相談窓口やセルフケアなど届けるコンテンツの見直し、デザイン面でのブラッシュアップを実施。2024年7月には開発を終え、全国の教育機関が無償でダウンロードができるようにいたします。

現状のGIGA端末は、自殺に関連したワードを検索すると、フィルタリングで検索結果自体が表示されなかったり、管理者に通知されたりするなど、制限・監視的な対応がとられることが多いです。SOSフィルターを導入することで、子どもたちがより適切な相談窓口につながったり、セルフケアの方法を学ぶことをサポートできると考えています。

今回、本格開発にあたり、4月26日(金)12:00からオンラインでキックオフイベントを開催することになりました! 当日は代表理事の伊藤から児童生徒における自殺対策の現状や課題についてご説明するとともに、開発に携わったデザイナーとエンジニアも登壇し、SOSフィルターの仕組みや開発過程、今後のビジョンなどをお話しします。

イベント開催概要

イベント概要
テーマ:

GIGA端末を活用したアウトリーチの実践。子どもたちの「生きる」を支えるために
日時:2024年4月26日(金)12:00~13:00
場所:Zoom(お申し込みいただいた方に視聴URLをご案内します)
参加費:無料

当日のプログラム予定
11:45~:ウェビナーオープン
12:00~12:05 ご挨拶
12:05~12:40 SOSフィルターのご説明
12:40~12:50 質疑応答

当日お話しするテーマ
・児童生徒の自殺と自殺対策の現状と課題
・SOSフィルターの概要と目的
・SOSフィルターの仕組み、開発過程
・本格開発に向けた改善点と新機能
・デジタルアウトリーチの重要性と今後のビジョン

登壇者プロフィール

NPO法人OVA 代表理事・伊藤次郎


学習院大学法学科卒業。メンタルヘルス対策を企業等に提供する人事コンサルティング会社(EAPプロバイダー)を経て、精神科クリニックにて勤務。主にうつ病で休職しているビジネスパーソンの復職支援を行うなど、働く人のメンタルヘルス対策に従事した。

2013年6月末に日本の若者の自殺が深刻な状況にあることに問題意識が芽生え、マーケティングの手法で自殺ハイリスクの若者のリーチしようと「夜回り2.0(インターネット・ゲートキーパー活動)」の手法を開発・実施し、NPO法人OVAを設立した(2014年)。

NPO法人OVA アウトリーチ部 立川花帆

高校生のとき、部活動で自殺対策について調べたことをきっかけに、自殺という社会問題に向き合いたいと考えるようになる。高校卒業後、専門学校でデザインを学びながら、OVAに非常勤職員として入社。2024年4月から常勤職員として、グラフィックデザインやWebサイトの作成、広告の管理などを行う。悩みを抱えながらもなかなか周囲にSOSを出せなかった学生時代の経験もあり、「過去の自分と同じように悩んでいる人の苦しみに寄り添えたら」という思いで、SOSフィルターの開発やデザインに携わった。

プログラマー 佐藤竜也

1981年生まれ。名古屋大学大学院情報科学研究科博士後期課程単位取得退学(修士)後、2009年楽天株式会社入社。 2013年からスクラムを取り入れた開発を始める。 C向けWebサービス、社内情報システム、プライベートクラウドの開発、新規事業開発に従事。 現在、株式会社ホロラボにて建設業界をメインとする受託開発を行っている。

社外では、Ruby、OSS開発、スクラムやアジャイル開発などを中心にコミュニティ活動を行っている。 人の役に立つことにソフトウェアエンジニアを主軸として、さまざまな業務を担当。 実務を通じた自己研鑽のために個人事業主としても、プログラマーとしてソフトウェア開発をしている。HP:https://www.satoryu.com

▼参加方法

下記のGoogleフォームからご応募ください。
https://forms.gle/XXpDTU9ybxzN5Mg89
※申し込み締め切り:4月19日(金)

NPO法人OVAとは

OVAは、主に検索エンジンにて自殺関連用語を調べる自殺リスクの高い方々に対し、検索連動広告を通じてアウトリーチとインターネット相談を実施しているNPOです。2023年12月現在、40を超える自治体で検索連動広告を活用した自殺対策事業を展開しています。

児童生徒は、GIGA端末を活用してさまざまな検索行動をしており、ときには自殺に関連したワードが調べられているという報告もあります。当法人ではこれまでの事業展開で培ったノウハウを活用することで、「リスクの高い生徒に対し、Chrome拡張機能を活用したプッシュ型の情報発信ができないか」と考え、SOSフィルターの開発を行っております。

<団体概要>

設立:2014年7月18日

代表理事:伊藤次郎

本部所在地 : 東京都新宿区西新宿7丁目17番7号 廣田ビル401号室

事業内容 : 自殺リスクが高い人々への直接的・間接的な支援、また自殺予防の啓発、支援ネットワーク構築、社会に対する提言など、自殺予防に関するあらゆる取り組みを行う。

URL:https://ova-japan.org/

配信元企業:特定非営利活動法人OVA

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