少年漫画において「秘められた力の解放」というのは、心躍る展開のひとつ。体から湧き上がる自身のエネルギーを受け、「これが…おれ?」と慄くシーンなどは、もはや様式美である。
以前X上では、まるで漫画のワンシーンのような「力の解放」が話題となっていたのをご存知だろうか。
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■人生初の台パン、その威力は…
今回注目したいのは、Xユーザー・Fictionさんが投稿した1件のポスト。
こちらの投稿には「人生で初めて台パンしたんだけど、自分の拳の破壊力が予想以上だった。すまんテーブル。許してくれ。」と、意味深な文章が綴られている。
台パンとは元々、ゲームセンターでゲーム筐体を叩く行為(=台パンチ)を指すが、転じてテーブルなどを叩く際にも使用される言葉。さてはテーブルを陥没させてしまったのかな、とポストに添えられた画像に目をやると…。
そこには、天板が半分以上破壊されたテーブル…いや「かつてテーブルだったもの」が写っていたではないか。
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■「ここまで破壊されてるのは初めて」
もはや「破壊」でなく、何らかのスタンド能力で「削り取られた」としか思えない衝撃的な光景は、X上で大きな話題に。
件のポストは投稿から数日足らずで2万件近くものリポストを記録し、他のXユーザーからは「攻撃範囲広くないですか!?」「ここまで破壊されてるのは初めて見た…」「攻撃力というか、テーブルの防御力に問題がありそう」「台パンガチ勢過ぎる」など、驚きの声が多数寄せられていた。
果たして、こちらの超弩級な台パンはどのような経緯で振り下ろされたのだろうか。ことの経緯をポスト投稿主・Fictionさんに尋ねたところ、様々な事情、そして衝撃の後日談が明らかになったのだ。
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■これは台パンにも納得…
人生で初めて台パンしたんだけど、自分の拳の破壊力が予想以上だった。
すまんテーブル。許してくれ。 pic.twitter.com/CW36la1ZQu
— ✝️呪👻 Ƒᶖƈţᶖƍᶇ 👻呪✝️ (@oO_Fiction_Oo) March 2, 2024
ポスト本文にも「人生で初めて台パンした」とあるように、普段はゲームで負けた際に台パンなどせず、ため息を吐く程度であったFictionさん。
しかし、横領や相続問題といったトラブルに巻き込まれ、過度なストレスを抱えた状態となっていた。そんな折、「台パンをしてみたら少しは気が晴れるのだろうか」とふと疑問を抱き、今回の台パンに至ったという。
当時の心境について、Fictionさんは「かなりの力で殴ったのですが、アドレナリンが出ていたのか、殴った瞬間はそこまで痛くなく、数分後に痛みが訪れました」「スカッとはしましたが、それよりもテーブルが壊れてしまったことと、分厚かったテーブル内部の構造が写真のような状態になっていたことが驚きでした」と振り返っている。
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■後日談に思わずニッコリ
テーブルを破壊後、Amazonで他のテーブルを吟味していたFictionさんだが、DIY動画を数本見て、テーブルを自作することを決意。
台パンで机を破壊したけど、ホームセンターでアカシアの板材を安く買ってきて残された脚の部分と合わせてDIYする事によりQOLが爆上がりしたよ!(・‿・) pic.twitter.com/Vskr5cxm89
— ✝️呪👻 Ƒᶖƈţᶖƍᶇ 👻呪✝️ (@oO_Fiction_Oo) March 3, 2024
ホームセンターにて木材をカットしてもらい、パーツ類と合わせて購入し、自宅にて組み立てたところ、予想以上に使用感の良いテーブルが完成したのだ。製作にかかった費用はトータルで6,700円ほど。
Fictionさんは「優しい木の色で、心が落ち着きます。大事に使っていこうと思います」ともコメントしており、QOLが爆上がりしたようだ。
「台パン」という行為はアンガーマネジメントの観点から見ても好ましくなく、特に「ゲームセンターでの台パン」は、店舗側に迷惑が及ぶ行為である。
しかし前出の通り、Fictionさんは日常的に台パンをしていたワケではなく、様々な要因が重なった結果、ストレスの捌け口として「誰にも迷惑をかけない台パン」を選択したに過ぎない。
突如感情を爆発させた人物を見て「危ない奴」と距離をとりたくなる気持ちも分かるが、その人物にも「何らかの事情があった」と推察する能力は、対人関係における重要なスキルとなり得るだろう。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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