第18回田辺・弁慶映画祭が11月8日から10日までの3日間、和歌山県田辺市の紀南文化会館(予定)で開催されることが決定。コンペティション部門の作品募集が4月12日からスタート(7月12日まで)する。オンラインにて応募を受付ける。

これまで多くの若手監督作品を選出し、沖田修一、瀬田なつき、今泉力哉、岨手由貴子らコンペ部門受賞監督や出演俳優たちがその後商業映画で活躍していることから、"インディーズ登竜門"と高い評価を得ている同映画祭。第17回は過去最高となる188本の応募があり、厳選された入選8作品の中から瑚海みどり監督「99%、いつも曇り」が弁慶グランプリと観客賞、俳優賞(瑚海みどり二階堂智)、新設のわいず倶楽部賞を獲得。秋葉美希監督「ラストホール」がキネマイスター賞、大黒友也監督「ゴミ屑と花」が映画.com賞、緑茶麻悠・佐伯龍蔵監督「ロマンチック金銭感覚」がフィルミネーション賞を受賞した。

そして、第17回受賞作品や受賞監督の新作などを特集上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2024」が、8月23日から9月12日までテアトル新宿、9月20日から26日までシネ・リーブル梅田(4月19日よりテアトル梅田に改称)で開催されることも決定し、あわせてチラシビジュアルが公開された。

瑚海監督の初長編映画「99%、いつも曇り」は、アスペルガー(発達障害)傾向にあることに悩みを持つ楠木一葉が、流産した経験もあり子作りに前向きになれないことで、次第に夫の大地とすれ違っていく葛藤を描いた人間ドラマ。瑚海監督が自ら一葉を演じ、二階堂智、永楠あゆ美らが共演。瑚海と二階堂が揃って俳優賞を受賞するなど圧倒的な支持を得た。

映画.com賞を受賞した大黒監督「ゴミ屑と花」は、ゴミ収集の仕事をはじめた尾崎浩一と、研修期間の指導員・橋本花を主人公に、深夜のゴミ収集にまつわるドラマを丹念に描いた、誰に称えられることのない影の功労者を見つめたアンサングヒーローの物語。主演は植木祥平と花柳のぞみ。大黒監督は、中田秀夫、黒沢清、三池崇史ら名だたる監督たちの現場で助監督を務め、本作が初監督作品となる。

「田辺・弁慶映画祭セレクション2024」とコンペ作品募集チラシビジュアル (C)田辺・弁慶映画祭実行委員会