今後導入が予定されている国際海事気候(IMO)規制や、気候変動およびエネルギーシフトに関する社会的要請など、海運業界は大きな課題に直面しています。中でも脱炭素、燃料の節減・転換は最も関心の高いトピックです。
IMOの新規制は従来以上のスピード感を持って対応することが求められています。多くの造船会社は燃料の切り替えを検討し、CII・EEDI-3への準拠を急いでいます。スイスに拠点を置くLR Shipdesign AGは、この問題に革新的なアプローチを提供します。AFT OPT(C)は船尾セクションを最適化する新テクノロジーです。この技術はLR Shipdesign AGが独自に開発し、特許を取得しています(特許第7287706号)。
革新的で優れた効果は専門家によって高く評価されています。またテスト結果の分析から、モデルスケールと比較してフルスケールでのデモンストレーションにおいて、より高い効果が得られることがわかっています。
2024年/2025年に、この技術を実装した最初のコンテナ船の造船が予定されています。

デザイン

AFT OPT(C)は船体後部の船底部分に微細な改良を加えることで、船体主線に平行な水流(「ウォータージェット」)を加速します。この技術は船首からラダーまで船体下に位置する水の層の流れを詳細に分析することで実現しました。期待できる効果としては、より多くの水がプロペラディスク全面にまんべんなく供給され、その結果、渦流から推進力を得るプロペラとねじれ舵の両方で、エネルギーの活用効率が改善します。造船時に導入することで、コストを抑え大きな技術負担なく実装できます。

船尾部分のプロペラとラダーのセットアップを入れ替えることで、別途ESDを実施することなく、あらゆる航行速度において効果を発揮します。

図1:2022年ハンブルグHSVAにおけるばら積み貨物船の例。右が船体ラインにAFT OPT改良を加えたもの

物理的効果

AFT OPT(C)の特殊な形状と船底半円形状の入力エッジにより船体にかかる水圧が低下し、さらにくぼみにより水流が加速します。その結果、エネルギー損失が軽減され、エッジライン(肩)および船尾に沿った流れパターンと後流の渦が最適化されます。このシステムは主にプロペラとラダーへの水流を改善するもので、プロペラは特に12時の位置でより多くの水圧を得ます。トランスミッションや推進力を調整することで、さらなる効果を生みます。

図2:76k dwtバルクキャリアにおける13 ktsでの断面流速場の比較(左がAFT OPT設置前、右が設置後)

テスト結果

HSVA標準相関法に基づきテスト結果分析を実施しました。

静水時テスト結果は以下の通りです:

(1) AFT OPT(C)の導入により、フルスケール船13.0 ktsにおいて主エンジン出力を約6.7%削減。

(2) プロペラ回転数の低下により対応する主エンジンの特定燃費(SFC)が減少したことから、さらなる燃料削減が期待できる。

図3:航行時の出力予想。バルクキャリア76k10%S.M.の場合

認証

AFT OPT(C)船体設計の効率性はLiberian Registry、 ClassNK(Statement No. 22WE07200)、ABS(Statement T2443507)、DNV(Statement M-DH-P)による認証を受けています。

革新的な技術AFT OPT(C)設計の詳細と船舶設計への導入については、どうぞお気軽にLR-Shipdesign AG日本窓口までお問い合わせください。

サン・テンコンサルティング合同会社

Web: https://www.san-ten.com/ja/lrshipdesign/

Tel: 03-5322-1373

Email: LRSD@san-ten.com

LR Shipdesign AG

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